カテゴリー「コンサート(2007年)」の記事

2007.12.31

2007年回顧

今年最後のエントリです。
大晦日恒例、今年聴いたベスト・コンサートなどを考えてみる。

今年は、行ったコンサートの回数が何年ぶりかで100回を超えた。
オーケストラ、室内楽、ピアノ等のコンサートの数はいつもの年とそんなに変わらないけれど、サックス絡みのコンサート(コンサートというよりは発表会に近いような催しも含む)が今年は例年になく多く、全体の数字を押し上げているようだけれど、暮れの今となって印象深く思い出すのは圧倒的に非・サクソフォン関係のコンサーが多いところが、ちょっと複雑な気分。

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2007.12.15

ある土曜日のエルガー

歳末近い土曜日。
バスと電車を乗り継いで、もと実家の近くの床屋さんへ。
新しい道路が開通していたり、毎日前を通っていた個人営業の薬屋さんが潰れて呑み屋になってたり。
引っ越して5年が経ったけれど、今でもこうして2ヶ月に一度くらい訪れて、かつて40年住んでいた街の様相が少しずつ変わっていくのを、眺めている。

時間の流れには誰も逆らうことはできない。
昨日の街は既に今日は存在せず、今日の私はもう昨日の私ではないように、今日の貴方はもはや昨日の貴方ではない。
なんてことを実感させられることが最近多くてね。…

さっぱりした頭で新宿へ出て、来週のフェスティバル本番に備えてソプラノを調整してもらった後、サントリーホールへ。
今日は読響の定期。

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インバルの時代へ!

TMSO, 071214東京都交響楽団 第654回定期演奏会(東京文化会館)

マーラー/交響曲第7番「夜の歌」
 指揮:エリアフ・インバル

12月の都響には、来年度より新しいシェフに就任するマエストロ・インバルが登場、「第9」を含む3つのプログラムを指揮する。
その第一夜、5階席までほぼ9割方は埋まった(チケットは完売だったそうだ)東京文化会館。曲は得意のマーラー、7番。
物凄い演奏だった。

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2007.12.10

日比谷公会堂の記憶

DSCH_2007日露友好ショスタコーヴィチ交響曲全曲演奏プロジェクト2007・最終日(日比谷公会堂)

ショスタコーヴィチ/交響曲第8番
同 /交響曲第15番
 新日本フィルハーモニー交響楽団
 指揮:井上道義

昨日のこと。
かつて日本における西洋音楽の殿堂だった日比谷公会堂(昭和4年開館)の再発見を期して企画されたという、井上道義プレゼンツ・ショスタコーヴィチ全曲演奏会の、フィナーレ。
チケット代は3000円均一とお手軽だし、新日本フィルだし、渡辺先生大活躍の予感もあり、行ってきました。

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2007.11.30

秋のデプさん

TMSO, 071129東京都交響楽団 第653回定期演奏会(サントリーホール)

スクリャービン/夢想Op.24
モーツァルト/交響曲第38番「プラハ」
プロコフィエフ/カンタータ「アレクサンドル・ネフスキー」Op.78
 メゾソプラノ独唱:竹本節子
 二期会合唱団(合唱指揮:船橋洋介)
 指揮:ジェイムズ・デプリースト

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2007.11.27

チェコフィル・マーラー3番

Czech Philharmonic, 071126チェコ・フィルハーモニー管弦楽団 日本公演(サントリーホール)

マーラー/交響曲第3番
 アルト独唱:ダグマル・ペツコヴァ
 合唱:ガーデンプレイスクワイヤ(合唱指揮:中島良史)、東京少年少女合唱隊(指導:長谷川久恵)
 指揮:ズデネク・マカル

マーラーの3番は、マーラーの交響曲の中で私のたぶん一番好きな曲だ。
もしかしたら、古今のあらゆる「交響曲」の中でも一番好きかもしれない。
なにしろ1時間40分もかかるので、聴くのはかなり気合が必要だけれど(CDも数セット持っているけれど、どれも通して聴いたことは数回、ものによっては1回しかない)、いざ聴き始めてしまえば、変化に富んだ内容に飽かず楽しむことができる。

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2007.11.25

初体験、水戸室内管

聴いて参りました、水戸室内管。
昼間は飯能経由で青梅まで父に面会に行き、帰りに上野へ出て特急スーパーひたちで往復してきた。ほぼ半日(12時間)で1都3県を巡ってきたことになる。
これまた目眩のするような、ゴージャスな演奏会でした。
おカネあるよなぁ… と思わず下世話な感想も抱いてしまうけれども(故岩城宏之氏がよく「オーケストラとはおカネの音だ、カネのあるところほど良い音がするのは悔しいけれど現実だ」と色々な機会に言っておられたのを思い出す)、この豪華さは、それにしてもただごとではない。

MCO, 071124水戸室内管弦楽団 第71回定期演奏会(水戸芸術館・コンサートホールATM)

C.ドビュッシー/牧神の午後への前奏曲
F.シュミット/弦楽のための交響曲「ジャニアナ」Op.101
V.ダンディ/古風な様式による組曲Op.24
G.ビゼー/劇音楽「アルルの女」(オリジナル版)より
 前奏曲、メヌエット、第3幕への間奏曲、第5幕への間奏曲(アダージェット)、パストラール、カリヨン、メロドラマ、ファランドール
A.ルーセル/バレエ組曲「くもの宴会」Op.17
 指揮:ジャン=フランソワ・パイヤール

