【善福寺川の源流にて(12月29日)】
12月29日(日)
デュオの愉しみ
葉月ホールサロン
ピアソラ/リベルタンゴ
ボザ/アリア
小倉和彦/ Divertiment~アルトサクソフォンとピアノのための嬉遊曲~
岡野貞一(伊藤康英編)/ふるさと
あはがり(奄美民謡、NHK「新日本風土記」テーマ)
ラフマニノフ/ヴォカリーズ
プッチーニ/「トゥーランドット」より 誰も寝てはならぬ
小倉和彦(saxophone)
瀬尾愛永(piano)
2024年最後のコンサートは、40年以上前の大学生のときにたいへんお世話になった小倉さんが、数十年ぶりにソロライブを開催するとのことで、西荻窪まで足をのばしてきた。
大学の吹研のトレーナーだった小倉さんは、当時国立音大のサクソフォン科を卒業して中学校の教員になられたばかりで、私にとってはアカデミックな音楽とサクソフォンの世界を一番最初に教えてくれた方だったのだ。
そんな小倉さんが1978年、大学生のときに作曲されたというアルトサクソフォンとピアノのための「Divertiment」を、色々あった末に自ら復活上演する会として企画されたライブだった。会場の数十席のサロンはほぼ満席。
小倉さんはここ数十年、公立中学校の教員職(赴任校ではコンクール等で多くの錚々たる成果を出されていた)と、定年退職後は市民バンドの指導に専念されていたはずで、久々に人前で吹くであろう楽器の音は何か、懐かしい70年代の流儀や美意識がそのまま保存されているかのようで、Divertimentという作品もまた、明らかに聞こえてくる当時の現代音楽の雰囲気(クレストンのソナタや湯山昭とブートリーの同名曲など、70年代のサクソフォン専攻音大生が接していたであろう最先端の)が興味深くまた趣深いものだった。
私にとっては小倉さんはかつて、あんな大人になりたい、と思った一人であったが、今となってはそんな自分自身が結構な年寄りになってしまっていることに思い至って、ちょっと愕然とするのだけど、「あんな大人になる」というのは目的ではなく、日々の為すべきことを誠実に積み上げていった結果としてあるべきなのだなあ、と、当り前の事を改めて実感させられる時間だった。
小倉さん、たいへんお疲れ様でした。
会場の葉月ホールサロンは杉並区の善福寺池のほとり、善福寺公園に隣接するなかなか素敵なロケーションの場所だった。
亡父の実家が、ここ善福寺池から流れ出る善福寺川の近くで、小さい頃はお正月などによく川辺の和田堀公園などで遊んだ記憶のある、懐かしい一帯であった。
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