デプさん、また逢いましょう
東京都交響楽団 プロムナードコンサート#327(サントリーホール)
ハイドン/交響曲第88番「V字」
ベートーヴェン/交響曲第8番
ラヴェル/組曲「マ・メール・ロワ」、亡き王女のためのパヴァーヌ、ラ・ヴァルス
指揮:ジェイムズ・デプリースト
都響常任指揮者(2005.4-2008.3)ジェイムズ・デプリースト、常任としての最後の演奏会。満員御礼。
これは何があっても聴かぬ訳にはいかない。
特別仕様電動車椅子に乗った巨体のマエストロが、袖からチューニングの終わった舞台に現れる、見慣れた光景。
指揮台上で座ったまま軽くお辞儀をし、ぐるりと180度回ってオーケストラの方に向き直ると、ぎゅいーんという音と共に座面が電気仕掛けで上昇。そのままおもむろに指揮棒を執って演奏が始まる。
前半(ハイドンとベートーヴェン)がびっくりするほど良かった。このまま演奏会が終わりでも良いんじゃないかと思ったほどだ。ベートーヴェンはともかくハイドンまでこんな大編成で演奏されるのは21世紀の今日珍しいけれど、それがどうしたと言わんばかりに力強く、しかも軽やかな音楽が、必要最低限の棒の動きから立ち現れてくる。
ハイドンのフィナーレなんかまるで「スウィングしている」かのように颯爽と流れてゆく。バーンスタイン=ウィーン・フィルの「V字」の名盤をちょっと思い出す。
休憩後はラヴェル。
デプリースト師の近代フランス物は実演では初めて聴いたけれど、この人ならではの楽天性と率直さが生かされていて、なかなか興味深い。ドイツ物ではあれほど20世紀的な伝統的解釈を聴かせるデプさんだけど、ここではうんと新しい世代のフランスの演奏家の流儀を思い出させるところもあって、もっとフランス物も聴きたかったなあと今となって思う。
そういえばデプリースト指揮(モンテカルロ・フィル)のCDに、フォーレの管弦楽曲集にダンディの交響詩「思い出」をカップリングしたもの(Koch)があって、これがなかなか素晴らしい演奏だったことを思い出した。
「マ・メール・ロワ」は途中いくつか事故があってヒヤッとしたが、「ラ・ヴァルス」は轟然と盛り上がって見事に締めくくられた。
デプリースト=都響の3年間は、かくして終わった。
終わってみればあっと言う間だったけれど、畏敬をこめて「仕事人」、と呼びたいような身軽で集中した音楽への献身ぶりが印象に残る、3年間の任期だった。
また都響に来てくださいね。
…
ホールから外へ出ると、冷たい雨。
桜が咲くと、こういう天気になりますね。
そのまま登戸へ移動、夜9時まで札幌公演に向けてのカルテット練習。
今日でまだ3回めの合わせなんだけれど、次回の練習日にもうレッスンを受けるという話になっていて、やばいやばい。
さらわなきゃ…とは思えど、少ない練習時間が発表会の「プロヴァンス」のさらいに取られてしまうのが、辛いところ。
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コメント
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さらば、ジェイムズ。(こう表現すると、007を谷底へ突き落とした悪役のセリフみたいになっちゃいますが...)
マエストロ・デプリーストが手首でクイックイッと指揮棒を振るだけで、都響が最大限の演奏効果を発揮する、そんなカンケーになりました、と披露された今月のデプリースト・ラスト・マンス。指揮者とオケがこんなにもうまくいっている状況下、本日でおさらばとは、正直モッタイナイです。ホント、また来て振ってほしいです。
投稿: よねやま | 2008.04.03 01:22