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2007.11.24

水戸芸術館

水戸芸術館
やってきました。

コンサートは休憩に入ったところ。
ここは外のロビー。オルガンがこんな場所にあるのはすごいな。

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2007.11.15

シュターツカペレ・ドレスデン

NHK音楽祭2007-ドレスデン国立歌劇場管弦楽団(NHKホール)

ウェーバー/歌劇『魔弾の射手』序曲
ワーグナー/歌劇『さまよえるオランダ人』より「外国のお客を迎えてくれ」
 Bs:クルト・リドル(ダーラント)
ウェーバー/歌劇『オイリアンテ』序曲
R.シュトラウス/歌劇『ダナエの愛』より第3幕の前奏曲とフィナーレ
 Br:ハンス=ヨアヒム・ケテルセン(ジュピター)
ワーグナー/楽劇『ワルキューレ』第1幕
 Sp:エヴリン・ヘルリツィウス(ジークリンデ)、Tn:ウォルフガング・シュミット(ジークムント)、Bs:クルト・リドル(フンディング)
 指揮:ファビオ・ルイージ

スウィトナーのモーツァルト(なかでも「ハフナー」と39番)、ブロムシュテットのベートーヴェンとシューベルト、サヴァリッシュのシューマン、等々、録音ではこの30年来親しんできた、来年創立460年を迎えるというヨーロッパ最古のオーケストラのひとつ、ドレスデン国立歌劇場管弦楽団(シュターツカペレ・ドレスデン)。
はじめて、生で聴いた。
感激。

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2007.11.13

北国のトリオ・ダンシュ

Trio d'anches Sapporoアフィニス・アンサンブル・セレクションNo.115「トリオ・ダンシュ札幌」(JTアートホール)

W.A.モーツァルト/木管三重奏のためのディヴェルティメント第1番K.anh.229
石丸基司/湿原のドン・キホーテ~佐々木榮画伯の同名の絵画に寄せて
G.ジェイコブ/オーボエ、クラリネット、バスーンのためのトリオ
F.プーランク/ピアノ、オーボエとバスーンのためのトリオ
F.シュミット/ア・トゥール・ダンシュ
 Ob:宮城完爾、Cl:三瓶佳紀、Bn:坂口聡、Pf:山洞智

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2007.11.09

リヨン管2007

ONL11月6日。
パリからリヨンへ、TGVに乗って(乗ってません)、昨日に引き続きコンサート会場へ。

フランス国立リヨン管弦楽団(l'orchestre national de lyon)日本公演(サントリーホール)

細川俊夫/循環する海(日本初演)
ラヴェル/ピアノ協奏曲(Pf:ジャン・フレデリック)
ドビュッシー/「夜想曲」より 雲、祭り
同 /交響詩「海」
 指揮:準・メルクル

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2007.11.07

パリ管2007

NHK_Music_Festival_200711月5日のこと。

NHK音楽祭2007-パリ管弦楽団(NHKホール)

ベルリオーズ/序曲「ローマの謝肉祭」
ストラヴィンスキー/バレエ組曲「火の鳥」(1919年版)
ラヴェル/「マ・メール・ロワ」組曲
同 /ラ・ヴァルス
同 /ボレロ
 指揮:クリストフ・エッシェンバッハ

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2007.10.31

サー=ネヴィルのジュピター

Tirasi071029サー=ネヴィル・マリナー指揮のN響で、モーツァルトの「ジュピター」を聴いた。(10月29日、サントリーホール)

前プロに堀正文さんの独奏でヴィヴァルディの「四季」全曲があったんだけど、職場を出ようとした直前に予想外の事態が発覚してぶっ飛んでしまった(>_<)
演奏者としての堀さんはあんまり好きなタイプではないので(リーダーとしては凄い人だと思うけれど)、まあいいか(これは一種の負け惜しみだな)。

とにかく、(少なくとも私にとっては)真の巨匠、指揮者の中の指揮者サー=ネヴィルの、モーツァルトである。
素晴らしいモーツァルトだった。

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2007.10.30

いろいろな再会

台風の過ぎ去った28日(日曜)。よい天気。

11月3日に、サクソフォンカルテットで小さな本番(お祭り・賑やかし系)をすることになって、その練習のため、戸塚へ。
戸塚駅で降りたのは25年ぶりくらいかもしれない。昔の面影は、綺麗さっぱりなーんにもなくて、茫然とする。

初対面の方1人を含む一発メンバーながら、あとの2人はうちのアンサンブルで馴染みのメンバーということもあり、全く問題なくすらすら練習が進む。
2時間の練習時間で、皆で持ち寄った山のような色物楽譜(むかしの東亜音楽社系の出版譜から、いかにも出自の怪しげな手書き譜まで)を片っ端からひととおり音出し。だいたいの曲目が決まったところで時間。あとは当日。

午後は横浜みなとみらいへ移動。
クラノワという、私の顔見知りがたくさん乗っているクラリネット合奏団の演奏会へ。

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2007.10.26

太郎、じゃなかったタロー!

