カテゴリー「コンサート(2005年)」の記事

2005.12.23

Xmasコンサートのハシゴ

祝日。
寒い日が続く。東京は良い天気だけど、大雪の地方の皆様にはお見舞申し上げます。どうか気をつけてお過ごしください。

コンサート通いの1日。昼の部はヤマハ目黒吹奏楽団(めぐろパーシモンホール)。
綺麗な新しいホール、「スカイ・ハイ」に始まり最後ルロイ・アンダーソンの「クリスマス・フェスティバル」に至る、完全クリスマスポップスコンサート仕様の親しみやすい曲目、よいお日柄もあってか、600用意したプログラムが全部無くなる大入り。めでたし。
実は私の元所属団体。辞めてはや10年が経ち、当時から居て今日も乗っている団員さんはほとんど一桁になってしまった。
まあしかし、皆上手くなりましたね。私が入団するちょっと前ぐらいが音楽的にも運営的にもドン底だったのだろうと思うけれど(入団2年めの定期演奏会で、100台を低迷していた入場者数を一気に350に増やし、大いに盛り上がったことを思い出す)、少しずつでも良くなって行っているとしたら、嬉しいことです。
あとは、「良い音」で説得力のある音楽をするという「基本」に、常に立ち返って欲しいと思う。

tirasi561夜はサントリーホールへ移動。

サントリーホール クリスマス・オルガンコンサート

J.S.バッハ/プレリュードとフーガ ト長調BWV541 *org
シューベルト/アヴェ・マリア *org, saxQ
フランク/天使の糧 *org, saxQ
ベッリーニ/歌劇『ノルマ』から「清らかな女神よ」 *org, ASax
ヴィヴァルディ/『四季』より「冬」 *org
デザンクロ/サクソフォン四重奏曲 *saxQ
水野均編/クリスマスキャロル・メドレー *org, saxQ
長生淳/彗星 *saxQ
メンケン(長生淳編)/美女と野獣 *org, saxQ
長生淳/Natch-knocker(チャイコフスキー「くるみ割り人形」による) *org, saxQ
 水野均(Org)
 トルヴェール・クヮルテット

何が聴きたかったって、何といっても「トルヴェールのデザンクロ」だったんだが、いやー、さすがと思った。この曲をあそこまで肩の力抜いた感じで出来るんだ、と。
いかに普段私たちがガチガチで硬直した音楽をやっているかって事が、良く判った。主旋律は大きめに出して他(対旋律や伴奏)は抑える、とかいう、単純なアンサンブルテクニック上のバランス調整だけのレベルのお話では全然!ない。
何故こういうことが出来るのか、理由は色々あるだろうけど、やはりmp以下(ppp-pp-p)のダイナミクスとニュアンスのコントロール能力が図抜けている、ということなんだろうな。普通のサックス吹きが最も苦手、かつ「見ないことにしている」領域だ。
トルヴェールのデザンクロを聴くのは、時代がまだ20世紀だった頃の紀尾井ホールでの演奏会以来久しぶり。あまりやってくれないけれど、もっと色々な機会に聴きたいものだし聴かれて欲しいと思う。例えばこれ、CDに録音して一般家庭のCDラジカセやミニコンポで再生したとしたら、「普通に巧い」演奏に聞こえるだけなんじゃないか。サントリーの大ホール、みたいな大きな空間、そして距離(2階席左サイドの頂上近くで聴いていた)、生演奏ならではの音量、があればこその響きの感覚というものがある訳で。

他の曲はまあ、普通に普通の人が楽しめる、ちょっと豪華なコンサートという趣でした。サントリーホール恒例のクリスマスコンサートということで、普段の私の守備範囲の国内オーケストラやサックスの演奏会とは客層が少々違ったようだし、オルガンコンサートと銘打った割には随分サックスが出しゃばっているので(^^;不思議に思われた方ももしかしたらいたかもしれないが、「珍しい」サクソフォンの音色を楽しんでもらえたんじゃないかと思う。

最後の長生さんの曲は、例によっていつもの調子のアレでした。冗談音楽としては良く出来ている、というもの。

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2005.12.21

終わった。

昨日に引き続き、都響定期第2夜(東京文化会館)。
ジャン・フルネのラストコンサートが、満場のスタンディング・オベイションの中、終演。
…聴き終わったら泣いちゃうんじゃないかと思っていたけど、意外とそうはならなかった。フルネさんの音楽が、虚仮おどしの感動の押し売りや安っぽいドラマ性とは最後の最後まで無縁だった、ということ。

今日も、昨日にもまして素晴らしい集中と献身に支えられた演奏だった。ホールのせいもある。改めて東京文化会館って良いホールだと実感した。2階センターで聴いた昨日のサントリーホールよりも、3階左翼席で聴いた今日の東京文化のほうがずっと克明でバランス良く綺麗な響きで聞こえた。
(音の好き嫌いはあるだろうけれど、東京文化会館を「響きが悪い」とかって言う人は、ハッキリ言って音痴だと私は思う。)
会場にテレビカメラが入っていた。1/22の教育TV「芸術劇場」で放映されるそうだ。皆さん是非ご覧になってみてください。

コンサートの最後には、楽員を代表して山本コンマスからフルネ夫妻(奥さんはオランダ放送フィルのコーラングレの名手、ミリアム・ジェイクスさん。以前の奥さんは10年以上前に先立たれ、最近再婚されたそうだ。昨日今日と1曲目の「ローマの謝肉祭」序曲で素晴らしいソロを披露された)に、花束と「都響永久定期会員証」という巨大なチケット型の感謝状が手渡された。
拍手鳴りやまず、オーケストラが全員引っ込んだ後、二度もステージに呼び返されていた。…

これで、本当に終わったんだなー、と、「ジャン・フルネ」の名前のない都響来季の公演日程表を眺めながら、感慨。
フルネさんの指揮を初めて聴いて驚嘆したのが、ちょうど20年前。当時フルネさんは72歳、既に今の私の父と同じ歳だった。もう次は聴けないかもしれない、聴ける時は聴こう、と思って、以来来日する度の「オッカケ」が始まったのだった。
まさか、その後20年も、そして本当に最後の演奏会まで聴き続けることが出来るなんて、思いもしなかった。

ジャン・フルネ。偉大なその音楽と素晴らしい人生に、感謝。

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2005.12.20

ジャン・フルネ引退公演、始まる

tirasi560東京都交響楽団 第618回定期演奏会(サントリーホール)

ベルリオーズ/序曲「ローマの謝肉祭」
モーツァルト/ピアノ協奏曲第24番ハ短調K491(Pf伊藤恵)
ブラームス/交響曲第2番
 指揮:ジャン・フルネ

明日もあるので、簡単に。

聴く方は気を入れて-少し緊張もして臨んでいる引退公演ながら、今年1月の600回記念定期以来11ヶ月ぶりに見るフルネさんは、いたっていつも通りのフルネさんだった。まるで、来年になればまたいつも通り東京に現れそうな雰囲気も感じさせつつ。
ブラームスの2番。最後がフランス音楽でないのはちょっと残念だけど、こういう、日常の中の幸せのような雰囲気の中、のんびりと美しい響きを紡ぐ音楽というのは、フルネさんのような音楽家の最後にふさわしいのかもしれない。

演奏は素晴らしかった。都響の底力を再び見た思いだ。この指揮でこういうふうに弾くかあ。皮肉とかではなく、本当に感心した。
明日の東京文化会館、第619回定期が、本当の最後となる。

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2005.12.15

Happy Sax 2005

tirasi559職場を6時に飛び出して、中央会館(いつの間にか「銀座ブロッサム」なんていう名前になっていた)へ。

Toshihisa Ogushi HAPPY SAX CONCERT 2005

ブラボー・サックス!(星出尚志)
バラード(A.リード)
翼をください(村井邦彦/西上和子編)
ポギーとベス(G.ガーシュウィン/冨岡和男編)
オペラ座の怪人(A.L.ウェッバー/成本理香編)
クワイエット・サンセット(真島俊夫)
ボレロ(M.ラヴェル/樽屋雅徳編)
ラテン・フィエスタ(鈴木英史編)
 小串俊寿(Sax)、白石光隆(Pf)、横山達治(ラテンPerc)、ゲスト:冨岡和男(Sax)

小串さんのHappy Saxコンサートに来たのはものすごく久しぶり。自分のサイトで(^^;調べてみたら6年ぶりだった。しかし相変わらず最上級のエンターテインメントではある。白石さんの超絶技巧(あまりにも巧すぎるので逆にピアノの存在を忘れてしまう。それほど巧い)、ダジャレンジャー横山さんの陽気なノリ、豪華作・編曲陣による独創的で雰囲気豊かな音楽、そして何より、最高にHappyで蠱惑的な、小串さんのサックス。

小串さんの音色は、我々クラシックのフィールドのサックス吹きにとって最も模範的なものに近いと私は思う。世の中には、魅力的だけど「真似をすると怪我をする」音というものがあるけれど、小串さんの音の暖かさ、艶やかな透明感、なめら~かなソノリテは、(ヴィブラートが少し昔風なのが好みを分かつかもしれないが)どれをとっても最も高い次元での目標たり得る。
去年(2004年)の「音の輪」で、アルフレッド・リードの『シチリアーナ・ノトールノ』のソロを吹かせていただいた時、小串さんの同曲のCDを毎日のように聴いたものだった。そこに漂う音楽のアトモスフェアの一部でも自分のものにしたかったのだが、それに成功したかどうかは自信がない。…
この雰囲気の中では、ゲストの一見堅そうな冨岡センセも、サックス吹きとしての本性を思わずポロッと出してしまうのが、可笑しい。

中央会館はなにげにサクソフォンの「聖地」だ。
小串さん自身もアナウンス中で触れていた、リード氏が指揮をして小串さんが『バラード』のソロを吹いたジャパン・スーパー・バンドの演奏会、故・阪口新先生の平成元年のリサイタル、キャトルロゾーの結成十周年記念リサイタル(1984年)、そして、結成されたばかりの頃のキャトルロゾーがゲストで出演した、デファイエ・カルテットの来日公演(私が高校2年生の時だ)まで、みんなこの客席で聴いたものだ。
来年のHappy Sax 2006もここらしい。新たな「伝説」を作ってほしい、と願う次第。


帰りは、東銀座の「萬福」で、昭和4年の創業以来変わらぬ味、という中華そばを食す。懐かしき昭和の味でした。

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2005.12.10

【聴いた】「ビジネスクラス」SE

(承前)夕方は次なる目的地、すみだトリフォニーの小ホールへ。
ビジネスクラス・サキソフォンアンサンブル(3月のアンサンブルコンクール本選でご一緒した)の演奏会のチラシを某所で偶然(ホントに偶然)拾い、行ってみようと思ったのだ。

途中、本日発売のバンドジャーナル最新号を買う(昨日のエントリ参照)。
件の追悼特集、移動の電車の中でざっと目を通したが、いやー読み応えあります。超豪華執筆陣一同に集結、というか。お葬式というと親類縁者友人がみんな集まってくるみたいな、あの感じ。
この顔ぶれの中に加えていただいたというのは、光栄なことです。

すみだトリフォニーに到着。小ホールは久しぶり。

 櫛田てつ(月失)之扶/「花鳥風月」II~intention
 富山県民謡より おわら節、こきりこ節、麦屋節(秋透・編)
 日本の歌~四季の彩り~
 ・琉球のふたつのうた(池辺晋一郎・編)
 ・どんぐりころころ(池辺晋一郎・編)
 ・冬景色
 ・春の小川(前田憲男編)
 ガーシュウィン/3つの前奏曲
 同 /「ポギーとベス」より(野本洋介・編):佐藤秀徳(Tp、FGH)
 同 /ラプソディ・イン・ブルー(渡部哲哉・編)

強力なコンセプトを感じる曲目だ。誰がどうやって選曲したのかな。興味がある。各カルテットチームとかがやりたい曲を持ち寄っただけでは、こうはならないだろう。(うちのアンサンブルでも、以前は各チームにお任せで選曲していたこともあったけれど、そうすると大抵、客の立場としては聴く気も起こらないような結果となってしまうのだ。)
演奏は、1部の日本物と、アンコール最後のSomeone to Watch over Me(ガーシュウィン)が良かった。日本人が日本の曲をやるというのは、自然なことなんだな。多少の技術的な隙なんか全然気にならない。
対して後半のガーシュウィン物は、難度の高い編曲だということはあるけれど、そうでなくても何かしら音楽自体が「無理」を強いているところがあって、それが正直に演奏に表れてしまう、というか。難しいものです。

