【陸自中音定期(6月18日)】
6月18日(木)
陸上自衛隊中央音楽隊 創隊75周年 第178回定期演奏会
東京芸術劇場
W.ウォルトン(W.J.デュソイト編)/戴冠式行進曲「王冠(クラウン・インペリアル)」
J.マッキー/アスファルト・カクテル
S.プロコフィエフ/体育祭行進曲
真島俊夫/3つのジャポニスム
指揮:2等陸佐(副隊長)柴田昌宜
R.W.スミス/インチョン(仁川)
M.アーノルド(J.P.ペインター編)/4つのスコットランド舞曲Op.59
J.シベリウス(鈴木英史編)/フィンランディアOp.26
指揮:1等陸佐(隊長)志賀亨
見よこの見事なプログラム。
最初に全員起立で『国歌 君が代』から始まり、本編は中央音楽隊がかつて演奏に赴いたことのある国々(英国、アメリカ、韓国、フィンランド)を題材とした音楽の集成。『音楽世界めぐり』の究極だ。
私が中央音楽隊の(全体での)演奏を聴くのはたぶん30年ぶりくらい。メンバーは間違いなく全員入れ替わっていると思うが、出てきた音もまた次元の違うような進化があった。プロフェッショナルとしての技術と音楽性、国を代表するという誇りと尊厳、そして特に「分かりやすい」曲は入れずとも、お客さんに「音楽」そのものを楽しんでもらうエンターテイメント。すべてを高い次元で並立させていた。中でも『アスファルト・カクテル』の熱演、『4つのスコットランド舞曲』の、まるで現地スコットランドの楽団かと思うようなローカリティの表現が個人的には印象に残っている。
前半を柴田副隊長、後半を志賀隊長で振り分けたが、痛快で解放的に鳴らす柴田さん、正統的ですべてが溶けあい隅々まで目配りの効いた響きを作り出す志賀さん(「軍楽隊の指揮者」というイメージを覆すような天衣無縫な振り方が楽しかった)と、まるで別のバンドのような音が聞こえていたのが興味深かった。オーケストラから「自分の音」を引き出すのが指揮者の究極の役割であり、それを実現するのがプロたるオーケストラだとしたら、この日聴いたものは指揮者、バンドともどもまさしくプロの仕事だった。
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