忙しかった週の最後に、素晴らしいコンサートをきく。

Tharaudアレクサンドル・タロー(Alexandre Tharaud) ピアノリサイタル(王子ホール)

F.クープラン/クラヴサン曲集より
ロジヴィエール、信心女たち、葦、プラチナ色の髪のミューズ、神秘的なバリケード、奇術、双生児、パッサカリア、さまよう亡霊たち、「凱旋」より 戦いの響き、シテール島の鐘、ティク-トク-ショックまたはマイヨタン(オリーブしぼり機)
J.P.ラモー/新クラヴサン組曲ト調(クラヴサン曲集第2集・第5組曲)より
同 /新クラヴサン組曲イ調(クラヴサン曲集第2集・第4組曲)

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2007.10.23

金・都響・シュトラウス

TMSO, 071022東京都交響楽団 第650回定期演奏会(東京文化会館)

R.シュトラウス/歌劇「サロメ」より 7つのヴェールの踊り
同 /メタモルフォーゼン
同 /交響詩「ドン・キホーテ」(Vc:アルト・ノラス、Va:鈴木学)
 指揮:金聖響

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2007.10.11

N響の室内楽

NHKSO, 071011N響プレミアムコンサート-アンサンブルの極み(カザルスホール)

ワーグナー/ジークフリート牧歌
 (Fl神田寛明、Ob青山聖樹、Cl横川晴児・松本健司、Bn水谷上総、Hn日高剛・勝俣秦、Tp井川明彦、1stVn山口裕之、2ndVn永峰高志、Va小野富士、Vc藤森亮一、Cb吉田秀)
モーツァルト/クラリネット五重奏曲
 (Cl横川晴児、1stVn堀正文、2ndVn山口裕之、Va佐々木亮、Vc木越洋)
チャイコフスキー/弦楽セレナード
 NHK交響楽団メンバー(コンサートマスター:堀正文)

キャパ511のカザルスホールで、指揮者なしの小編成によるN響を聴くという、贅沢な演奏会。
じつはかの○イクロソフトが公演の単独スポンサーについていて、なかなか微妙にヘンテコなアンケートが付いていたりしたんだけど(「本日の公演を通じたマイクロソフ○に関する下記の印象について9段階評価でお答えください。1.【親しみやすさがある】全く高まらなかった←どちらでもない→非常に高まった。2.【慈善活動や社会貢献活動の取り組みについて】全く高まらなかった←どちらでもない→非常に高まった」だって。いったい何のためにわざわざそんなことを聞くんだろうか。そもそも「9段階評価」って何よ)、それはいいとして。

「N響メンバー」というだけで正確な出演者名は結局発表されないまま演奏会の日となったのだが、クラリネット五重奏のソリストが横川さんだったのは嬉しい。横川さんの演奏には過去、作曲者の魂と直接対話をしているような稀なる体験を何度もさせてもらっている(20年近く前に聴いたプーランクのソナタの2楽章には、不覚にも泣いてしまったことを今でも覚えている。他にもいろいろ)。今日も然り。まるでそこにいて吹いているのではない、どこか遠いところで純粋の「音楽」だけを紡いでいるような感覚。…ただ、弦チームはちょっと粗くて、1曲めのほうが良かったな。山口さん、最近のN響公演にコンマスとして乗ることが殆どないけれど、いったいどうしちゃったんだろう(N響の3人のコンマスの中では、個人的には一番好きなんだけど)。

休憩後は弦楽器のみ、8-6-4-4-2の編成(指揮者なし)によるチャイコフスキー。
これはまさに「圧巻」だった。24人もの演奏者が、一糸乱れず、たいへんな迫力で、まさしく本物の「室内楽」を奏でていた。
コンマスの堀さんってこんなに凄い音楽家だったのか、と圧倒された思いだ。楽器を弾くアクションが、そのまま音楽のテンポやら、リズムやら、イントネーションやら、フレージングやらの本質を表現し、かつ正確に伝達している(それを受け止めるメンバーの力と感性も、勿論凄いけれど)。
おそるべき情報量をもった演奏。コンマスのことを英国では「リーダー」というそうだが、まさに!その言葉そのものだ。ヘタな指揮者なんかよりも、よほど。…指揮者なしでこれだけのことが出来るんだったら、ギャラばかり高い飾り物みたいな指揮者なんか要らないよなあ、とたしかに思ってしまう。

…感嘆しつつ、よくよく考えてみると、自分のアンサンブルでは私は堀さんのポジションにいるのだった(!)。
なんということだ。
ギャーッと叫んで、逃げ出したくなってしまう。
…といって、逃げ出す訳にはいかないので、「自分なりに」頑張るしかありません。

N響の客は相変わらず落ち着き、というか集中力がないなあ(^^;
まあ、そういう客はごく一部なんだろうと思いたいけれど。
1階席は結構な割合で埋まっているのに、断然音の良いバルコニーがガラガラだったのも、不思議(おかげで左右5~6席誰もいないような状態で、集中して聴くことができたが)。
N響のお客さんは余程カザルスホールには縁がないのかな。

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2007.10.08

2007年のロジェヴェン

6日のつづき。
凸版ホールから、高速道路下のどぶ川(実は昔の江戸城の外堀)端の歩道を江戸川橋まで歩いて、地下鉄に乗り、池袋へ出る。
本日2本めのコンサート。

YNSO, 071006読売日本交響楽団 東京芸術劇場名曲シリーズ第143回

サン=サーンス/劇付随音楽「誓い」より 3つの交響的タブロー
同 /ピアノ協奏曲第2番(Pf:ヴィクトリア・ポストニコワ)
同 /交響曲第3番「オルガン付き」(Org:水野均)
 指揮:ゲンナジー・ロジェストヴェンスキー