それにしても、池辺晋一郎編曲の「どんぐりころころ」の面白さは昔から知っていたけど、前田憲男編曲の「春の小川」の素晴らしさに改めて感銘を受けた。そういえば楽譜持ってたような気がする。今度やってみようかな。

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【聴いた】ベートーヴェン、シューベルト、エマール

tirasi558昼間は東京芸術劇場へ。
ピアニストのピエール=ロラン・エマールが現在来日していて、是非聴きたかったのだが、ソロリサイタルの日程が自分の予定とことごとく合わなかったので、読売日響とのコンチェルト(ベートーヴェンの3番)を聴いたという訳。

3階天井桟敷のG席(2000円)に座る。S席、A席、B席と来て一番安い席がなぜG席なんだろう、読売だからジャイアンツと関係あるのかしらん、そんなばかな、と思っていたらGalleryのことだそうだ。言われてみりゃその通りだが。
大きなホールの最上階後部は、壁や天井が近くて反射音が多いせいか意外とよく聞こえることが多い。東京文化会館の5階席が良い音なのは有名だし。

で、勿論ベートーヴェンは素晴らしかったのだが、後半のシューベルト「グレート」がまた、凄く良かった。
全く隙がなくよく整った響きで、しかも瑞々しく、まさにウィーン流儀というのか、なんとも魅力的な音。音色自体は9月に聴いたロジェストヴェンスキー(読響名誉指揮者)指揮の時よりずっと素敵だと思った。
指揮はカルロス・カルマー。知らなかったのだが、あのデプリーストの後任として2003年からオレゴン交響楽団の音楽監督を務める人らしい。なるほどねぇ。

ふと思い立って行ったにしては、非常に得たものの大きいコンサートでした。

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2005.12.04

静岡遠征

友人の指揮者・中原朋哉氏が今般新しく立ち上げた室内オーケストラ、シンフォニエッタ静岡のデビュー公演(島田市 プラザおおるり)を聴きに、新幹線で往復してきた。
旅先で聴くコンサートというのは、気分的にも独特のものがあって後々までも印象に残ることが多い。この楽団はまた特別で、なにしろ9月の依頼公演では私自身がエキストラとして呼んでいただいていたということもあった訳で。おかげでもう一方の音楽監督の志田さん(ピアニスト)から、常連裏方のSちゃんに至るまで、顔見知り多し。

リンク先を見ると判るとおり、教育プログラム、室内楽、オーケストラそれぞれのステージを独立させた4回公演で、チケットも別、客もその都度入替えという、あまりないスタイルだった。
トマジの「芸者の遊び」なんて曲がこっそり入ってたりして、なにげに意欲的なのだが、プロの楽団ということで考えると、演奏レベルはともかくとしてもう少しお客さんの数を確保したいところだ。言うは簡単だが。
お客さんを増やす方法、なんてものが簡単にあるのなら私だって教えてもらいたいぞ。

今の時代、演奏団体を新しく立ち上げるというのは冒険だけど、頑張って欲しいと思う。
簡単ながら、明日も早いのでとりあえずこのへんで。

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2005.11.27

【聴いた】ラフマニノフづくし

tirasi557東京都交響楽団 東京芸術劇場シリーズ・作曲家の肖像#58 ラフマニノフ

ピアノ協奏曲第2番(Pf横山幸雄)
交響曲第2番
 指揮:ジェイムズ・デプリースト

早々に全席完売していた話題の公演。これもやはり「のだめ」効果?
最初から最後まで、アンコールもラフマニノフ(ピアニストはプレリュードop.32-12、オケは「ヴォカリーズ」)の、お腹いっぱいのコンサート。といっても、ロシア的なコテコテさよりも、ヒューマンで人生肯定的な暖かさとおおらかさ、しかしそれでも細部はとても繊細な印象、を感じるのは、やはりデプリーストさんだからか。
4日前のときとほとんど同じ席なのに、聞こえてくる弦の量感は全然違う。そう、こうでなくっちゃ!

デプリースト月間の最後を飾るにふさわしい、充実した演奏だった。
さて、来月はいよいよジャン・フルネのラストコンサートであります。
楽しみ、という言い方は違うし、こういう場合何と言ったらいいんでしょ。

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2005.11.23

本多俊之のコンチェルト、初演

tirasi556日本フィルハーモニー交響楽団 サンデーコンサート・スペシャル(東京芸術劇場)

ビゼー/「アルルの女」第1、第2組曲
バーンスタイン/「キャンディード」序曲
デュカス/魔法使いの弟子
ハチャトゥリアン/「ガイーヌ」より レスギンカ、子守歌、ばらの乙女たちの踊り、剣の舞
本多俊之/風のコンチェルト Concerto du vent(初演)
 須川展也(Sax)

午前中は藤野へ、午後は「須川展也オーケストラル・オンステージ」を聴きに、池袋へ。

須川さん、前プロからソリスト衣装のままでオケの中に乗っていて(「アルル」と剣の舞)、相変わらずサービス精神旺盛な方だ。
注目の本多さんのコンチェルト。第1楽章 順風、第2楽章 風紋、第3楽章 新風 という3楽章から成る。
2楽章までは我々にとってたいへん耳馴染みのある、ちょっと現代アメリカの吹奏楽オリジナル曲みたいな雰囲気がしていて、面白いかも、と思って聴いていたが、最後3楽章に至ってはやっぱり「須川コンチェルト」でした(^^;(←須川さん以外には演奏不可能、つーこと)。
作曲者の本多氏は、ジャズのアドリブのフレーズを基に書いた、というようなことを演奏前のトーク(舞台転換の場つなぎ)で仰っていたが、聴いていてあんまりそういう感じはせず、映画音楽的な流麗でゴージャスな音楽に仕上がっていたように思う。

今日はそれより、前プロのほうがあまりにもあんまりな指揮ぶりで、余程途中で帰ろうかと思った位だった。この指揮者、海外のコンクールで優勝したとかN響の定期公演に出演したとか、華々しい経歴がプロフィールに書いてあるけど、にわかには信じがたいものがある。
日フィルは今年に入ってから3回くらい聴いていて、なかなかいい感じの演奏を繰り広げていたのに、今日は薄っぺらな弦に雑な管という、昔の印象に戻ってしまったようで、ちょいと残念(席のせいではないと思う。わりと普段からよく座る位置だったので)。

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2005.11.20

三崎でのモレティ

すっかり秋です。朝は恒例、藤野まで父の見舞い、帰りは八王子から横浜線全線走破、京急に乗り換えて終点三崎口まで、更にバスに乗り、三浦市民ホールへ。ファブリス・モレッティのリサイタル。
今回の来日、関東圏ではここでしか演奏会がないのだ。

ファブリス・モレッティ(Sax)&服部真理子(Pf) オータム・コンサートin三浦

ヘンデル/ラルゴ、パストラーレ
J.S.バッハ/ソナタ第6番
リュリ/優しい歌とクーラント
モーリス/プロヴァンスの風景
ボノー/組曲
ルルー/ダンス・ノスタルジーク
シャイユー/アンダンテとアレグロ
林光/『もどってきた日付』より 壁のうた、八匹めの象、花のうた(ピアノ独奏)
カントルーブ/オーヴェルニュの歌より 野原の羊飼い、バイレロ、3つのブーレ

三崎港のすぐ脇、海産物センター(魚市場)の2階に、470席の立派な小ホールがある。時々魚の匂いが上ってくるのがご愛嬌だけど。
かなり無理をしてでも来た甲斐のあった、いい演奏会だった。クラシックのサクソフォンによる「音楽」の原点を見はるかすかのようなこのプログラムに、モレッティ氏ほど似つかわしい人は居ない。
そういう曲達を、都会から離れて海辺の港町で聴くというのも、また一興。
近所からやって来た普通のおばちゃんのお客さんとかに、モレッティを聴かせちゃうというのも、また。

ルルー(Leleu)の「ダンス・ノスタルジーク」は、モレッティ氏が11歳(!)の時に音楽院の試験で吹いた曲なのだそうだ。11歳ねえ。自国の言葉を操るのとほとんど同レベルに自在なその演奏には、そういうバックボーンがあるのか。
アンコールにシューベルトのセレナードと、ピエルネの「カンツォネッタ」。世界最高の素晴らしさ。これが聴けるなら、多少遠かろうが行ってしまうというものだ。

cd073

ファブリス・モレッティ/Serenade Italienne(モモンガラボ)

本日、会場にて発売開始の新譜。勿論買いました。
(ジャケット色違いの)前作は編曲物だったが、今回はサクソフォン初学者のために書かれたフランスの易しいオリジナル曲を集めたもの(リュエフの「シャンソンとパスピエ」みたいな雰囲気のもの、と言えば良いか)。
日本にはほとんど紹介されたことのないような曲も多く、しかしどれもたいへん分かりやすくお洒落で、かつ魔法のように魅力的な演奏であります。

Moretti

終演後はお約束、ロビーにてサイン会。

会場でご一緒した、古巣の楽団の仲間M氏、先日の演奏会でお世話になったピアニストのKさん等と、会場の隣の店で回転寿司を食す。
回転寿司とはいっても、ネタの旨さと新鮮さは都内なんかとは比較になりません。至福の時。

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2005.11.15

【聴いた】フォーレ

tirasi5552日続けてのコンサート通い。
今日の曲目は、昨日とうって変わってフォーレのピアノ四重奏曲第2番とピアノ五重奏曲第2番という、超渋い2曲(カザルスホール)。

フォーレといえばこの人、堀江真理子さん。
フォーレの室内楽曲やピアノ曲は大学生の頃から聴いてはいたけれど、自分のものとして本当に愛好するようになったのは、この方が1993~95年にやはりここカザルスホールで開催した全曲演奏会を聴いて以来のことだ。恩人です。
ヴァイオリン澤和樹、ヴィオラとチェロはフランスより駆けつけたパリ音楽院の先生2人。演奏も万全。凛々しく気高く美しい音の奔流を楽しんだ。2ndVnのお姉さん、知らない名前の日本人奏者だったが、弾いている時のお顔が実にステキでした。


今日はサーヤ(紀宮さま)&黒ちゃんの結婚式。TVとかはその話題ばっかり。
別にワタシは国粋主義者ではないけれど、日本国民のひとりとして率直にお祝いしたいと思います。
ということでBGMは、フォーレの「祝婚歌」(組曲『シャイロック』より)。
これほど幸福感というものを感じさせる音楽はそうそうないと思う。
演奏は、ジャン・フルネ指揮・東京都交響楽団でどうぞ(Fontec/FOCD9217)。

cd007

さて、今日はこれから明日締切りの原稿1200字、というのに呻吟する予定。
この原稿が何なのか、という話は、時間がないのでまた後日。

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2005.11.14

【聴いた】ショスタコ1番

tirasi554東京都交響楽団 第616回定期演奏会(東京文化会館)

武満徹/弦楽のためのレクイエム
モーツァルト/協奏交響曲K364(Vn矢部達哉、Va鈴木学)
ショスタコーヴィチ/交響曲第1番
 指揮:ジェイムズ・デプリースト

都響の後期シーズン開幕の11月は、われらが常任指揮者ジェイムズ・デプリーストの月間。
後半のショスタコーヴィチが期待通りの素晴らしさ。出だしはちょっと呼吸が合わないところはあったが、控えめなテンポで精確に進んだ2楽章から先は、3楽章の灼けつくような響きからフィナーレの息を呑む盛り上がりまで、文句なしの仕上がり。「1番」ってこんなにすごい曲だったんだ。内容の凝縮ぶりは後期の長いシンフォニーに負けやしない。こんなものを音楽学校の卒業制作として作ってしまうんだから、まさしく天才だ。
前プロは少々物足りなかったかな。武満作品はデプリーストさんが振るならもっと似合いそうな曲がありそうだし、モーツァルトはオケとソリストに任せて指揮を降りてしまった。矢部さん達のモーツァルトはそれはそれで美しく、楽しかったけれども。

デプリースト氏は今般、アメリカ合衆国の文化勲章にあたるNational Medal of Artsを受賞し、10日がホワイトハウスでの授与式だったそうだ。ということは式を終えてすぐに東京に飛んで、翌11日からの練習に臨んだことになる。指揮者ってタフだなあ。少々お疲れだったのかもしれない。

