没後10年のアルメニアンダンス…時代の交替
新着…というには時間が経ってしまったけど、2月に発売されたCD、大井剛史さん指揮の東京佼成ウィンドオーケストラによるリード・アルバムのことを、リード先生のメモリアル・イヤーだった今年度のおしまいに書かせていただく。(Facebookからの加筆転載)
これに収録の「アルメニアンダンス」は、これまでにCDで発売されたアルメニアンダンスの全曲版の録音(キューネル武蔵野音大、リード佼成、フェネル佼成、佐渡シエナ、リード大阪市音、etc.)の中でも、最もすばらしい演奏だと断言する。
私が言うんだから間違いありません(笑)
決して派手な演奏ではない。速いところがむちゃくちゃ速い訳ではないし、遅いところもそんなに重くない。
しかし、細かな音符ひとつひとつまで妥協なく丁寧に美しく「正しく」鳴っている、「吹奏楽」の録音ではいまだ存在したことのないような、純粋に「音楽的」な演奏だ。
リード先生はこんなにもたくさんの音色のバリエーションをスコアの上に書き分けていたのか、と改めて気付かされて、目が覚める思いだった。
是非、よい再生装置でじっくり耳を傾けていただきたいと思う。
2014年4月の定期演奏会のライブ。
こんな水準の演奏がライブで鳴ったのなら、他の予定は蹴ってでも聴きに行くべきであった。
それにしても、正直なところを言っちゃうと、昔の佼成だったらリード先生の曲をここまで精緻には演奏しなかったと思う。
たくさん残されている佼成の25年くらい前の自作自演の録音より、これのほうが格段に上手い。
昔は技術水準のせいで精緻に演奏できなかった、とか、そういう理由では多分なく。
おそらく、リード先生の曲を演奏するということが、「現役の人気作曲家の作品をとりあげるイベント」から、亡くなられて10年を経て、「古典」として真摯に、虚心に取り組むべきことへと変わってきたのだと思う。
「音の輪」コンサートだってそうだよ。リード先生が存命で指揮されていた頃より、今のほうが演奏水準は断然上だもの。
どこかで、「時代」が替わったんだね。
そんな、「時代の交替」を象徴する存在、というか音源として、感慨深く聴いた。
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