ホリガーのテレマン
テレマンの12のファンタジー(原曲:無伴奏フルート独奏のための)といえば、比較的最近、J.Y.フルモーの監修によるサクソフォン版の楽譜が出版され(G.Billaudot)、バッハのチェロ組曲に続く無伴奏バロック物のレパートリーとして、サクソフォン奏者によって演奏される機会が近年増えている曲でもある。
じつは私も、機会があったら何曲かやってみようと思って、少しずつ譜読みを始めているところ。
フルートやリコーダーの奏者による録音はいくつかあるけれど、サクソフォニスト的見地から見れば、なんといってもこのホリガーによるオーボエでの演奏が興味深い。
割れ鐘のようなぶっといホリガーのオーボエの音は、本業のオーボエ吹きの間ではあんまり好まれていないらしい。
ホリガーその人の凄さは、当然ながら誰もが認めるにしても。
まあ、そりゃそうだろうな、とは思う。
私だって、1年くらい前に生まれてはじめてホリガーを生で聴いた時には、びっくり仰天したもの。なんじゃこりゃあ、って。
いわゆる「美しい音色」というものに対する自分自身のイメージや観念の、再設定を迫られるかのような音だ。
「音色」というものに対する考えの次元の繰り上げを要求される、と言い換えてもいい。
(サクソフォン奏者の中にもそういう音を出す人はいない訳ではないけれど、ホリガーほどに徹底した人はいない、と私は思う)
でも、他の楽器のために書かれた曲を、たとえばサクソフォンで演奏しようと思ったら、音色に対する感覚の再設定というのは、ある意味必須の作業ではないか。
RegisのこのCDは、やはりDENON音源で、日本国内で発売されているこちらのCD(HMVのサイト内)と同じものである。
ただし、DENON盤には入っていない、やはりテレマンの「忠実な音楽の師」よりト短調のオーボエソナタがボーナストラックのように付いていて、これがまた実に楽しい演奏だったりする。
…と、ここまで書いたところで、ちょうど12曲が一巡した。
普通に聴いているだけでも充分満足できる、深い演奏でもある。
BGMとしても最高。
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