第九
クリスマスだけれど、昨日からそれっぽいことは特に何もしていないので(する必要もないんだが)、せめて気分だけでもと、クープランの「教区のためのミサ曲」(オルガン独奏)のCDを小さな音で鳴らしている。
ホントは、昔Eratoの廉価LPで出ていたマリー=クレール・アランのふるーい録音がいいんだけど(いまCDで手に入るのは再録音盤)。
今日(25日)は、2009年締めのコンサート(東京文化会館)へ。
ベートーヴェン/「エグモント」序曲
同 /交響曲第9番「合唱付」
Sp:澤畑恵美、Ms:竹本節子、Tn:望月哲也、Br:成田博之
二期会合唱団
東京都交響楽団
指揮:ゴロー・ベルク
ここ何年か年末の第九はずっとサントリーだったけれど、久々の東京文化。
てっぺんまで満員のこのホールは実にいい雰囲気ですね。これこそ「コンサートを聴いている」、って気分になれる。
演奏も隅々まで整って、まずは文句なし。
指揮者は若手(1968年生まれで若手ですか。指揮者業界は超高齢化社会です。笑)のドイツ人。
テンポが速い。ただ速いのではなく、「間」をあまり取らずにどんどん進んでいく人だ。とはいえ、ある種のピリオド系指揮者のようなエキセントリックな速さではないので、別に気にはならない。
第九はどこのオーケストラでもやるけれど、聴くならばやはり、一番贔屓にしているオケで聴きたいと思う。
私の「第九」遍歴でもつらつら書いてみますか。
最初は、小学生のときなぜか家にあったカラヤン=ウィーンフィルの疑似ステレオLP(東芝)。
これは実はとても古い録音(1940年代)だったらしいんだが、当時はあまり気にしていなかった。今思い返してもなかなか良い演奏だったと思う。
3楽章の途中でA面が終わるので、ひっくり返して続きを聴くものだった(「第九」を1枚に収めたLPはほとんど皆そうだった)。
楽章の途中でレコードを裏返すのがだんだん嫌になって、高校生になってからお小遣いで買ったのがワルター=コロンビア響のステレオ盤(CBSソニー)。
「運命」(5番)と一緒に限定2枚組で出たやつ。
正直言って演奏はあまり好きになれなかったが(オーケストラも合唱も何か薄っぺらだし、テノール独唱が品のない歌い方だった)、せっかく自分で買ったレコードなのでいっしょうけんめい聴いたものだ。
80年代はバーンスタイン=ウィーンフィル(DG)。
実はレコードになる前のライブの録音が、1979年の大晦日(高校3年生!)にFMで流れたのを聴いていて、とても印象に残っていた。
そういえばレコードが全集で出た時、雑誌で諸井誠が「20世紀のベートーヴェン演奏の総決算」、という煽り文句で持ち上げていたっけ。
若い人間は、そういう断定的な物言いに弱いのです。
80年代の終わりから90年代、CD時代になってからは、毎年暮れにちゃんとコンサートホールで「第九」を聴くようになったので、家ではあまり聴かなくなった。
若杉弘、ジャン・フルネ、ペーター・マーク、ガリー・ベルティーニ。
ジャン・フルネ指揮都響の1995年の「第九」はライブCDになっているけれど(Fontec)、これは今聴くとびっくりするほどいい演奏だ。
当時は、この「良さ」には実のところ気がつかなかった。
つくづく、90年代は豊饒な時代だったのだなあ、と思う。
そんなこんなで、もう2010年がやってくる。
先日、クリュイタンス指揮ベルリンフィルのベートーヴェン交響曲全集(CD5枚組、EMI)を格安で見つけ、入手したところ。
半世紀近く前から定評ある演奏だし、こと「田園」(6番)に関しては「刷り込み」に近いものだったので、この年末年始の休みに全部聴いてみることを楽しみにしている。
温故知新。
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クリィタンス・BPOのベートーベン全集は素晴らしいですね。BPO初のベートーベン交響曲全集らしいし・・・。定評ある全集なのに、値段がほぼCD1枚分ってのが驚きです
その後のカラヤン・BPOには全く無い音楽が満ちていて、とても好きです。
投稿: ken | 2009.12.26 07:44
ワタクシは今日の午後サントリーへ行ってまいります。
第九に関しましては、先日ブロムシュテット/シュターツカペレ・ドレスデンのLPを入手してしまいました(1979/80年の録音。2番のシンフォニーとのカップリング)。都響と東京フィルの第九を行き終えてから、プレーヤーに掛けようかと... えへへ。
> 3楽章の途中でA面が終わるので、ひっくり返して続きを聴くものだった
レスピーギの「ローマの祭」がそうだったなぁ... えへへ。
投稿: よねやま | 2009.12.26 11:16
>ken師
クリュイタンスのベートーヴェン良さそうですね。「田園」だけはLPレコードの頃から親しんでいましたが全部は初めてです。
今日まずは1、2番から聴いてみました。BPOだとは信じられないような明るい輝かしい音色が◎。
>よねやま様
私が覚えているところでは、ミュンシュ=パリ管の「幻想」も3楽章の途中で裏返ってました(上半分真赤なジャケットの東芝盤)。
この曲は3~5楽章をちゃんとB面に収めたレコードも多かったはずですが、どうしてそんなことをしたのかな。
投稿: Thunder | 2009.12.26 22:59