【神田将、奇跡のエレクトーン(4月8日)】
4月8日(水)
神田将(Electone)奇跡のコンチェルト
霞町音楽堂
ホルスト/組曲『惑星』より火星、金星、木星
ラヴェル/
『ダフニスとクロエ』第2組曲
亡き王女のためのパヴァーヌ
ムソルグスキー(ラヴェル編に基く)/展覧会の絵
エレクトーン(ヤマハ商標♪)でクラシックの大曲を演奏される名手神田さんが今般、日本を代表するようなソリスト達との共演で、全11夜のコンチェルト演奏会という野心的なシリーズをここ霞町音楽堂で開催されることとなり、今回はその「序夜」として神田さんの独奏会。
シリーズの全貌はこちら→
https://ongakudo.tokyo/2026/02/16/kiseki_concerto_yuki-kanda/
本日の曲目は私にとっても、50年近く前のクラシック音楽初心者の頃から現在まで、繰り返し聴いたり演奏したりしてきた作品ばかり。楽しみに聴いた。
どれもたいへんに見事なもので、原曲の華麗なオーケストレーションを鮮やかに再現するにとどまらず、その奥にある作曲者の意志や情念を掴み取ろうとする気迫にうたれた。個人的に白眉だったのは『ダフニスとクロエ』か。ラヴェルが大オーケストラを駆使して描き出した「感謝と歓喜」の世界(第2組曲のテーマはそれだと思う)が、エレクトーンという(いくら多機能を備えた電子機器とはいえ)たった1人の生身の人間がリアルに弾く楽器によって眼前する様は圧巻だった。
また『惑星』での人声のようなエフェクトや、弦楽器(ヴァイオリン、チェロ)のソロに趣の異なる音色を当てるなどの独自の創意も興味深かった。神田さんは若い時に冨田勲の『惑星』に大きな影響を受けた話をされていてなるほどと思った(半世紀も前にあのような音と音楽を創った冨田勲という人の偉大さには改めて感嘆する)。
神田さんのエレクトーンを聴いたのは3年前(2023年)の波多江さん(sax)のリサイタル以来だったが、当時に比べて驚くほど自然な音色で、どうしても付きまといがちだった「電子音くささ」が格段に薄れていた印象があった。なんでも楽器が今年2月に発売されたばかりのヤマハの最新鋭機種だそうで、性能は向上したものの機械の初期トラブルには苦労されていたようだったけれど(聴いている分にはコンサート冒頭の明らかなエラー以外はそれほどはっきりとは分からなかった)、音色に関しては楽器の性能そのものより、奏者側の努力や工夫に楽器の方がやっと追いついてきた、ということなのかなと思った。
会場は西麻布のゴージャスで親密な空間。満席御礼!
5月から始まる名手たちとの「1対1のコンチェルト」、とても楽しそうで類を見ないワクワク感と独自性のある演奏会になることと思う。土日の公演が多いので個人的にはなかなか予定が合いづらいのだが(次回5/24、青柳晋さんとの『皇帝』は早速自分の本番とかち合っている)、行ける時には行きたいものだ。
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