読響名誉指揮者ロジェストヴェンスキー(1931-)という人はたいへん芸風の広い人で、私が初めて名前を知ったのは10代の頃、ミヨーの小交響曲やイベールの交響組曲「パリ」等を指揮したメロディア・レーベルのレコードでだった。
フランス物も得意としているようだが、基本的にはロシアの匂いをプンプンさせる音楽家だ。読響には毎年、一癖ある楽しい曲目で客演していて(私が最近聴いたものだけでも、2004年はG.シャルパンティエの「イタリアの印象」他のフランス物、2005年はグラズノフのバレエ音楽「四季」他、昨年はボロディンの交響曲3曲全部、といったもの)、今年のサン=サーンス・プロも楽しみにしていた。

ステージに、のっしのっしとゆっくり歩いて登場、指揮台を置かない平土間の上で、長い指揮棒を「オラ、弾けや」とばかりにどさっと投げ出す仕草をすると、オーケストラからは嘘のようなとても繊細で甘い音色が自然に、引き出されてくる。
めざす音楽の繊細さに比べて指揮の動作そのものはとても大雑把なので、オケとしてはかなりやりづらい指揮者だろうと思うが(実際、アンサンブルが破綻していた箇所もいくつか)、出てくる音楽そのものの説得力はまさに巨匠のそれだ。
それにしても「誓い」を生で聴けるとは思っていなかったな(CDは私の知る限り1種類しかない。ロジェヴェン氏はどうやって知ったのだろうか)。エジプトの音階を用いるなど、サン=サーンスとフォーレの往復書簡集(そんなものが日本語で出版されているのだ)の中でサン=サーンス自身が自慢げに言及している、古代エジプトを舞台とした劇音楽なのだが、現代の耳で聴くと、これまたサン=サーンス本人が言っているとおり、エジプト云々は関係なくとても古典的な美しい音楽に聞こえるのだった。
ピアノ協奏曲は、夫人のポストニコワのピアノがまたロシア的趣味たっぷりなもので(1楽章はとにかく朗々と堂々としているし、フィナーレはまた曲芸みたいに速いし)、たいへんスリリングで、一時も目の離せない演奏となった。
休憩後の「オルガン付」は、テンポのたいへん遅い豪快な演奏。遅さは晩年のフルネ以上かも。オーケストラの真剣さが伝わってきて、結果的にはとてもいい演奏だった。

見やすくて弾きやすい指揮が、必ずしも良い演奏に結びつく訳ではない、実際はむしろ逆の場合が多い、とは、プロのオケマンの方々が口を揃えて仰ることだが、確かに、そういうものなのだろうと思わされる。
来年も是非聴いておきたいものだ。

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2007.10.05

カントロフ

Jean-Jacques Kantorow, 071004上田晴子(Pf)&ジャン=ジャック・カントロフ(Vn) デュオリサイタル(浜離宮朝日ホール)

ベートーヴェン/ヴァイオリンソナタ第1番
シューマン/ヴァイオリンソナタ第1番
ブラームス/ヴァイオリンソナタ第1番「雨の歌」

先日のオリヴィエ・シャルリエのときにお世話になったレックスのK子さんのおかげで、完売だったらしいけれど聴くことができた。
ドイツ・ロマンとクラシックの「1番」づくし。渋いプログラムだ(実はベートーヴェンは初めて聴く。シューマンもオーボエで吹いた演奏しか知らない)。でもドイツ物だからといってむやみに重厚になる訳でもなく、上田さんなんかむしろさきのフランス物より軽い、ときに素っ気ないほどのタッチの演奏を聞かせてくれた。
「癒される」演奏だった。
でもヴァイオリンは、私はやっぱりシャルリエのほうが好きだな。作品の姿を正確に(外見だけにとどまらず、その作品の持つ内面までも)正確に描き出そうという強烈な意思を感じる、という点で(カントロフのほうが知名度の上ではずっと有名だし、勿論巧いし手慣れてはいるけれど)。

アンコールに、シューマンの2楽章を再び。

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2007.09.29

ドビュッシーSQ

雨模様の土曜日。
今日は涼しい。昨日より13度くらい気温が下がったらしい。

昼は新宿2丁目の行きつけのお店。ソプラノの最終調整。
下のファの音がどうしても引っくり返りやすいのは、かなり抑え込んだけれどそれでも…。この楽器の限界かもしれないなあ。今回の曲目(特に「ベルガマスク組曲」)にはこの音がかなり重要な場面で多発するので、怖いといえば怖い。

1曲めのアルベニスのチームで、衣装に赤のワンポイントをつける(スペインに因んで)、ということがいつの間にか決まっていたので、小田急デパートの紳士服コーナーで赤のポケットチーフを購入。
考えてみたら、赤いストラップ1本持っていれば解決したことだった。

昔在籍していた吹奏楽団の演奏会で、ポップスステージの衣装で首に青のバンダナを巻くことになっていたのを、ある年配のクラリネットの団員さんが当日まで知らず、本番はクランポンの青いスワブを首に巻いて誤魔化した、ということがありました(^^;
Swab
これ↑。


その後、お茶の水へ移動。本日のお楽しみ。

Quatuor Debussy, 070929ドビュッシー弦楽四重奏団(Quatuor Debussy) 東京公演(カザルスホール)

