【クダッチ(下地啓二先生)健在なり!(5月25日)】
5月25日(月)
ムッシュ・クダッチ~サクソフォンの世界
小金井宮地楽器ホール 大ホール
チャイコフスキー/弦楽セレナード*
J.S.バッハ(J.M.ロンデックス編)/無伴奏チェロ組曲第1番BWV1007
下地啓二(A.Sax独奏)
平部やよい/ Aurora plasma(委嘱作品・初演)*
ビゼー/歌劇「カルメン」より 闘牛士の歌~アルカラの竜騎兵~間奏曲~アラゴネーズ~ジプシーの歌*
*クダッチSAXオーケストラ(指揮:下地啓二)
2年ぶりに開催された、M.クダッチこと下地啓二先生(サクソフォン)の指揮と独奏の夕べ。
下地先生の音楽は、近年ますます、「存在し得ないもの」を一途に指し示すかのようになっている。
まさに「天才」であるが、天才ではない私たちとしては辿り着き難い境地ではある。
下地先生のもとで演奏するというのは、おそらく、自分の中にある(かもしれない)僅かばかりの「天才」を、無理やりにでも引っ張り出して対峙する必要がある。
これはもう「必死」ではあるが(必死とは「必ず死ぬ」ということである)、同時にこの上ないような巨大な「歓び」ではあろうと想像する。
日本各地から集まった、下地先生の元門下生たちのサックスオーケストラは、それはそれは物凄い音を出していた。
それにしても下地先生、先生の人となり、人間性そのものと、その音楽、楽器との間に、本当に境界がない。
1部の後半、舞台上を全部片付けて演奏された、バッハの無伴奏チェロ組曲1番。こんな惹き付けられる演奏は(サクソフォンに限らず、原曲のチェロでも他の楽器でも)聴いたことがなかった。
まるでボウイングが見えるような(管楽器なのに!)プレリュード、強靭なスピード(テンポのことに非ず)が一貫するクーラント、まさに「踊り」のように自在なメヌエット。ソプラノでもおなじみの、熱く怜悧でテンション高い独特の音色。
終わってみれば、人間が生きていて、音楽を奏でる、というのはなんと偉大で、あり得ないほど貴重なことか、という感慨だけが残った。
脱帽である。
次回は未定だそうだが、下地先生がお元気なうちは続いてほしいものだと願う。
(Facebookからの転載)
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