来年度(2006-2007シーズン)の主催公演ラインナップも発表された。
7年ぶりのエリアフ・インバルの客演が、何といっても楽しみ。R.シュトラウス(アルプス交響曲)とショスタコ11番ですか。
全体に、マーラーと近代フランス物がほとんど見当たらないのが、都響らしからぬところだが。

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2005.11.13

フランセばっかり

相方の祖父の米寿を祝って、この週末は一族が熱海に集まったので、私も行ってきた。
妹夫婦の子供と曾祖父の対面式ということでもある。それにしても初子の赤ん坊というのは地上最強のアイドルですな。
お宮の松を初めて見ました。しかしこの、貫一がお宮を足蹴にしている場面というのがブロンズ像になっていて、夜になるとライトアップ;されるんだとか。なんだかなあ。

tirasi553帰宅途上、横浜経由で大岡山に寄って、コルドンブルー室内管弦楽団を聴く。
11日のエントリにも書いたとおり、全部ジャン・フランセ(1912~1997)の作品のみによる室内楽演奏会。木管四重奏曲、恋人たちの時間(木五+Pf)、ディヴェルティスマン(木三)、八重奏曲。会場のルーテル大岡山教会は、靴を脱いで上がる本当に普通の街中の教会の礼拝堂だった。

旅疲れで眠くて記憶はところどころ飛んでいるけど、全体を通してフランセという作曲家の面白さがちゃんと伝わるに足る演奏だったのには正直、感心した。勿論フランセの作品は技巧的に格別に難しいので、演奏そのものは言えば色々なことは言えるにせよ。
こういう演奏会だったら、私も仲間を引き連れてフランセのサクソフォン小四重奏曲(Petit quatuor pour saxophones)をご紹介差し上げたかったものだ、と思った。
1曲めと3曲めに乗ったクラリネット奏者のセンスの良さに感心した。
アンコールの2曲めは要らなかったかな。

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2005.11.04

未知の才能

tirasi552飯野明日香 ピアノリサイタル(東京文化会館小ホール)

エスケシュ/二重の戯れ
フォーレ/バラードop.19
プーランク/即興曲集より第1、3、7、15番
同 /『ナポリ』より イタリア綺想曲
ロパルツ/夜想曲第1番
メシアン/『幼子イエズスにそそぐ20のまなざし』より
 「ノエル」「預言者と羊飼いと東方三博士のまなざし」「聖母の最初の聖体拝領」「喜びの精霊のまなざし」

飯野明日香(いいの・あすか)。見るのも聴くのも初めてのピアニスト。
偶然告知を目にして、こういうプログラムでリサイタルをする若い(たぶん20代終わりか30代そこそこ)ピアニストってのは一体どんな人なんだろう、と俄然興味を持ったのだ。

まあ、こういう曲目を選んでくる時点で、そもそも只者ではない。音の立ち上がりのスピードの物凄く速い、クリスタルな硬質のタッチと技巧を駆使した、素晴らしい才能だった。鮮やかな音色を持った人なので、メシアンやプーランクの「イタリア綺想曲」のような、派手に明滅する色彩を持った曲がよく似合う。
楽しみにしていたロパルツも、なかなか良かった。北海沿岸の曇天に覆われた風景の中に、祭りのざわめきの幻想が聞こえてくる。幻影はやがて去って、辺りはもとの曇天。でも、さっきまでとは何かが違っている。そんなイメージ。くすんだ色の風景を描くからといって、最初からくすんだ色の絵の具を用意すればいいってもんでもない訳で。
アンコールにラヴェル「水の戯れ」。見事っ!!

この人の名前は、覚えておこうと思う。12/4には、オペラシティ内の近江楽堂でフォルテピアノのリサイタル(メインプロはベートーヴェンのワルトシュタインで、あとハイドンとフンメルの作品)を開くそうで、想像以上に多才な方のようだ。
練習日でなければそちらも聴いてみたかったが。

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2005.10.26

「エニグマ」再発見

tirasi551東京都交響楽団 第615回定期演奏会(サントリーホール)

ウォルトン/行進曲「宝玉と王の杖」
シベリウス/ヴァイオリン協奏曲(Vn:神尾真由子)
エルガー/エニグマ変奏曲
 指揮:小泉和裕

今季(2005年前半)最後の定期。
期待どおりの、なかなか良い演奏だった。ウォルトンがすっきりと(ある意味想定範囲内で)仕上がっていたのはともかく、聴く前は小泉さんのイメージとちょっと結びつきにくかった「エニグマ」が、たいへん模範的に鳴っていたのが印象的。イギリス人の演奏とは微妙に流儀が違うけれど、オーケストラのあるべきサウンドとしては実に見事なものだ。思わず楽譜を見直したくなるような新鮮な発見も多い。第7変奏のトロンボーンを完全にレガートで吹いていたり(スコアを見ると確かにスラーが書いてある)、第13変奏のティンパニのppのロールを素手で叩いて非常にいい雰囲気出してたり(スコアにはスネアドラムのスティックで叩く指示があるのだが、静かな部分なので打撃音が目立ちすぎて不自然に聞こえる場合が多いのだ)。
真由子ちゃんは8月のベルク以来か。とってもひたむきなソロで応援したくなるんだけど、まだ若いのにちょっと仕事させられ過ぎ、みたいなところもある。

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2005.10.21

ボッセさんのハイドン

tirasi550東京都交響楽団 第614回定期演奏会(東京文化会館)
 指揮:ゲルハルト・ボッセ

楽しみにしていたボッセ翁のバッハ&ハイドンプロ。職場を出遅れて前半のバッハ(ブランデンブルグ6番と管弦楽組曲4番)は間に合わず、後半のハイドン(交響曲第1番&第92番『オックスフォード』)だけ聴けたが、いや、見事なものでありました。83歳だそうだが、ぜんぜん歳を感じさせない軽やかに引き締まった音楽の運びとアレグロ楽章の快活なテンポ。
「『クラシック音楽』とはこういうものだよ、キミたち!」とニコニコ顔で(決して謹厳実直でなく)言ってくれているような、そんな充実感があった。
オーケストラの編成は10型(10-8-6-4-2)。東京文化のような会場でハイドンをそれらしく鳴らそうとしたら、まあ、このくらいが妥当なのだろう。


さて、当ブログも開設して8ヶ月余、エントリのカテゴリー分類の中で、やはり「コンサート」という分類のものが突出して多いことがはっきりしてきたので、一番機会の多い都響のコンサートに関しては独立したカテゴリーを設定することにした。
サクソフォン関係のコンサートに関しては既に独立を果たしていたが。

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2005.10.14

【聴いた】紀尾井シンフォニエッタ

tirasi549紀尾井シンフォニエッタ東京 第51回定期演奏会(紀尾井ホール)

ヴァスクス/弦楽のためのカンタービレ
シベリウス/劇音楽「クオレマ」より 悲しきワルツ、カンツォネッタ、鶴のいる風景
モーツァルト/2台のピアノのための協奏曲
ドビュッシー/神聖な舞曲と世俗的な舞曲
ハイドン/交響曲第104番「ロンドン」
 ハープ:マリー=ピエール・ラングラメ、吉野直子
 指揮:ユハ・カンガス

(ワタシ的には)久しぶりのコンサート。紀尾井シンフォニエッタを聴くのも何年ぶりだろう。1年や2年ではきかないような気がする。しかしさすが、巧いもんです。ホールの響きもあって、このぐらいの編成(弦が8-6-6-4-2)としては理想的な音がする。お客さんもずいぶん増えたようで、ほとんど満席の盛況。

指揮者はフィンランドの人だそうだ。大振りの棒で、剛毅な、しかし相当突っ込みの細かい練習をしそうな雰囲気。日本やアメリカの指揮者にはあまりいないタイプかも。
かなりに盛り沢山の曲目で、印象が分散してしまった感じもある。楽しみにしていたシベリウスが良かったのは勿論だが、ハープ2台で演奏されたモーツァルトの2台ピアノ協奏曲が、ギャラントの極み。さすがにピアノみたいな訳にはいかなくて時々モタつくけど、そこがまた良いんです。愛しの吉野直子様、しばらく見ないうちにちょっとオバサン入ってきた感じもあったが(^^;
休憩後のドビュッシーは、ラングラメ(ベルリンフィル首席ハーピスト)が1人で弾いた。現代的な、スポーティな演奏。
最後のハイドンは実に素晴らしかった。力強いサウンド、充実の極致。『ロンドン』の初演を聴いた当時の批評家が「世の作曲家は今後五十年間、ハイドンの模倣以上のことは出来ないだろう」と興奮気味に書いていたとのことだが、その気持ち判る、と思った。

なぜ、ハイドンはあんまり演奏されないのかな(ハイドンの交響曲がメインプロの演奏会なんて、私が聴いた中では記憶にないくらい久しぶり)。二千人のホールに百人のオーケストラ、という現代のコンサート・システムの中では身の置き場がないということなんだろうか。勿体ない話だ。

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2005.10.03

雲カル(9/29)の記憶

tirasi547雲井雅人サックス四重奏団 第5回定期演奏会(2005/9/29 津田ホール)

リチャード・ロドニー・ベネット/サクソフォン四重奏曲
西澤健一/サクソフォン四重奏曲(委嘱初演)
ペドロ・イトゥラルデ/ギリシャ風組曲
エルッキ=スヴェン・トゥール/哀歌(日本初演)
J.S.バッハ(伊藤康英編)/シャコンヌ

終わってみれば、忙中自ずから閑あり、という言葉を地で行ったような1日だった。久々のコンサートを堪能した。
490席の津田ホールがほぼ全く空席のない大入り。久しぶりに逢うような方々も、たくさん。サイトを見ていて声をかけて下さった方も。(ありがとうございました。)
雲井氏のマネージャーのK子さん(匿名になってねェぞ)にご挨拶したら、「是非ご紹介したい方がいます」と、雑誌「The Sax」の編集の方と引き合わされたり。

演奏自体は、曲目の表面的な馴染みのなさとは全く異なり、オーソドックスの極みだったような。
中でも、トゥール作品での、夢の中の時間のような浮遊した感覚が印象的だった。いわゆる「現代奏法」を使った曲のほとんどは、実のところ「珍奇な音のカタログ」に過ぎない場合がほとんどなのだが(気がついていないのは作曲者ばかり、なのだが)、この曲は全然違った。たまに聞こえる普通にメロディックな音が、逆に非現実的なものとして聞こえてくるほどの徹底ぶりには、参った。
伊藤康英氏編曲の「シャコンヌ」は、物凄い仕事だと思った。メンデルスゾーンの例えば「スコットランド」を聴いていると、遠いバッハのエコーが聴こえるけれど(ご存じの通り、メンデルスゾーンは19世紀におけるバッハ復興の最大の功労者である)、そういう次元に近いバッハとの一体化、に思える。
サックスでバッハ、というのは誰でも考えるし実際演奏されるけれど(私も数限りなく吹いてるけれど)、こういうのは聴いたことがない。

アンコールにミュール編曲の「アンダンテ・カンタービレ」(チャイコフスキー)、ヴィヴァルディ「まことの安らぎはこの世にはなく」、そしてお約束「ソールズベリー伯爵のパヴァーヌ」(ウィリアム・バード)。

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2005.09.11

楽友室内楽

横浜楽友協会吹奏楽団の室内楽演奏会を聴いた。(但し、楽団サイトにはこのコンサートの情報は一切載らなかったが)
会場は本郷台のリリス。家から行くにはちと遠いけれど、「田園都市」という雰囲気の街で、結構好きな場所だったりする。
とめ氏をはじめとする知った顔もたくさん出るし、アンサンブルの宣伝・チラシ挟みもしなければならなかったしで、行ってきた。

年に2回の吹奏楽演奏会本番の傍ら、こういう有志による室内楽の演奏会を毎年続けているという姿勢はいつもながら素晴らしいと思うし、頭が下がるというものだ。
とはいえ、純粋に聴くだけの立場として見ると、演奏のレベルの差というより音楽に向かう姿勢の差という点で、スゲェなーと感心させられるチームと、相変わらずのことやってるなーというチームがはっきりと分かれ、その差は回を重ねるにつれて開いているように感じられるが。

