【新生シンフォニエッタ ジャパン(6月5日)】
6月5日(金)
シンフォニエッタ ジャパン(旧称 シンフォニエッタ静岡)第83回定期公演
三鷹市芸術文化センター 風のホール
A.マニャール/
古い様式による管弦楽組曲より 1、2、3
葬送の歌
正義への讃歌
交響曲第3番
指揮:中原朋哉
団体名から「静岡」が取れて迎えた2026年度、最初の定期はアルベリク・マニャール(1865-1914)の作品展。
ドビュッシーの同世代のフランスの作曲家だが、こちらはフランクの直系の保守派。4つの格調高い交響曲を書いたが、ほとんど知られていない。
140人の作曲家による384曲の交響曲を網羅した音楽之友社のムック『交響曲読本』(1995)にも1曲も取り上げられていない!(個人的にはこれは書籍編集上のエラーだと思う。)
第一次大戦下、自宅に侵入したドイツ兵と銃撃戦の末、家に火を放たれて焼死するという悲劇的な最期を迎えた。戦時下で敵国の兵士に向かって発砲すればどういう事態が起こるかなど想像がつきそうなものだが、マニャールという人はおそらく、「保身」のために何かをするとか何かをしないとか、そういう発想とは縁のない人だったのだと思う。
日本でマニャールの作品だけでオーケストラの演奏会が開かれたのは、もしかして初めてではないだろうか。
室内オーケストラなので弦楽器の人数は少ないが(5-4-3-3-2の17人編成)、そんな極端なバランスの悪さはない、誠実なよい演奏だった。
曲順変更により、40分の長さの「交響曲第3番」が前半。「牧歌的」bucoliqueというタイトルを持ち、かつてアンセルメも録音を残した佳品である。後半は管弦楽曲。父親を追悼した『葬送の歌』と、ドレフュス事件を題材とした『正義への讃歌』は、この時代(19世紀末~20世紀初頭)のフランス音楽にかかるワーグナーの影が直接的に観察できる。どちらも最後はほとんどワーグナーの楽劇の終結部のようである。『正義への讃歌』の真に迫った没入的な熱演には惹き込まれた。
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