D.ミヨー/弦楽四重奏曲第4番
V.ダンディ/弦楽四重奏曲第2番
C.ドビュッシー/弦楽四重奏曲

フランスのリヨンに本拠を置く弦楽四重奏団。
何度か来日しているらしいけれど、今回はこの、ワタシに聴けと言わんばかりの曲目に痺れて早々にチケットを取ったのだった。席は右列バルコニーの19番(個人的には、カザルスホールのバルコニーの19から31までのブロックは、東京のあらゆるコンサートホールの中で最も美しい響きが聴ける場所だと思っている)。
お客さんの入りは半分くらいかな。弦楽四重奏を聴く客層というのは、ただでさえ少ないクラシックの客層の中でもさらに少数派だから仕方ないけれど、おかげで実に静かで集中した環境の中で、落ち着いて聴くことができた。

演奏は、繊細の極み。
音量をがーっと出すということが、ほとんどない。1階席の後ろの方だったら、聞こえないんじゃないか、と思ってしまったくらい。音の出の合図すらも、ほとんど見えないほどだ。それでもまるで4人でひとつの楽器のように、ぴたっと寄り添っていく。
ドビュッシーの3楽章アンダンティーノの、こんなに静謐で美しい演奏は、初めて聴いたかも。
ダンディ(ダンディの弦楽四重奏の実演なんて初めて聴いたし、これからもそうそうあるとは思えない。貴重な機会)も、別の団体のCDで聴いていた印象だととても晦渋でアカデミックな感じがしていたけれど、今日は全然そんなことがない。
ミヨーも貴重な演奏。第2楽章の、葬送行進曲ふうの音楽の中間部に厳粛なフーガが挟まれた雰囲気など、本当にこれミヨーの音楽か?と思ってしまった。

アンコールにドビュッシー「亜麻色の髪の乙女」、そして、G.タイユフェールの弦楽四重奏曲のフィナーレ(!)。
いやー、良かった。明日自分でもドビュッシーを吹くので、勉強のために…という気持ちはあったけれど、そんなことは関係なく楽しんでしまった。

Quatuor Debussy

会場でCDを売っていたので、記念に買って帰る。
ドビュッシーと、ブラームスの1番所収。

帰り道、もと実家の近所に立ち寄って、子供の頃からなじみの床屋さんへ。
私の父とほとんど同じ歳のおやじさんと、その息子(小学校の3つ4つ後輩)のお店。
黙って座れば、何も言わずともいつもどおりに刈ってくれる。
やっと、頭が軽くなった。


さて、明日です。
私が出席できなかった時に、あとの3人で受けたアルベニスのレッスンのメモを読みながら、夜は更ける。

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2007.09.25

連休2日め(NJPこうもり、とか)

23日。
10時からみなとみらい小ホール(来週の本番の会場)にて、私たちの演奏会チラシの折り込みをさせていただくため、昨日に引き続いて朝一から横浜へと向かう。
電車に乗る時、サックスのケースを抱えたお嬢さんが一緒に乗り込んできたのだが、誰かと思ったら4年前までウチの団員だったU嬢でした(同じ最寄り駅に住んでるはずなのだがここでは初めて逢ったような)。横浜に着くまでの間、懐かしくも楽しくお喋り。
みなとみらいホール着、いつもの通り道を通って小ホールへ。挟み込み作業開始。集まったいろいろな団体の見知らぬ方々と、束の間のチームワークをとりつつ作業机の回りをぐるぐる回る。1時間弱で終了。
軽く腹ごしらえの後、セルマージャパンでレッスン中のしまっぷー先生に楽譜を届けるため、渋谷へと移動。
着いたらちょうどウチの団員約1名がレッスン中で、しばらくその場にいてレッスンぶりを眺めて楽しむ(笑)。

私自身がこうやって、定期的に師匠のところに通ってスケールやらエチュードやらを生真面目に習っていた時代は、もうずいぶん昔のことになってしまった。
20代前半の時期、毎週のように通った中村橋のマンションとか、その後、毎週というほどにはいかなかったがよく通った玉川上水のアパートとか。あの道沿いには今はモノレールが通っているはずだ。…
いろんなことを思い出して(あるいは、考えさせられて)、ちょっと複雑な気分。

セルマージャパンのショップで、気になる新譜CDを見つけ、もしタワレコにあればポイントが付くからと思って(^^;急遽黄色の塔に移動して探すも、見つからず。参ったなあ。また行かなきゃ。
タワーではぜんぜん関係ないCDを数枚衝動買い。この話はまた後日。

NJP, 070923地下鉄半蔵門線に乗り込んで、今度は錦糸町へ向かう。やっと本題。

新日本フィルハーモニー交響楽団 第420回定期演奏会(すみだトリフォニーホール)
J.シュトラウス2世/喜歌劇『こうもり』(コンサート・オペラ形式)
 指揮:クリスティアン・アルミンク
 演出:三浦安浩

これは楽しかったなあ!
オーケストラはピットではなく舞台上にいるものの、いわゆるコンサート形式ではなくかなり本格的なセットを組んでのオペラスタイルの上演(衣装、演技ももちろんあり)で、とてもオーケストラの定期演奏会の一環とは思えない。
クラシック音楽が「娯楽」だった時代は確かにあるんだな、と思った。とにかく、理屈抜きに楽しい。筋書き的には馬鹿馬鹿しいくらいのもんなんだけど、別にそんなことはどうだっていい。「水戸黄門」に哲学や厳密な歴史考証を求める人なんかいないのと同じこと。
音楽を味わい、楽しみ、よく笑った。朝からの移動続きの疲れでちょっと意識が飛ぶも、目が覚めると舞台上は相変わらず同じような馬鹿騒ぎ。…