それにしてもクレストンのマリンバ・コンチェルティーノを聴けるとは思ってもいなかったな。実は私、大学3年生のとき(23年前だ)、大学の吹奏楽団の定演で演奏している。吹奏楽伴奏版の作品21Bという楽譜がはじめて出版されたのが(ピアノ伴奏版やレンタルのオケ版はそれ以前から出ていたが)ちょうどその頃で、芸大の吹奏楽が日本初演、ウチらが2番めだったはずだ。ソリストは当時の大学のトレーナーの先生の知り合いで仙台フィルの団員だった方にお願いしたのだった。いやー懐かしい。聴いていて当時のいろんなことを(すっかり忘れていたのに)思い出した。一度私が下振りを担当して、手も足も出なかった屈辱とかね。
ぜーんぶ聴くにはいささか疲れる2時間半の演奏会の最後は、Sax8人のアンサンブル。
本日のいろいろの演奏を、とりあえずきちんと締めてくれた。


終演後はさっさとその場を辞し、用事をいろいろ片付けた後、衆院選の投票のため横須賀線に乗ろうとしたら(投票所はいつもの最寄り駅ではなく横須賀線の駅の近く)、千葉方面の大雨のため?ダイヤが乱れまくっていて、帰着が午後8時に間に合わなかった。ううむ。選挙権を得て20ウン年、初めての棄権。くやしいぞ。
選挙の結果自体は、なんだかなあ、という感じのようだが。

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2005.09.10

都響【ベートーヴェン】

tirasi546都響の秋シーズン開幕は、ベートーヴェンの肖像と題する演奏会(東京芸術劇場)。

ベートーヴェン/序曲「レオノーレ」第3番
同 /ピアノ協奏曲第1番(Pf菊池洋子)
同 /交響曲第5番「運命」
 指揮:クリストフ・エーベルレ

初めて聴く若い(といっても1959年生まれ)ヨーロッパの指揮者ということで、最近流行りの理屈っぽいベートーヴェンを聴かされるのかと思ったら全然違って、伝統的なスタイルでありながら清新な気分にみちた、素晴らしいベートーヴェンだった。アンサンブルも1曲めの序曲からいつになく隅々まで手入れが行き届いていて、これは相当細かい練習を積んだのだろうと思わせる。
メインの「運命」は、迫力には少々欠けるところがあったけれど、プロフィールを見るにウィーン室内管の首席指揮者をしていたそうで、室内オーケストラの感覚が根底にあるのだろうかと思った。ともあれ、なかなかいい指揮者だ。
アンコールに、やはりベートーヴェンの「11のウィーン舞曲」WoO.17より3曲。これがまた、若き日のベートーヴェンのウィーン風情に溢れた素敵な曲・演奏だった。そういえば都響に生粋のオーストリア人指揮者が来るのは珍しい。

自分からチケットを買ってまで行こうとはなかなか思わないプログラムだけど(シリーズ・セット券の中にあったので行ったんだけど)、聴いて良かった、と思った。


終演後、池袋ヤマハに寄ったら、楽譜の半額割引ワゴンセールをやっていて、思わず長居。
メジャーな作曲家から武満・黛・石井真木といった邦人現代まで、曲は微妙に「売れ線」から外れたものがいろいろ揃っていて、なかなか楽しかった。マニアにはたまらんっす。

いろいろ気になるものはあったのだが、とりあえずミヨーの「ロンドンの謝肉祭」ポケットスコア(Salabert)を、税抜1350円で購入。
この曲、1管編成のオーケストラ曲なのだが、サックスが大活躍する。非常に親しみやすい、楽しい曲です。

carnaval_de_londres

こんな感じ(クリック拡大・部分)

普段あまり見かけないフランス物もいろいろあって、なかでもデュリュフレの「3つの舞曲」には最後まで迷わされたけれど、割引前の値段が10200円では、ちょっと見送らざるを得なかった。

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四季朗詠【読響】

tirasi5459月、即ち、秋のコンサートシーズン開幕後最初に聴いたのは、東京芸術劇場での読売日響

グラズノフ/交響曲第4番
同 /バレエ音楽「四季」(西行の短歌の朗誦付き)
 指揮:ゲンナジー・ロジェストヴェンスキー
 歌詠み人:栗原小巻、滝田栄

今日はシティフィルが上野で「三角帽子」をメインとしたスペイン・プロを組んでいた筈で、いわばバレエ音楽対決だったのだが、私としてはやはりグラズノフの「四季」全曲が生で聴ける機会が(今までも無かったし)今後そうそうあるとも思えなかったので、こちらにしました。

職場を出遅れたので、交響曲は途中からロビーで聴いた。知らない曲だったが(グラズノフのシンフォニーは5番と8番しか知らない。余談だが、Sax吹きの方は「8番」を是非聴かれるとよいと思います。びっくりするから)、不思議に明るく人懐っこい、楽しい交響曲だ。フィナーレの最後、どう終わらせたらよいのかよく分からないまま延々と盛り上がり続けるような雰囲気も、いかにもグラズノフ。

休憩後の「四季」は、各場面の前にそれぞれの季節を歌った内容の西行法師の和歌の朗誦が付くという、珍しい趣向。ソリスト(?)2人は、和装で舞台に登場。各季節ひとり3~4首ずつ、滝田栄はストレートな読み下しで、栗原小巻は御詠歌のような節回しをつけて詠んだ。
今までにない試みで、たいへん印象に残ったが、いったい何という歌を詠んだのか、テキストがプログラム冊子にもどこにも無かったのが、残念。また、秋を詠んだ歌というのは物淋しいものが多いのだが、そのすぐ後にノーテンキなバッカナールが始まるというのも、ちょっとヘンな感じではある(^^;。まあ、仕方ないけど。

演奏はさすがロジェヴェン、なかなかよございました。スケールが大きく、甘く暖かい音色で、こってりと歌う。いわゆるひとつのロシア風。スケールが大きいぶん棒そのものはかなりに大雑把で、オケは苦労していたようだけど(^^;、それがまた良いのだろう。「秋」の最初の部分に少しカットがあったのが残念だったが、滅多にない機会を楽しんだ。
隣の席には、「四季」のオケ版フルスコアのコピー(神奈川県立某高校吹奏楽部のハンコが見えた)をめくりながら聴いている女子高生、なんてのもいたりして。

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2005.08.30

久々のコンサート

tirasi544コンサートも夏枯れの季節、久々にサントリーホールに行けた。

●サントリー音楽財団 サマーフェスティバル2005~20世紀のウィーン

シェーンベルク/ワルツ~弦楽オーケストラのための
ウェーベルン/カンタータ第2番op.31(1943)
同 /眼の光op.26(1935)
リスト(ウェーベルン編)/労働者の合唱(1924)
クシェネク/交響的悲歌(1946)
ベルク/ヴァイオリン協奏曲(1935)
 高関健指揮 東京都交響楽団
 神尾真由子(Vn)
 森川栄子(Sp)、加賀清孝(Bs)、東京混声合唱団

毎年この季節恒例の、サントリー音楽財団主催の現代音楽祭。
今日は最も「普通の」曲目の日だが、それでもなかなか凝っている。
客席もかなりに濃くて、休憩時のロビーで池辺晋一郎、一柳慧、江村哲二の3人が何気なく談笑していたりとか。

音楽史的には非常に興味深い、知的好奇心のそそられるプログラムながら、普段自分が好んで聴くタイプの音楽とは全然違うので、曲そのものを堪能するまでには至らず、途中少し睡魔に襲われた。演奏はなかなか良かったが。高関さんの指揮はいつもながらの堅実なものだし、真由子ちゃんのベルク、すごくひたむきで瑞々しくて、この曲こういうやり方もあるのね、というか。
ベルクと、ウェーベルンの2曲には、宗貞センセ(A.Sax)の姿がステージに見えた。
休憩前の最後、フランツ・リストの(シューマンみたいな)オーソドックスなスタイルの合唱曲にウェーベルンが非常に祝祭的なオーケストレーションを施した曲(日本初演)が挟まれ、演奏者の側もこの時ばかりは思いきり楽しそうで、場内も大いに沸いていました。

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2005.07.30

真夏の第九

tirasi542東京都交響楽団 創立40周年記念演奏会【第2日】(サントリーホール)

ベートーヴェン/交響曲第9番「合唱付」
 指揮:小泉和裕
 佐々木典子(Sp)、寺谷千枝子(Ms)、吉田浩之(Ten)、河野克典(Br)
 晋友会合唱団

今日も行ってきた。
朝早く起きて、週末恒例の藤野への父の見舞の後駆けつけたので、眠くてしょうがない。

この季節に「第九」を聴くというのは不思議な気分。
小泉さんの指揮、さすがに、オーケストラをまとめる手腕に関しては見事なものがある。破綻のない、模範的な演奏。速いところはスポーティに速く、遅い楽章は一転してロマンティックに歌い上げる、流線型の音楽。カラヤンの演奏みたいだ。
私が小さい頃から聴き慣れた「第九」は、カラヤン=ウィーン・フィルの古いLP(なぜか家にあった、1947年録音の疑似ステレオ盤)だったので、こういう演奏には思いっきり親近感を覚える。なぜ最近の指揮者はこういう演奏をしないのかな。なんだかまるで、こういう風にはしちゃいけない、と思い込んでるみたいな。
終演後のサントリーホールは、ひときわ大きな喝采に包まれた。
会場では、意外な顔見知りにも何人か逢ったり。

終演後に謝恩パーティがあった筈なのだが、私は今夜は家族の誕生日パーティのため出席しなかった。
10年に一度だから、出てみたかった気もするけど。
思い出せば、10年前の30周年記念演奏会も、今は亡きペーター・マークの指揮で「第九」だったな。

depreist

会場を出たところで、昨日の主役マエストロ・デプリーストに遭遇。

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都響40周年・第一夜

東京都交響楽団 創立40周年記念演奏会【第1日】(サントリーホール)

ヴェルディ/レクィエム
 指揮:ジェイムズ・デプリースト
 中村智子(Sp)、竹本節子(Ms)、市原多朗(Ten)、福島明也(Br)
 二期会合唱団

明日は早いので、簡潔に。

素敵な演奏だった。久々登場の矢部達哉コンマス率いる弦軍団の精妙な音色に、「ディエス・イレ」で大暴れする金管部隊の、重さや鈍さを排除した都響ならではのソノリテ。先日のマーラー5番の時も思ったけど、都響の金管はやっぱウマイわ。発音にストレスがないというか。
合唱はさすがプロならではのすごい迫力と安定感。ざっと数えたところ90人程(二期会コーラスとしてはかなり大編成)だったが、アマチュアコーラス300人分くらいの音量か。
ソリストは、市原さんと竹本さんがブラヴォーでした。

デプリーストの指揮ぶりは、特に弱音部分の(この曲、ちょっと聴きには派手な部分が印象的だけど、よくよく聴いてみると8割以上は静かな音楽だ)まるで日常の中にある祈りの感情のような、素朴でピュアな音楽の運びが印象的だった。
明日も楽しみ。

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2005.07.23

マーラー5番、地震付き

tirasi541モーツァルト/フルート協奏曲第1番(Fl:高木綾子)
マーラー/交響曲第5番
 若杉弘指揮 東京都交響楽団

会場の所沢ミューズホールといえば、須川さんのクレストンのコンチェルトと「シェエラザード」を聴いた(ライブCDにもなっている)東京佼成woの演奏会がすごく印象に残っているんだけど、もう10年以上も前なんですね。
今日は都響得意のマーラー、かつ私自身は一度も生で聴く機会のなかった若杉のマーラーということで、少々遠いが足を伸ばしてみた。

ys-11最寄り駅の航空公園(西武新宿線)駅前には、YS-11の実物が。
昔見た、羽田空港に発着していたYS-11は、周りの大型ジェット機たちの間では圧倒的にかわいらしかったけれど、近くで見ると意外と大きい。

開演。1曲めは高木綾子のモーツァルト。オケは弦が8-6-4-4-2という小編成。なかなかよございました。つうか、高木さんって結構素晴らしいプレイヤーだったのね、と初めて知った。日本コロムビア専属の美人演奏家ということで、今までまともに聴く気が起こらなかったのだが、この人は本物の「音楽家」だ。
プロフィールをよくよく読んでみたら、管打楽器コンクール第1位、日本音楽コンクール第1位なんて、並の演奏家のキャリアではない。己の不明を恥じました。
「美人」かどうかはまあ、人それぞれの好みもあろうと思うが、ワタシ個人としてはこういう顔の女の人はちょいと苦手。でも笑った顔はかわいいです。

