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2026.05.11

【TKWO、ダフニス全曲、サックス四重奏コンチェルト(4月29日)】

F_260429

4月29日(水・祝)
東京佼成ウインドオーケストラ 第173回定期演奏会
東京芸術劇場

サン=サーンス(大橋晃一編)/歌劇「サムソンとデリラ」より バッカナール
J.アンドリーセン/サクソフォン四重奏と吹奏楽のためのコンチェルト・グロッソ
 林田祐和、五十嵐健太、松井宏幸、栃尾克樹(saxophone)
ラヴェル(大橋晃一編)/バレエ音楽「ダフニスとクロエ」(全曲)
指揮:ユベール・スダーン

「ダフニスとクロエ」全曲!の驚異。
そもそも「ダフニス」全曲を(「ダフクロ」という略し方は嫌いです。響きが美しくないので。略して言うなら「ダフニス」が世界標準でしょう)吹奏楽という形態で演奏すること自体が無茶苦茶な挑戦だけど、結論から言えばファンタスティックな勝利、という一言。吹奏楽へのオーケストラ曲の「編曲」というレベルを超えて「再創造」を成し遂げた関係者(編曲者と演奏者)の、節度を越えた(笑)執念と尽力にノックアウトを喰らったかのような55分だった。
原曲スコアに含まれる合唱(歌詞なし)の扱いひとつをとっても周到の極み。オーケストラ(器楽)に対する人声、という音色の対比を、管楽器だけという限られたパレットの中で各場面ごとに違うやり方で違和感なく作り出していた。第2場への間奏曲(アカペラ合唱で歌われる)のオーケストレーションも見識あるもの。
今日は3階席だったけれど、これほど繊細なオーケストレーションならもう少し近い席で聴き取るべきだった、とちょっと後悔した。
最後の第3場(いわゆる「第2組曲」)に至って、もう原曲だのアレンジだの言うのはどうでもいい純音楽的な名演。若き日にフランスの名匠ジャン・フルネのアシスタントも務め、フランス音楽を得意とするスダーンさんの実力が遺憾なく発揮された。「無言劇」の素晴らしいフルートソロは前田さん。自分の職場で全曲版でこのソロを吹ける日が来るとは思っていなかっただろうな。

アンドリーセンのコンチェルト・グロッソ。初演以来の再演。
私は初演を聴いた記憶があるけれど、もう34年も前のことだったのか。ソリスト=団員は4人とも入れ替わっていたのが感慨深い(初演時は須川展也/田中靖人/仲田守/秋本康夫の4名)。
初演は同じ東京芸術劇場で、1階席で聴いたのだけど、仲田さんの音だけが飛び抜けて聞こえてきたのを覚えている。上階で聴いた人はそんなことは無かったと言っていたので、「前に飛んでいく音と上に響く音」があるのだ、ということを実感した貴重な機会となったのだった。

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