オーケストラの出番表は以下の通り。
こういうものを公開してくれるオーケストラは、新日本フィルだけだ。私たち楽屋雀にとってはなかなか有難いサービスで、他のオーケストラでも見てみたいものなのだけれど、いろいろ難しい事情はあるんだろうな。

member, 070923

やはり今季から定期会員になったというK高のken師が来ていたので、終演後は楽屋口にてW先生の出待ち。
K高ではアンコン出場チームの件でちょっとゴタゴタが持ち上がっていて、3人でしばらくシリアスな話となる。
…生徒たちに自主性があるのは勿論良いことなんだけれど、我々大人のもくろみというものが伝わらないというのは、それはそれで困ったものだ。
落としどころはどのへんになるかしらん。

…とまあ、色々あった1日でした。

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2007.09.20

シャルリエのリサイタル

Olivier Charlier, 070919上田晴子(Pf)&オリヴィエ・シャルリエ(Vn) デュオリサイタル(ルーテル市ヶ谷センター)

モーツァルト/ヴァイオリンソナタ変ホ長調K302
ベートーヴェン/ヴァイオリンソナタ第9番「クロイツェル」
ドビュッシー(ハイフェッツ編)/牧神の午後への前奏曲
サン=サーンス/ヴァイオリンソナタ第1番
ラヴェル/ツィガーヌ

私がかねてから世界最高のヴァイオリニストのひとりと思っている、オリヴィエ・シャルリエのリサイタル。
シャルリエのソロリサイタルを一晩ちゃんと聴くのは実は初めてだったりする(今まで聴いた機会はすべてオーケストラとのコンチェルトだった)。
ルーテル市ヶ谷には3年ぶりに入った。この間に改装されたようで、客席の椅子は完全に新しいものに替わっていたし、床にはたしかカーペットが敷いてあったはずだが全面板の間になっていた(少しわんわん鳴る感じになってしまったような)。

このリサイタルの告知を見つけた時に、びっくりした勢いでほとんどプロパガンダに近いこんなエントリを当ブログに書いて、どうやらそれを読んでチケットを買ったという方も数人はいらっしゃる様子で、もしもその方たちの期待を裏切ることになったらやばいなあ、と一瞬でも心配した自分は愚かだった。まさに「圧巻」、の一言でした。

これ以上考えられないほど正確な指回りも音程も、決して押しつけがましくなく、すべては演奏される音楽の相貌をくっきりと、誇張なしに正確に描き出すこと、へと奉仕している。
また、フレーズの持続の中で緊張感を自在にコントロールするという、得難い才能をも備えている(ハイフェッツ編の「牧神の午後」で特にそれを感じた。まるで最初からヴァイオリンのために書かれたオリジナルのように聞こえたものだ)。管楽器吹きも是非参考にしたらいいと思う。

1曲めのアンコールが、グルックの「オルフェウス」からのメロディ(いわゆる「精霊の踊り」というやつ)で、個人的にとても懐かしい(デファイエや、新しくはモレッティのSaxophoneのCDに入っていたっけ)。

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2007.09.02

フォーレの合唱曲

父の面会に青梅まで往復したあとの夕方は、この秋最初のコンサートへ。
フォーレの宗教合唱曲(原典版)を特集した、アマチュアながら意欲的なプログラムに興味を持っていたところ、縁あって招待していただけたのだ。

混声合唱団コール・リバティスト 第2回定期演奏会(浜離宮朝日ホール)

G.フォーレ/
 エッチェ・フィデリス・セルヴスop.54
 マリア、マーテル・グラツィエop.47-2
 タントゥム・エルゴop.65-2
 タントゥム・エルゴ(1904)
 パヴァーヌop.50
 マドリガルop.35
 ラシーヌの雅歌op.11
 夜想曲第6番(ピアノ独奏)
 舟歌第3番(同)
B.ブリテン/ユビラーテ・デオ
J.ラター/グローリア
 永井千佳(Pf、Org)
 小屋敷真(指揮)

創設2回めの定期演奏会だというのに、浜離宮朝日ホールでやっちゃうんだ。すごいなあ。

とても積極性に富んだ、気持ちのよい演奏が聴けた。
結成間もない団体のためか、選曲にしろ舞台進行にしろ、世のアマチュア合唱団にありがちな独特の流儀にあまり染まっていないところがいい。
1、2曲めあたりはまだ堅さが取れずに、頑張れー、と思いながら聴いていたが(アマチュアプレイヤー一般にありがちな傾向で、私自身もおおいに覚えがあるんだけど、雰囲気に乗っかって歌うことはそこそこ出来ても、何もないところへ自分から「音楽」を立ち上げる、ってことが難しいんだな)、プログラムが進むにつれてだんだん良くなってきて、「マドリガル」あたりに至っては非常にいい感じ。