休憩後のマーラー5番。冒頭、首席奏者高橋敦氏のトランペットが見事に決まり、一気にマーラーの世界に引き込まれる。そう、こうでなくちゃ!
都響のマーラーは、過去10年間でインバルとベルティーニによる交響曲全曲サイクルを二度も聴いているけれど、改めて聴くとやはり、こなれ方というか、響きの作り方への確信のようなものが格別だ。
スコアに指示されている「木管のベルアップ」なんかも、ここまでやってくれるオケはなかなかないだろうと思う。視覚的にも、見物だった。
今日は、若杉さんの説明過多でテンポがいまいち安定しない振り方が少々気になったけれど(^^;、遠くまで聴きに来た価値はあった。

第4楽章、美しいアダージェットの真っ最中、かなり大きな地震(震度4~5だったらしい)。演奏は特に中断することなく続行。
フィナーレ(第5楽章)で何か緊張感が途切れたような気がしたのは、地震のせいかそれとも別の要因か。

終演後、西武新宿線で高田馬場に戻ると、JR全線運転stopとの掲示。ありゃりゃ。西武線は何事も無かったように動いているというのに。
地下鉄も止まっているようなので、そのまま新宿に出て、タワレコで少々時間を潰すも(収穫は無し)、運転再開の気配もないので、かろうじて動いていた都営大江戸線経由で帰宅。演奏会が終わったのは5時なのに、家に帰り着いたのは9時半でした。
JR、復旧に時間かかり過ぎ。根性足りねーぞ。

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2005.07.10

モーツァルト・オーケストラ静岡

モーツァルト・オーケストラ静岡 2005演奏会(静岡県コンベンションアーツセンター・グランシップ 大ホール「海」)

モーツァルト/交響曲第31番「パリ」
デュティユー/Sur le meme accord(同じ和音の上に)-ヴァイオリンと管弦楽のための夜想曲(日本初演)
ラヴェル/幻想曲~ヴァイオリンと管弦楽のための(VnとPfのためのソナタ・中原朋哉編)
ラドミロー/交響組曲「ラ・ブリエール」(日本初演)
サン=サーンス/ヴァイオリン協奏曲第3番
 ヴァイオリン:オリヴィエ・シャルリエ
 指揮:中原朋哉

という訳で、○サーチの本番ひとつ蹴飛ばして、静岡に行って帰ってきました。すいません。

なかなか素晴らしい演奏会だったんじゃないでしょうか。
デュティユーの新作の日本初演をアマオケ(実はプロ奏者も結構入っていそうだが)がやってしまおうという、その心意気というかチャレンジがそもそも素晴らしい。演奏もその責に充分足るものだったと思う。
正直、最初のモーツァルトを聴いたところでは、わぁー、モーツァルトって難しいのね、というところもあったけれど(^^;、舞台にシャルリエが登場して2曲めのデュティユーが始まった瞬間から、一気に核心を衝いた音が出てきて、ちょっとびっくり。
この曲は予習をしていないので(CDもたしかまだ1種類しか出ていないはず)、詳しくは判らないのだが、演奏者にすれば「会心の出来」、だったのではないかと想像する。

それにしても、オリヴィエ・シャルリエ、すごいです。
ラヴェルは一昨年の初演でも別のソリストで聴いているけど(今回は改訂版との由)、はっきり言って「格が違う」。
技巧が素晴らしいのは勿論だけど、フレージングの牽引力というのか、フレーズの持続の強靱さが並外れている。
ここまでの強靱さを備えたソリストは、世界中探しても数人しかいないのではないかと思う。

「ラ・ブリエール」も、美しい曲だった。
演奏は、最初おやっという感じだったが、尻上がりに良くなった。
和声や雰囲気的にはフォーレぽい系統ながら、ケルト風味というのか、イギリス民謡調もあるので、ディーリアスとかヴォーン=ウィリアムズが好きな人も気に入るんじゃないかと思う。

さて、今日撮った携帯写真いくつか。

050710a

会場のグランシップが直結しているJR東静岡駅のコンコース。
…無駄に広い(^^;。しかも、人が全然いない。

050710b

会場のグランシップ。
これだと大きさがよく分からないが、正面はともかく、奥行きが相当ある。東京国際フォーラムみたいだ。

050710c

で、ホール内。
で、でかい。(キャパ4600だそうだ)
…これは、チケットの売れ行きが悪いんじゃなくて、会場がでか過ぎるんだと思うぞ。
7~800席のホールだったら、結構満席な感じかもしれない、という客入り。

050710d

終演後のサイン会にて、中原氏とシャルリエ氏。
シャルリエさん、写真より若く見えるかも。アンチャン、って雰囲気。
なんか知らん始終上機嫌で、私もCD(Arte Novaのデュティユー集成3枚組。シャルリエが『夢の木』を弾いている)をロビーで買って並んだのだが、シャルリエの写真がどこにあるか分からなくてブックレットを何回もめくっていたら「ハハハ、ここにいるよ、ここ!」という調子(英語)。

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2005.07.09

ジェラール・プーレ

tirasi540ジェラール・プーレ ヴァイオリン演奏会(Hakuju Hall)

ブラームス/ヴァイオリンソナタ第1番「雨の歌」
クライスラー/ウィーン風小行進曲、羊飼いのマドリガル、シンコペーション、ボッケリーニの様式によるアレグレット、ロマンティックな子守歌、道化役者、ジプシー綺想曲
ショーソン/ヴァイオリン、ピアノ、弦楽四重奏のためのコンセール
 ジェラール・プーレ(Vn)、川島余理(Pf)
 エレオノーレ弦楽四重奏団(岡山潔、服部芳子、川崎和憲、北本秀樹)

素晴らしい音楽会だった。
音が耳障りだったり、奏法とか理屈先行の多い世間にありがちなヴァイオリンとは全く違う。ある意味(クラシックの)サクソフォンのようになめらかで、ストレスのない音色、それでいて言うべきことはばしっと言い、表現されるすべてが核心を衝いていて「ぶれ」がない。
ジェラール・プーレ。伝説のヴァイオリニスト&指揮者(ドビュッシーのヴァイオリンソナタを晩年の作曲者自身のピアノで初演した)ガストン・プーレの子息で、元パリ音楽院教授。フランス・ヴァイオリン界の大御所の一人である。毎年春の京都フランス音楽アカデミーの演奏会で何度か聴く機会があって感心し、数枚のCDを入手して愛聴していたところだ。
最近東京で聴ける機会が増えたと思ったら、この4月から東京芸大の客員教授に就任したらしい。

譜面台を横向きに、ほぼピアノと並ぶように置き、ほとんどピアニストと同じ方向を向いて弾いた。ピアニストの斜め後ろから頻繁に大きなアクションで合図を出す様子は、まるでピアニストにレッスンを付けているかのようだ。
当初2曲めはファリャの「6つのスペイン民謡」が予告されていたのだが、クライスラーに変更になった。そしてこのクライスラーが最高の聴き物だった。これこそが音楽だ、と言わんばかりの確信、と同時に、前世紀の巨匠たちの、あのつまらない欲得を超越した雰囲気をも併せ持っている。
サックス吹き的には、阪やん(故・阪口新氏)以来久々に説得力あるクライスラーを聴いた、という感じ。(但し、晩年の阪やんのようなテクニックの衰えはない。)
プログラムの記載によると、最近クライスラー名曲集のCDを録音したらしい。発売されたら是非聴いてみたいものだ。

…そんなこんな。
「心が洗われるような、」とはこういう感覚を言うのか、という2時間余を過ごした。

そして、明日はオリヴィエ・シャルリエですか。
素晴らしい週末であることよ。
雨が止んでくれるといいんだけど。

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2005.06.30

フォーレの「ペレアス…」日本初演

日本フォーレ協会第XVI回演奏会~フォーレ生誕160年(めぐろパーシモンホール・大ホール)

フォーレ/劇音楽「ペレアスとメリザンド」(1898年初演稿・日本初演)
同 /歌曲集「イヴの歌」op.92

メーテルリンクの戯曲「ペレアスとメリザンド」を題材に書かれた音楽(フォーレ、ドビュッシー、シベリウス、シェーンベルク…)の中で、4曲からなるフォーレの組曲は最も知られているものだろうと思う。
私自身にしても、上記4人の作品中ではフォーレが最も親しみ深いし、日頃聴くことも多い。
今宵は、その原曲の劇音楽版(全12曲)の、日本初演を聴いた。

舞台上の真ん中の通路をはさんで、左手に弦(3-3-2-3-1という小編成)、右手に管のオーケストラ。
戯曲全幕を1時間強の1幕に再構成し、衣装も着けて、演奏会形式のオペラのような雰囲気で行われた。ただしオペラではなくお芝居なので、メリザンドの劇中歌1曲以外は歌は無く、せりふ+伴奏音楽のみ(フランス語、字幕付)。
元の戯曲自体が、全然「ドラマティック」なものではないので、せりふだけで進めるのはちょっと場が持たないところもあったけれど、構成自体はなかなかうまく出来ていたと思う。
オーケストラ(小鍛冶邦隆指揮)は思いのほか良い出来で、小さな編成ながら大編成の組曲版で聴き慣れた部分も巧みにそれらしく仕上がっていて、たいへん楽しめた。といっても、組曲版で使われた以外のナンバーというのは、ほとんどが1分もかからないような小品ばかりなのだが。

後半は、前半でメリザンド役を演じた坂本知亜紀(ソプラノ)の独唱による、歌曲集「イヴの歌」。意外なことにこちらも照明・字幕付き(照明はともかく、歌曲で字幕を使うというのはよい試みだと思う)。後期のフォーレ節(ブシ)横溢の、すばらしい曲だ。
歌手は、プロフィールを見るに、フランス歌曲界の期待の新人、というところのようだが、浜田理恵さんのデビューを聴いた時の衝撃には及ばなかったような。
ともあれ、全体には、知的好奇心、音楽的興味をともども満足させられる、良い演奏会でした。

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終演後のめぐろパーシモンホール・ホワイエを外から望む

しかし、パーシモンとは一体なんじゃらほい。「柿」のことなんだそうだが。
せっかく地名に因んでいるのだったら、素直に「柿ノ木坂ホール」と名付けりゃ良かったのに、と思う。そうすれば「紀尾井ホール」と並ぶ、都内の高雅な名前のホールとなっただろうに。
難しい事情もあるんだろうけれど、最近出来る公共施設のネーミングの訳の分からないセンスには閉口させられる。
かの小澤征爾氏は、「すみだトリフォニーホール」が出来た当時、「なぜ『トリフォニー』などという意味不明の言葉がくっついているのか分からない」と言って、頑として「すみだホール」としか呼ばなかったそうだが、最近はどうなんでしょう。

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2005.06.28

都響【トゥランガリラ】

tirasi539東京都交響楽団 第611回定期演奏会(東京文化会館)

原田節/薄暮、光たゆたふ時~オンドマルトノとオーケストラのための
メシアン/トゥランガリラ交響曲
 ピアノ:野平一郎、オンドマルトノ:原田節
 指揮:井上道義

いやはや、ものすごい演奏会だった。曲もものすごいし。
東京文化で聴く「トゥランガリラ」は、音のリアリティというか、こちら目がけてまともにぶつかってくる響きの威力に圧倒される(さすがに、あまりに長い曲なので途中ちょっと意識を失ったが)。
「がぁーーごぉーーげぇーー、ぱららららら、ひょい~~~ん、きゃこきゃこきゃこきゃこきゃこきゃこ」なんていう感じの音がさっきから頭の中をぐるぐる回っています。
「トゥランガリラ」とは、愛の歌というような意味なんだそうだが、このウルトラ兄弟勢揃いみたいな極彩色の音楽が表現する愛とは、どんな愛なんだろう。誰かが書いていたが(出典を思い出せないのだが)、地球人を救うためにやってきたウルトラマンが、怪獣と戦って地球人の住む家やビルを踏みつぶしてしまうような、超越的な愛、とでも言うのか。
演奏も、これだけエキストラを大量投入した巨大編成ながら、随所で聞こえてくる艶やかで色彩的な音色や、自発的で正確なリズムなど、日頃都響というオケで聴ける長所をちゃんと残していて、感心。

ステージ上の並び方が変わっていて、舞台平面の左手に大量の打楽器群、右手に管楽器群、真ん中に左からVn1、Vn2、Va、ひな壇の1段めと2段めにチェロ、一番上にコントラバスが横1列(10人!)。各群の音色が明確に対比されていて、なるほどと思った。
原田さんのオーケストラ作品というのは初めて聴いたのだが、題名からの印象のとおりの不定形な音楽ながら、オーケストラから出てくる音色のイメージが明瞭に把握されていて、ちょっと驚いた。オンド奏者としては勿論ずっと前から名前を知っていたけれど、ここまでちゃんとした作曲ができる人だとは失礼ながら初めて知った。

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2005.06.25

コルドンブルー

tirasi538暑い。真夏日。どこぞでは37℃とか記録したそうだ。やれやれ。

コルドンブルー室内管弦楽団第3回演奏会を聴いた(目黒区民センターホール)。

ラヴェル/序奏とアレグロ(Hp:岩城晶子)
プーランク/六重奏曲
イベール/モーツァルトへのオマージュ
ラヴェル/組曲「クープランの墓」(全曲版)

アマオケとはいいながら(東工大オケOBが中心とのこと)、フランス音楽好きとしてはなかなか興味をそそられる内容で、本家サイトのトップページでもご紹介していた関係上楽しみに聴きに行ったんだけど、期待は裏切られずなかなか楽しめました。

前半は室内楽。「序奏とアレグロ」はちょっと固くなっちゃったけど、プーランクは聴き物だった。かな~り難しい曲の筈なんだけど、ちゃんとこの曲に聞こえるんだもんな!音ミスはあったけど偶発的なものに聞こえたので問題なし。ピアノはヴィオラの団員の方が弾いたのだが、これがまた只者ではない弾きっぷりだった。

後半はフルメンバー。狭いステージからはみ出そうだ。
注目の全曲版「クープランの墓」。通常のオーケストラ版に入っていない「フーガ」と「トッカータ」を、芸大大学院(作曲)に在学中の飯田未知瑠という人が追加編曲している。
同じ試みとして、マイケル・ラウンドとかいう人の編曲によるアシュケナージ指揮N響のCDがあるけれど、この版をかなり意識しているように聞こえたのは気のせいかな。「フーガ」の色彩感がかなり近いし、「トッカータ」でのカスタネットやスネアを同じ使い方をしていた。しかし私の個人的印象では、今日の版のほうがラヴェルらしさという点でよりしっくり来るように思った。「トッカータ」の結尾の大胆な打楽器の使い方は「ラ・ヴァルス」を思い出させる。
演奏も、勿論技術レベルでは全くかなわないものの、杓子定規でファンタジーに乏しいN響の演奏より今日の演奏のほうが余程面白く聴けた、と言ってしまっては誉め過ぎなんだろうけれども。

何はともあれ、こういう演奏会をやりたい、と考えて、とにもかくにも実現してしまう、というエネルギーは、やはり若さのなせる技だな。
目黒区民センターホールには久々に入った。私の実家からチャリンコで行ける距離にあり、勿論何度も舞台に乗ったこともあるし、少なくとも私が高校1年生の時には既に存在していた(懐かしい)古いホールだけど、その時代のホールとしてはさほど悪い音響ではない。
こういうご近所のホールにふらっと行って、入場無料の催しに気軽に入り、このようにそれなりに質の高い音楽と演奏に身近に触れることができる、というのが「文化」なのだ、と思ったことだった。

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2005.06.23

フレンチ三昧

tirasi537室内楽フェスティバル・フランスの若き巨匠たち~木管楽器とピアノによる(カザルスホール)

プーランク/フルートソナタ、クラリネットとバスーンのためのソナタ
ドビュッシー/クラリネットとピアノのための第1ラプソディ
ドヴィエンヌ/チェロとバスーンのためのデュオ・コンチェルタントop.3-2、同op.3-5
コネッソン Guillaume Connesson(1970- )/フルート、クラリネットとピアノのための「テクノパレード」
ビゼー/「アルルの女」より(木管四重奏版)
サン=サーンス/デンマークとロシアの旋律によるカプリス(Fl、Ob、Cl、Pf)
オーリック/三重奏曲(Ob、Cl、Bn)
プーランク/オーボエ、バスーンとピアノのための三重奏曲

どうですかこの曲目!急に思い立って行ったコンサートだけど、大正解だった。
東京日仏学院の主催で、出演者はほとんど全員70~80年代生まれのフランスの若手ながら、フランクフルト・オペラ首席(Sarah Louvion, Fl)、ロンドン響副首席(Jerome Conte, Cl)、ストラスブール管首席(Sebastien Giot, Ob)、ロワール管首席(Gaelle Habert, Bn)といった具合に、既に第一線で活躍中のプレイヤーばかり。

プーランクの「トリオ」は、10月に私もサックスで吹こうとひそかに予定しているので(一昨年1楽章をやったので、今年は2、3楽章だ!)、一度聴いておきたかった。
ファゴットで聴いたことはあったけど、フランス式バソンでの演奏を生で聴くのは、初めて。…なるほどねぇ。
それにしても、なんという、幸福感が炸裂するような音楽だろうか。世界中の幸せや楽しさを一身に引き受けたかのような。
「アルルの女」は、解説が全曲分書いてあったので、うぉ、4人で全部やっちまうのか、と身構えて聴き始めたら、前奏曲の前半だけでおしまい(^^;。ちょいと拍子抜け(その部分の限りではかなり巧みな編曲ではあったが)。
…1曲1曲書いていったらきりがない。極彩色の音たちが花火のように飛び交い、明滅するような、フランス管楽器音楽の醍醐味を存分に味わいました。

ドビュッシーのプルミエ・ラプソディで、波うつオーケストラの響きのような素晴らしいピアノを弾いた、Juliana Steinbachというピアニストの名前は覚えておこうと思った。

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2005.06.15

都響【6月B定期】

tirasi536東京都交響楽団 第610回定期演奏会(サントリーホール)

董立強(ドン リーチャン)/ディスタンス
モーツァルト/ピアノ協奏曲第21番(ピアノ:コルネリア・ヘルマン)
プロコフィエフ/古典交響曲(交響曲第1番)
チャイコフスキー/幻想曲「フランチェスカ・ダ・リミニ」
 指揮:李心草(リー シンサオ)

1971年生まれの中国の若手指揮者、李心草の初客演。遠目にはのび太くん風のトッチャン坊やで、高関健のドラえもんとコンビが組めると思う(^^;。それはいいとして。
1曲めはノーコメント。いかにも、って感じの現代音楽。
ピアノのコルネリア・へルマン、ザルツブルグ生まれだそうだがあきらかに東洋系の顔立ちで、写真より実物の方がずっと美人です。モーツァルトにふさわしい優しいタッチと美音だったけれど、しかしよく眠れたわ(^^;
今日一番の聴き物は、休憩後の「古典」だった。先日オルフェウス室内管の物凄い演奏を聴いたばかりだったので分が悪いかなと思っていたが、われらが都響もどうしてなかなかのもの。1、2楽章はさすがにオルフェウスとは違って、16型の大編成による堂々としたスタイルだったけれど、フィナーレの鮮やかさなんか負けてはいない。
最後は「フランチェスカ・ダ・リミニ」。生では初めて聴く曲だ。熱演ではあったが、何を言いたいのかいまひとつよく分からないまま終わってしまったような。部分的にはとてもいい響きが聞こえるんだけど。曲のせいかな。正直なところブルックナーにかぶれたチャイコフスキーみたいな曲で、あまり私の好きなタイプではない。

いろいろ言ったけれど、それでもやはりオーケストラを聴くのは楽しい。吹奏楽やサクソフォンを聴くのと、脳の反応する部分が違うような気がする。
逆に、吹奏楽やサクソフォンで、オーケストラを聴くときの反応を感じるような、そんな演奏を聴きたいものだと思う。

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2005.06.09

Keiji & Yoshiki

tirasi535Keiji & Yoshikiのおしゃべりコンサート Vol.4(かなっくホール)

プラッティ/ソナタ ト長調
ダンディ/コラール・ヴァリエ op.55
ドビュッシー/ラプソディ
ヴィラ=ロボス/ファンタジア
メンデルスゾーン/ピアノ三重奏曲第2番より
 宗貞啓二、大森義基(Sax) 渡辺麻里(Pf)

久しぶりだな、この雰囲気。典型的にそれらしい曲目のサクソフォンの演奏会、学生さんで一杯の若い客席、あっちにもこっちにも知り合いの顔(しかも、何年かぶりに顔を見たような方もいたし)。
ひところは月に一度くらいの割でこういう場に身を置いていたような気がするが。

お二人のサックスの音は、オケの演奏会とかでなにげに聴く機会が多いけれど、ソロをちゃんと聴くのはこれまた随分久しぶりのような気がする。宗貞センセの音ってこんなだったかなあ?たぶん、時代とか、聴く耳がちょっとずつ変わってきているんだろうな。音は世につれ、というか。でも、じっくりと歌う実の詰まった響きは、さすが説得力がある。
大森さんの音は、フルモーに似ている。明るくて艶やかな音色もそうだし、細部が吹き飛ばし気味なところも(ヴィラ=ロボスで顕著。フランス人の演奏は概してそういう調子だが)。
なんとなく、80年代の音と90年代の音、というイメージが浮かぶ。そんなことを考えながら聴いていた。
おしゃべりコンサート、ということで仕方ないけれど、それにしても(特に前半)話が長くて、ちょっと参ったが。

メンデルスゾーン、良い曲だな。1番のトリオは知っていたけど、2番は初めて聴いた(今日は楽章2つの抜粋)。
一瞬微妙なフランス風の和声もあったりして、面白そう。CD探してみようっと。

…休憩時間にロビーの自動販売機でコーヒーを買ったら、そのへんにいた女子高生らしき集団に一斉に「こんにちは~」「こんにちは~」、と声をかけられた。
はて、誰だろう?とりあえず「あ、こんにちは」とか返しておいたけれど、うーむ思い出せないぞ。「あなたたち誰ですか?」、って聞くのもマヌケだし。たぶん○ロート絡みだろうと思うけど。
もし、これを読んでいる当事者の方がいらっしゃったら、こっそり教えてください。

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2005.06.08

オルフェウスを聴く

tirasi534オルフェウス室内管弦楽団 東京公演(サントリーホール)

シベリウス/組曲「ペレアスとメリザンド」より
プロコフィエフ/古典交響曲(交響曲第1番)
ベートーヴェン/ヴァイオリン協奏曲(Vn:ジョシュア・ベル)

4年ぶりに聴いた「元祖・指揮者なしのオーケストラ」オルフェウス。
いやはや、巧いもんです。
「古典」のフィナーレの超絶技巧を、全く乱れを見せず鮮やかに(しかもおっそろしい急速テンポで)弾いてのけるかと思うと、1曲め「ペレアスとメリザンド」やアンコールのバルトーク「ルーマニア民俗舞曲」(アンコールでこれを全部聴けるとは思わなかったぞ)では、おおっと思うような大胆なアゴーギグの変化をぴたっと揃えてくる。
百人のフル編成オケならともかく、このくらいの(30人位)編成を指揮者なしでまとめるのは、実のところ予想するほど困難ではないのだが、オルフェウスの凄いところはただ揃っているだけではなく、まるで指揮者がいるような有機的で面白い表現が出来るところだ。
これは各プレイヤーがプロフェッショナルに完成された技術と自発性と、同時に全体を見通す洞察力と協調性を完全に兼ね備えていなければ、不可能なことです。
私自身、アマチュアとはいえ十数人編成の指揮者無しアンサンブルで演奏している身として、大変参考になった。

そういや4年前の時は、ブランフォード・マルサリスがソリストで、イベールのコンチェルティーノ・ダ・カメラを演奏したんだったっけ。ちょうど私自身がこの曲(イベール)を吹くという騒動の真っ只中のことで、指揮者なしでこの曲が出来てしまうということに心底驚いたものだった。…いや~そんな事もありましたなあ。

「ペレアスとメリザンド」が5曲の抜粋だったのが、ちょっぴり残念(オリジナルの組曲は8曲)。コーラングレの音色や全体の(小編成ならではの)ひそやかな感じがイメージにぴったりだっただけに、「間奏曲」で威勢よく終わっちゃった(メリザンドが死なないまんま幕)、というのは、うーむ…

書き上がったのはもう1時間以上前なのだが、サーバーが混んでいてココログに全くアクセス出来ず、こんな時間になってしまった。眠いじょ。
夜中零時頃はどこのサイトも混んでるけど、特にココログはここ連日、この時間帯はブログに接続するまでに5分も10分も待たされたり接続出来なかったり、という状態が続いている。なんとかしてくれえ。

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2005.06.05

楽友協会【三角帽子】

tirasi533土曜日。父の見舞い等で1日飛び回った末、夕方は桜木町の神奈川県立音楽堂へ。

横浜楽友協会吹奏楽団 第27回定期演奏会
メンデルスゾーン/吹奏楽のための序曲
ネリベル/2つの交響的断章
ファリャ/バレエ音楽「三角帽子」(メゾソプラノ独唱:池田香織)
 指揮:小田野宏之