前半トリは「ラシーヌの雅歌」。
「音楽」そのものの純粋な結晶を無心に、陶然とうたいあげるようなこの玄妙たる傑作が、20歳のフォーレの手になる音楽学校の卒業作品だというのは、この曲を知って30年近く経つ今でも、聴き返すごとに驚嘆するものだ。
高校生の時に買った、ルイ・フレモー指揮のフォーレ「レクイエム」のレコード(Erato)の余白に入っていた古ーい録音で知って以来の愛聴曲だった。東混をはじめとするプロの演奏でも何度か実演を聴いたけれど、なぜかこの古い録音にあるような種類の情感を感じたことがなかったのだが、今日はかなりいい線を行った演奏で、ちょっと感動した。…思うに、この音楽の本質にはプロっぽい即成的なアプローチを拒絶する何かがある、のかもしれない。
合唱が引っ込んだ後にピアノソロが2曲演奏されたのだが、(演奏はなかなか良かったのだが)休憩時間が始まったのかと勘違いして席を立ったりしたお客さんが大勢いたせいで少々集中力が途切れたのが残念。

後半は英国へと渡り、ブリテンとラター。こちらは初耳。ブリテンは予想外に短い曲だったので、びっくり。
ジョン・ラター(1945-)という名前は(吹奏楽界におけるアルフレッド・リードのごとく)合唱界ではよく見る名前だけれど、実際に曲を聴いてみて、納得。適度に現代的で適度に刺激的で、わかりやすくカッコ良い。きっと歌っていても気持ちよいのだろう。ウォルトンみたいだ。
ウォルトンの親しみやすさが吹奏楽に特化するとフィリップ・スパークになり、合唱に特化するとラターになるのだな、と本日認識。

演奏者としての課題は色々あれど、まずはいい演奏会だったんじゃないでしょうか。
ご招待ありがとうございました。

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2007.08.29

アフィニス夏の音楽祭

20070828第19回アフィニス夏の音楽祭・東京演奏会(JTアートホールアフィニス)

エルガー/弦楽のためのセレナード
ドヴォルザーク/弦楽五重奏曲第3番
R.シュトラウス/歌劇「カプリッチョ」前奏曲(P.チャバ編・弦楽合奏版)
R.シュトラウス/16管楽器のためのソナチネ第1番「傷病兵の仕事場より」(指揮:下野竜也)

アフィニス文化財団が日本のオーケストラ支援の一環として長野県飯田市で毎年開催している「アフィニス夏の音楽祭」の、東京演奏会。
国内のプロオーケストラの若手団員を公募して、内外のベテラン演奏家や音大教授陣とともにレッスン、室内楽やオーケストラの演奏会をするというもので、東京演奏会の会場は職場から歩いて行ける虎ノ門のJT本社内ということもあり、夏枯れでコンサートの少ないこの季節、楽しみにしていた。

音楽監督は四方恭子(Vn、ケルン放送響元コンミス、京都市立芸大助教授)、講師陣はVnヘンリク・ホッホシルト(ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管コンマス)、シュテファン・ワーグナー(北ドイツ放送響コンマス)、Va深井碩章(北ドイツ放送響首席)、Vcヘルマー・シュティラー(ミュンヘンフィル首席)…といった主にドイツ圏のベテラン達で、演奏会では日本各地のプロオケから集まった30人を超える受講生たちと一緒に、ステージに乗るのである。
冒頭、エルガーのセレナードを久々に聴いて、感激。…やっぱ、いい曲だわこれ。
後の曲はそれほど馴染みのある曲ではなかったけれど、邪念の全くない、音楽への専心にみちた演奏のなんと気持ちのよいこと。
そりゃそうだろう。講師・受講生ともに一流のプロばかりの演奏者たちが、全く商売っ気抜きに、音楽の神髄を伝えようと(あるいは、吸収しようと)集っている訳で、これが半端な演奏になどなりようはずがないというものだ。

最後、R.シュトラウスの大編成の木管アンサンブルの快い響きを堪能しつつ、終演。
外へ出てみると、コンサートの最中に大雨が降ったようで(全く気付かなかった)、路面はずぶ濡れ、すっかり涼しくなっていた。

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2007.08.11

「真夏の夜の幻想」

OperaCity070810東京オペラシティ・開館10周年特別演奏会(東京オペラシティコンサートホール)

R.シュトラウス/交響詩「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」
ショパン/ピアノ協奏曲第2番(Pf:小山実稚恵)
ベルリオーズ/幻想交響曲
 大野和士指揮 東京フィルハーモニー交響楽団

「真夏の夜の幻想」、というまさに惹句の通りの、素晴らしい演奏会を聴いた。
先程聴いたものが本当に現実のものだったのか、もはやよく判らない。
かの大野和士の、この夏の帰国時の数少ない演奏会のひとつ。発売後あっという間に売り切れてしまったようで、諦めていたんだけれど、いろいろあって無事聴くことができた。ありがとうございます。

オーケストラは対向配置だし、「幻想」は2楽章コルネット付きのオリジナル版だし、大野さんならではのコダワリは随所にあるけれど、何よりとにかく出てくる音の説得力が違う。このオペラシティという会場は小さめなので、どうかすると音が飽和しがちだけれど、今日は全然そんなことはない。すべての音が楽に伸びやかに鳴っていて、しかもここぞというところのf(フォルテ)の迫力はすごい。すごいんだけど、それが全然うるさくはない。ストレスのない明るい発音は、まるでヨーロッパのオーケストラのようだ。日本のオーケストラの音ではない(東フィルはこの1年間に4-5回聴いたはずだけれど、こんな音が出ていたのは正直言って聴いたことがない)。
どんな指揮者でもこういう音が出せるんだったら、N響なんか楽々と超えて本当に日本最高のオーケストラたり得るんだろうけれど。…