見てのとおり今回もまた、アマチュア吹奏楽団としては最上に充実した活動とコダワリの成果を、惜しげもなく開陳していた。普通「三角帽子」の全曲(組曲ではなく。40分近くかかる)なんか吹奏楽でやろうと思うか。今回なめら~か看板嬢のN子さんもトラで乗っていて、舞台上知り合い率も益々up。
その「三角帽子」、全曲演奏の前に、全幕のおよその筋書きを影絵+ピアノ独奏によるサワリ演奏+ナレーション(要は音楽付き紙芝居ですな)で上演、という試みをしていて、これが(予想外に)大変見事な出来ばえで、非常に面白かった。あとの演奏無しでも充分出し物として通用するくらいだ。
しかし「三角帽子」って、それこそドリフのコントみたいなドタバタ喜劇だったんですね。鳥に時の数え方を教えるくだりなども、ああ、全曲版のこの部分の音楽はこれだったのか、と納得。

演奏も勿論、この1回に賭ける熱気を孕んだ気味の良いもので、楽友協会の演奏としての水準はさすがにきちんと確保しているんだけど、今回曲目が(特に前半)私の個人的にコダワリの曲だっただけに、言えば言いたいことは色々ある。各ソロの担当者はもっと音楽的に聴かせて欲しい、とかね。よく揃って整った合奏の響きの中から、音楽的に掘り下げの浅いソロが浮かび上がって来るというのは、正直かなり興醒めな事態だ。そんな中ではコンマスKさんのソロはさすが聴かせるものがあったが。
…まあ、これは畢竟個人の資質の問題なので、難しいのは判るんですが。

ちょうどホールにいる間に土砂降りの雨(夕立?)があったようだ。帰る頃には止んでいた。

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2005.06.04

日本フィル【火の鳥】

tirasi532日本フィル 第570回定期演奏会(サントリーホール)

北爪道夫/様々な距離(委嘱作品・初演)
モーツァルト/VnとVaのための協奏交響曲
ストラヴィンスキー/バレエ音楽「火の鳥」(1910年版全曲)
 指揮:沼尻竜典

後半の「火の鳥」だけ当日券で聴いた。
日フィルには「ビジネスマンの得券」という、開演した後に当日券を買うとチケット価格が2ランク下(-1500~2000円)になるという割引制度があるのだ。都響にも「おそ割」という似たような制度があるけど。
沼尻=日フィルは4月にみなとみらいでフランス物プロを聴いてこれがなかなか良かったので、ちょっと期待していた。今回も繊細で丁寧な演奏で好ましく思ったが、曲が曲だけにもっと濃厚にやらかしてくれちゃっても良かったような。ちょっと曲を長く感じさせる演奏だったかも。

それにしても、日本フィル、今まで私が聴いた範囲では「勢い命」、みたいなノリの演奏が多かったけれど、少しずつ変わりつつあるかも。よい変化であってほしいです。
しかし沼尻さんって、1964年生まれってことは、私より年下なのね。随分前から第一線で活躍している方なので、もっとベテランのように思っていたんだが。
というか、自分が歳とったってこと?

帰宅してからは、明日の予習にファリャ「三角帽子」のCDを聴いた。
エルネスト・アンセルメ指揮スイス・ロマンド管弦楽団(LONDON)。

cd042

1961年録音。初演者アンセルメによる、定番的名盤。実に久々に聴いたCDだったが(1年や2年ぶりどころじゃないと思う。K30Y1581という型番。たしかまだ時代が昭和だった頃に買ったものだ)、鮮やかで生き生きとした音響、あまりに堂に入った棒さばきぶりには新鮮な感動を覚えたのだった。
正直なところ、アンセルメの例えばドビュッシーやラヴェルの録音は、この先もう一生聴かなくても全く困らないと思うけれど、この「三角帽子」、あとグラズノフの「四季」とかいくつかのバレエ音楽は、別格だと思える。

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2005.05.30

新日本フィル【ショスタコーヴィチ】

tirasi531新日本フィル 第386回定期演奏会(サントリーホール)

モーツァルト/交響曲第35番「ハフナー」
ショスタコーヴィチ/交響曲第8番
 指揮:シュテファン・ザンデルリンク

先日の音の輪でお世話になった渡辺センセ大活躍の予感、ということで、楽しみにしていた。土砂降りの雨の中サントリーホールへ急ぐ。
指揮のザンデルリンクは、ラドミロー作品集(Pierre Verany)やゴセックの交響曲集(ASV)といったマイナー作曲家のCDの素晴らしい演奏で、実力の程は確認済。

それにしても…新日本フィル、いつの間にこんなに上手くなったんだぁ?とびっくり。
最近聴いたのは2月の都民芸術フェスティバル(井上ミッチーのショスタコ11番)だし、定期を聴くのは1年ぶり位だが(その時も上手いとは思っていたが)、ぴたっと揃って豊かに鳴る弦といい、隙が全く無く純正に響く管といい、明らかに一皮むけた音というか、従来の印象から一段も二段も上のステージをクリアしている、という感じだった。
会場で遭った、新日オッカケSax吹きのK嬢にそう言ったら、「いやぁ~だってシゴかれてますからねえ、」と言ってたけど。やはり(デュトワ時代初期のN響のように)音楽監督効果、かしらん。

狼藉の限りを尽くすような壮絶なショスタコーヴィチ、最後の不思議に平静な謎めいた終止の後、30秒近い?長い沈黙が印象的。3月に都響で聴いた時(ベルティーニの追悼公演)より長かった。

終演後は、K嬢といろいろ業界話などしながら、地下の楽屋口で渡辺センセを待ってみたが、なかなか現れないので結局そのまま帰りましたとさ。

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2005.05.25

都響【バーバー】

tirasi530都響・東京芸術劇場シリーズ「作曲家の肖像」
Vol.56 サミュエル・バーバー

オーケストラのためのエッセイ第2番
弦楽のためのアダージョ
ヴァイオリン協奏曲(Vn:渡辺玲子)
ノックスヴィル、1915年夏(Sp:野田ヒロ子)
交響曲第1番
 ジェイムズ・デプリースト指揮 東京都交響楽団

いい演奏会だった。
こういう清々しい気分のなか終わった演奏会というのは久しぶりかもしれない。何の悩みもなく過ごしていた子供時代の、楽しくまた輝かしい休みの1日の終わり、みたいな。
バーバーの音楽をまとめて聴く機会なんて普段はまず無いけれど、いざこうやって聴いてみると、バーバーという人が音楽にこめた、憧れとか癒しとかノスタルジーという感情がとってもよく判る。勿論演奏も素晴らしかった。特に、ヴァイオリン渡辺さん、見事なオーボエソロを吹いた本間さん、そして都響弦軍団、何よりもマエストロ・デプリースト、Bravo!
お客さんも意外とよく入っていて、めでたし。アンコールに、歌劇「ヴァネッサ」間奏曲。

それにしても今日のような日は、普段、自分が音楽を聴いた後に、いかに言わずもがなのことばかり喋っているかということに思い至って(私ばかりじゃないんですけどね。ネット上を探ってみると、そういう方、いっぱいいらっしゃいますが)、ちょっと反省することだった。

私も、聴く人にこういう音楽を分けてあげられたら本望だな、と、アマチュア音楽家の端くれとして思う。


思い出したので、追記。
バーバーの音楽のノスタルジックな感じということでは、私自身も以前、こんな文章を書いていました。
今年の1月14日のエントリー

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2005.05.21

フォーレで暮れた1日

tirasi529なめら~かの練習の終了後の夜、堀江真理子さんのピアノリサイタルを聴いた(カザルスホール)。
曲目は全てフォーレ。

 舟歌第1番op.26
 即興曲第2番op.31
 夜想曲第5番op.37
 舟歌第3番op.42
 夜想曲第6番op.63
 ヴァルス・カプリス第2番op.38
 夜想曲第7番op.74
 舟歌第6番op.70
 主題と変奏op.73

1993年から95年にかけて、フォーレの全ピアノ曲・室内楽曲のコンサートを8回に分けて開催した(私は全部行きました。あれからもう10年も経つのか…)、堀江さんの久々のソロリサイタル(最近CDも出したようだ)。しかも会場がこれまた久々のカザルスホールということで、行ってきた。
カザルスホール、何年ぶりに入っただろう。1年や2年じゃ済まないと思う。ひところは年に10回以上通ったことだってあったのに。この間にホールのオーナーが交代して名前はいつのまにか「日本大学カザルスホール」に変わり、隣にあったお茶の水スクエアの豪華ビルは跡形もなく取り壊されて、駐車場になってしまった。

開場前から並んで、以前からのお気に入りの上手側バルコニーに席を取る。ホールの周りは随分と変わったけど、中は昔のままで、ホッとした。
演奏自体はいろいろあったけれど、とにかくこのホールのバルコニーで聴くピアノの音は、本当に美しい。ピアノに限らないが、東京のあらゆるコンサートホールの中で、最も豊穣で幸福感にみちた響きを聴ける場所のひとつだと思う。…十数年の昔、須川さんがここでリサイタルをした時、「是非バルコニーで聴いてね、」とご本人に直接言われたことを思い出した。
アンコールは「無言歌第3番」。


私のお気に入りの、フォーレのピアノ曲のCDを挙げてみます。

cd038

フォーレのピアノ曲集だったら、全集選集こきまぜて色々な方が録音しているが、第一に挙げるなら、長いこと幻の名盤と言われた、フォーレのスペシャリスト、ジェルメーヌ・ティッサン=ヴァランタン(1902~1987)の録音でありましょう。20世紀前半の時代の空気を知っている方々に共通する、ある種の味わいを濃厚に感じる。
TESTAMENTから復刻されている仏デュクレテ・トムソン原盤の3枚のCDは、1950年代の古い録音だが、ここで挙げる、ヴァルス・カプリス(4曲)、即興曲(6曲)、8つの小品が入っている1枚は、れっきとしたステレオ録音。

cd039

あのナディア・ブーランジェの後を受けてパリ音楽院の教授となり、晩年には東京芸大の客員教授を務めた名匠、アンリエット・ピュイグ=ロジェ(1910~1992)が1982年、日本で録音したCD。
「ドビュッシー&フォーレ・ピアノ作品集」というタイトルの、一見ありきたりの名曲集に見えるし、フォーレは4曲しか入ってないけれど、これはただごとではない素晴らしいアルバムだ。凛とした気品、透徹した音色。これほど「癒される」音というのは、ちょっとない。
Sony Record / SRCR1845という型番(97年6月発売となっている)。1枚千円の廉価シリーズでの再発売盤。今でも手に入るものかどうかは知らない。もし入手出来たらラッキー。一生幸せになれます。

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2005.05.19

都響【復活】

tirasi528ここのところずっと忙しかったが、やっと少し早く帰れた。都響第608回定期を聴くため東京文化会館へ急ぐ。
東京文化、サントリーと2日続く5月の定期公演の初日、新常任指揮者ジェイムズ・デプリーストの就任披露演奏会。

曲はマーラー「復活」。
広いステージを一杯に埋めつくしたオーケストラと合唱(晋友会)、客入りも良く、都響の新時代の始まりにふさわしい演奏会となった。
若い頃の小児麻痺の後遺症で、電動車椅子に乗ってステージに現れるマエストロ・デプリースト(思わず「サンダーバード、」という連想)。巨体を黒いガウンのような衣装で包んだ姿は、棒を振るボブ・サップという印象だけど(^^;、必要最低限の動きしかない簡潔な指揮ぶりから流れ出るその音楽は実に泰然として、自在だ。そうしようと思えば幾らでもドラマチックに演出できる曲なのに(実際そういう演奏も聴いたことがあるけど)、決してそうはしない。遅い部分の、各駅停車の旅のようなゆったりとした進行に身を任せながら、いつの間にか、曲自体の持つ巨大で崇高な世界へと惹き込まれてゆく。演奏している、というより、音楽を「解き放っている」、という言葉がふさわしい印象。指揮者というより、この特別な場を統べる司祭、のような雰囲気を漂わす。
終わってみれば何か目頭の熱くなるような、感動的な音楽に触れた、という実感が残った。

都響というオーケストラも、ここ1年くらいは困難な時期が続いているだろうに、ものともせずに良い音を出していると思う。今日だって(トランペットのトップはエキストラで残念だったけれど)、特に弦なんかは、ここぞという場でああいう音色でパッと揃って弾いてくるんだもの。いや~、痺れちゃいます。