「ティル」でも「幻想」でも、大野さんの解釈はそれぞれの場面場面を丁寧に作っていくというより、大きな流れの中でさまざまな響きの遠近やうつろいを演出しているように思えた。

終演は9時半近く。オケが解散しても喝采は止まず、大野さん一人を舞台に呼び返して拍手を浴びせる。
もはや巨匠の風格だった。

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2007.07.31

ミューザ・新日本フィル

Festa Muza2007フェスタ・サマーミューザKAWASAKI 2007
新日本フィルハーモニー交響楽団

エルガー/チェロ協奏曲(Vc:ソル・ガベッタ)
ベートーヴェン/交響曲第4番
 指揮:クリスティアン・アルミンク

首都圏9オケ総出演、なかなか面白そうなお祭りなのに、この時期は忙しくてなかなか行けないフェスタ・サマーミューザ。
今年もちょっとだけ雰囲気を味わいに。
8時開演、休憩なしで9時15分には終わり(そのぶんチケットも安め)というのは、悪くない。みんなこれでいいのに、とすら思う。

チェロのねーちゃん(1981年アルゼンチン生まれ)、なかなか上手。こんなに音程の良いチェロは久しぶりに聴いた。
アンコールにヴァスクス「チェロのための本」より、とやら。ひゅるひゅる…という効果音に始まり、途中御詠歌のような歌も入る、不思議に幽玄な趣の無伴奏現代曲。これ、いつだったか誰かもアンコールで弾いてたな。
メインはベートーヴェンの4番。序奏はまるでフランス音楽のように繊細に始まったと思ったら、テンポが上がるといきなりドッカンな音が出てきた。ティンパニ等は少しピリオドぽい響きもしている。いかにも今風の演奏、ということで。
この曲を生で聴くのはものすごく珍しいことのような気がする。昨年大晦日の振るマラソンでは勿論聴いたけれど、それ以外と言ったらはたして…?
改めて聴いてみると、溌剌として機知に富んでいて、ベートーヴェン的な妙な重苦しさのない、実に良い曲だと思う。
どうしてこんなに稀にしか演奏されないのだろうか。

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2007.07.27

夏の「惑星」

TokyoCityPhil_070726東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団 第210回定期演奏会(東京オペラシティコンサートホール)

R.シュトラウス/オーボエ協奏曲(Ob:広田智之)
ホルスト/組曲『惑星』~「冥王星」(コリン・マシューズ作曲)付き
 指揮:飯守泰次郎

今日も前半は間に合わず。大好きな曲だったのに。
最初から聴いていた連れは、「宮本さんのシュトラウスはピンク色だけど、広田さんはいぶし銀だ」などと、どっかで聞いたようなフレーズで感想を言っておりましたが。

後半は「惑星」。
ワタシ的に、なんとなくこの真夏の始まりの季節にふさわしい曲のような気がするのは、かつて高校生の時の部活で、ひと夏を費やして「木星」を練習した記憶があるから、かもしれない…

全く興味がなかったので聴いたことのなかった「冥王星」とやらを、初めて聴いたのだが…うむむむ、「蛇足」という言葉の生きた用例を見た気がしました(^^;
このコリン・マシューズという人がやはり編曲(オーケストレーション)した、ドビュッシーの前奏曲集のCDというのを聴いたことがあるのだが、なるほど共通性のある響きが聞こえていた。少なくともご自身の個性というか音色はお持ちの作曲家ではあるようだが。
そもそも私はこういう、有名で知名度のある曲の尻馬に乗って出てくるコバンザメのごとき音楽は、あまり好きではない。
この「冥王星」でとくに許せないのは、「海王星」(前の曲)から繋げるために、「海王星」の末尾に手を加えてしまっていることだ(女声コーラスだけのはずの終結部に、ブリッジ用の弦のトレモロが入っている)。どさくさにまぎれてテメエの曲を聞かせてしまうだけじゃ物足りないというのか。

「冥王星」はともかく、他の演奏はなかなかよございました。
久々に聴いた飯守=シティフィルだったが、やはりこの組み合わせはただごとではない。近代物を振るときの飯守さんには、丁寧でリリカルな格の正しい音というものがあって、この手の編成が大きくて色彩的な曲にはそれがとてもふさわしい。そういえば以前、ラヴェルの「ラ・ヴァルス」にとても感心したこともあったな。
ベートーヴェンやブルックナーばかりではなく、飯守さんのこういうレパートリーももっと聴いてみたいものだ。

しかし、チラシの惹句の「大管弦楽による星占い」、ってのは、なんだ。

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2007.07.15

都響・ドヴォルザーク

TMSO, 070714東京都交響楽団 東京芸術劇場シリーズVol.65
作曲家の肖像「ドヴォルジャーク」

弦楽セレナード
ヴァイオリン協奏曲(Vn:エリック・シューマン)
交響曲第7番
 指揮:レオシュ・スワロフスキー

台風が不穏に近づきつつある中、週末はやはり(楽器を担いだまま)あちこちに出歩くことになる。
知らないうちに靴底にひびが入っていて、足先がぐちょぐちょ。

昼間は東京芸術劇場にて、このコンサートを聴く(シリーズセット券を入手済)。<