2階席のサイドに、修学旅行か何かの団体のような高校生らしき集団(見たところ100人近く)が座っていて、演奏中騒ぎやしないかとちょっと心配だったが、全然そんなことはなく、長い曲の間も集中して聴いていたようだ。
若い彼らにとって、今日の演奏会が音楽とのよい出会いでありますように。…

終演後は定期会員対象のパーティがあったようなのだが、私はもともと明日のサントリーを聴く筈だったので申し込んでおらず、真っ直ぐ帰った。というか、こういう音楽を聴いた日は終わった後あまり人と話したくない、というのはある。


今日の演奏会場で知ったニュースだが、ジャン・フルネがとうとう現役を引退するそうだ。
…老いというものは誰しも避けがたいもので、致し方ないという感はある。
引退公演となる12月の二夜の都響定期は、絶対聴き逃せないぞ。

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2005.05.14

ユース

tirasi527今日はいろいろあって休日出勤した後、古巣のユース・ウィンドオーケストラの定期演奏会へ(ハーモニーホール座間)。
5時半に仕事終わらせて行くには相武台前はちと遠い。小田急線にこんな長いこと乗ったのは久しぶりだったが(25年前学生だった頃は毎日乗ってたが)、下北沢から新百合ケ丘まで全部通過する「快速急行」なる電車が走ってたり、成城学園前が地下駅になってたり(@_@)、驚くこと多し。

会場に着いた時には1部最後の「オセロ」(A.リード)の途中だった。このホール、アンコンで何度か舞台に乗ったことがあるけれど、辺鄙な場所にあるのが難点だが音はとてもいいホールだと思う。ユースの演奏も、ホールのせいも少しはあるだろうがとても良い音が出ていて、私がここを辞めた後聴いた中では一番に近いサウンドだったのではないか。
2部あたまのネリベル「交響的断章 A Symphonic Movement」は圧巻だった。熱気と集中に溢れ、サウンドの組み立てもいつになく完成度が高かった。もともと指揮者の鎌田さんはプロのオケマン上がりで、音楽性はそんじょそこいらの吹奏楽指導者とは隔絶したものがあるのだから、楽団の側に完成された響きが備わって来ればこれは強いぞ。楽しみだ。

メインプロは天野正道の交響組曲「海のオーロラ」。最近流行りの作曲家だが、ああ、なるほど、今の吹奏楽界ではこういうのが受ける訳ね、と思った。…たしかに面白い曲には違いないし、一見いろいろ変化に富んだ曲に見えるのだが、25分もかかる演奏時間の間、音楽の「濃度」がずーーーっと同じなので、聴いてるとなんだかだんだん退屈してくるのだった。
まあ、この濃度が好きな人にとっては、たまらないんでしょうな、きっと。

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2005.04.22

シーズン開幕#都響

tirasi526都響の2005シーズン定期の開幕は、飯守泰次郎指揮によるワーグナー「ニーベルングの指環」ハイライトでした(サントリーホール)。

「ラインの黄金」~序奏、ラインの乙女たちと指環強奪
「ワルキューレ」~ワルキューレの騎行、ヴォータンの告別と魔の炎の音楽
「ジークフリート」~愛の二重唱(フィナーレ)
「神々の黄昏」~夜明けとジークフリートのラインの旅、ジークフリートの葬送行進曲、ブリュンヒルデの自己犠牲と終曲

ワグネル・マスター飯守の熱演に、ブリュンヒルデ緑川まり、ジークフリート成田勝美、ヴォータン長谷川顯、アルベリヒ島村武男と、飯守ワーグナーではおなじみのソリストの豪華顔ぶれ。最近珍しく全席完売の客席の華やぎも、シーズン開幕にふさわしい。
今日は声楽陣は皆調子が良かったようだが、こう並ぶとやはり、緑川さんの声というか実力が頭一つ図抜けている、という印象。オーケストラも、音はまあ都響なのでちょいと軽いけれど、ある意味模範的なそれらしさだった。
しかし飯守さんって、こんなに細かく丁寧に振る人だったっけ?ちょっとイメージと違ったような。

さすが「指環」、ハイライトでも終演が9時20分近い長丁場だった。

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2005.04.21

東京混声合唱団第200回定期

tirasi525東混を聴いてきました(東京文化会館小ホール)。
ワタシゃ合唱に関してはほとんど門外漢だし、この東混にしても、オーケストラのコンサートのゲストで出演している以外で聴いたことはなかったけれど、今回の曲目にはビビビと来るものがあって、時間があれば是非聴きたいと思っていたのだ。

「フランス合唱音楽の系譜」
●ルネサンスのシャンソン
G.コストレ/いとしいひとよ、見にゆこう
P.パスロー/うちの亭主はお人好し
C.ジャヌカン/鳥の歌
P.セルトン/ラララ、それは言えない
●バロックの宗教音楽
G.ブジニャック/アヴェ・マリア
A.カンプラ/ミサ曲「大いなる神の栄光に」
●近代から現代へ
G.フォーレ/ジャン・ラシーヌの讃歌op.11*
C.ドビュッシー/シャルル・ドルレアンによる3つのシャンソン
C.サン=サーンス/夜の静けさop.68-1
D.ミヨー/平和へのカンタータop.166
L.ブーランジェ/野の夕べ*
I.クセナキス/誓い[オルコス]
 指揮:ドゥニ・デュペイ ピアノ:斎木ユリ*

見てのとおり、400年以上の時代をカバーする、フランス合唱音楽の歴史を辿る見事なプログラム。
指揮者は、トゥールーズ・キャピトル劇場合唱指揮者、ラジオ・フランス合唱団音楽監督などを歴任した仏合唱界の重鎮、とのこと。
実際、たいへんに感銘を受けた演奏会となった。32人編成の鍛えられた人声による、これぞプロ!という演奏を堪能した。

400年以上の時代を隔てた音楽ながら、こうして並べて聴くと、結果的に立ち現れる響きにはどれも、何か同質性が感じられるのだった。(今日のプログラムには無かったが)私の好きなプーランクの無伴奏合唱曲なんて、クレマン・ジャヌカンのシャンソンのまさに隣にいる、という印象。最大で16声部に分かれ、グリッサンド、トレモロ、無声音など現代的な技法を駆使したクセナキス作品も、表面の難解さをかいくぐって響きの根幹に近づいて行くと、そんな感じがするような。

フォーレの「ラシーヌ讃歌」、懐かしいな。高校2年生の時に買ったフォーレの「レクイエム」のレコード(フレモー/モンテカルロ)の、余白に入っていた曲だ。「フランス音楽の響き」というものの典型というか、エッセンスとして自分の中に刷り込まれた音楽。(このことについては、いつか時間のあるときに書いてみたい。)
最大の聴き物は、フォーレのメロディでお馴染みのアルベール・サマンの詩による、リリー・ブーランジェの「野の夕べ」Soir sur la plaineだった。圧倒的にユニークな才能によって描かれた、真実の美の世界。作曲者19歳の時の作品だそうだが、同年代の頃のドビュッシーなんか問題にならないほどの物凄い美しさ、大変な才能だと思った。
もしこの人が24歳で夭折せずに長生きしたら、いったいどういうことになっただろうか、と考えてしまった。

650席の会場に、客入りは8割ほど。終演後は、非常に熱く熱心な拍手がいつまでも送られた。聴いてよかった。

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2005.04.16

ユトランディア・サクソフォンクヮルテット

tirasi524昼間、恒例の父の見舞いに行った後、夜は調布へ出てJutlandia Saxophone Quartet(デンマークのサクソフォン四重奏団)を聴いた。(調布グリーンホール・小ホール)
プログラムやチラシでは「ジョットランディア・サクソフォンカルテット」となっているが、「ジョットランディア」はいくらなんでも違うだろうということで、タイトルの表記としました。
フランス以外の外国からSaxカルテットが来日するというのは最近(最近でなくても)たいへん珍しいことだ。愛知万博のデンマーク・ナショナルデーに招待を受けての来日に伴う、東京での2回の演奏会の初回。

J.リヴィエ/重くそして快速に(Grave et Presto)
久田典子/ Movement for Saxophone and Piano*
ブラームス/ハイドンの主題による変奏曲op.56
ニールセン Svend Hvidfelt Nielsen /夜に向かって(Towards the Night)*
ピアソラ/組曲
 *ピアノ:富永綾(デンマーク王立音楽院嘱託伴奏員)

我々の耳からするとなかなか不思議な雰囲気の演奏というのが第一印象。「歌い上げる」とか「鳴らす」というより、音を線状に「置いていく」と言うか、最初のリヴィエ(『重くそして快速に』という邦題は初めて見たぞ。「そして」ですか、)を一聴した時点では、巧いけれど(私がこれまでCDで聴いたことのある、New Danish四重奏団とかコペンハーゲン四重奏団とか、他のデンマークのカルテットに比べたら、技量は上だ)繊細なのか大雑把なのかよぉ判らんという感じ。
感性というか、音楽づくりに際して留意している部分とか音楽を見る角度が、私たちとは微妙に違うんだろうな。少なくとも聴き慣れた(日本やフランスの)サクソフォン四重奏とはちょっと違う趣だ。4人がほとんど円形に内側を向いて並ぶ配置とか、残響のほとんどない(練習室みたいな)ホールの響きのせいもあるだろう。
プログラムが進むにつれてだんだん慣れてきて、最後のピアソラは熱気あふれる演奏で惹き込まれた。

ぜんぜん宣伝とかしている様子でもなかったのに、会場は普通のおじさんおばさんとか、いつもとはちょいと違う客層で結構賑わっていた。どうやって集客したのかな。皆さんそれなりに楽しんでおられた様子で、なにより。
アンコールにやはりピアソラぽい曲を1曲吹いて(なかなか見事だったが曲名が分からない)、大喝采を浴びていた。

会場でCDを売っていたので購入。

cd028

それにしても、巨体な方々だ。なんだかバリサクが妙に小さく見えることで…(^^;
会場でmckenさんにお逢いしたが、やはりCDを買っておられたので、CDの感想はそのうちそちらにupされるのではないかと。
(後記 CD聴いてみた。なかなか良いです。ていうか、今回のコンサートみたいな響きの全然無いホールでは、真価は判りませんわな)

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2005.04.13

村治佳織さんを聴いた

tirasi523村治佳織 ギター協奏曲の夕べ(東京芸術劇場)

ベルリオーズ/序曲「海賊」
ヴィラ=ロボス/ギター協奏曲
ラヴェル/亡き王女のためのパヴァーヌ(R.Dyens編・ギター独奏版)
ラヴェル/亡き王女のためのパヴァーヌ(管弦楽版)
ロドリーゴ/アランフェス協奏曲
リムスキー=コルサコフ/スペイン綺想曲
 村治佳織(Gt)
 小泉和裕指揮 東京都交響楽団

都響の演奏会場で前売券を扱っているのをたまたま見つけて買ったチケット(主催は都響ではなく朝日新聞社)。
全席完売の大入りで、さすがの村治さん人気。ステージ後方には、華道家假屋崎省吾氏の作になる、オルガン席まで届く高さ5m以上の巨大な、まるで岡本太郎が描く鶴のような、花をあしらった一対の爆発状のオブジェが鎮座して、曲によって少しずつ異なる照明を当てられているという、不思議な雰囲気の舞台。

村治さん、実は初めて聴いたんだが、なかなか巧いもんですね。
今までにオーケストラのコンサートで何度か「アランフェス」を聴いたし、某リサーチでは荘村清志さんの伴奏に乗ったこともあるんだけど(実は)、ギター弾く人って何て言うか、ギター特有のテンポ感というか、リズム的な癖があって、オケと合わせると結構スリリングな事態になることが多いのに、ぜんぜんそういう感じがしなかった。新世代の演奏家だな。
さすがに芸劇で生ギターは音量的に厳しいので、マイクを1本立てて、ソリスト雛壇の足元に小さなスピーカーが3台。私の席(2階3列め)ではたいへん自然なバランスと音場感で聞こえていた。

しかしギターのソロって、何とも言えないメランコリーというか、郷愁を誘うというか、そういうものがありますね。ヴィラ=ロボスの2楽章なんか、まるで吟遊詩人がひとり訥々と語るような風情があって、2000人の客が入っているこの広大な池袋体育館の無粋をひととき忘れるようなsaudadeな雰囲気があった。
隣の席では連れが居眠りしてたけど(^^;。

「パヴァーヌ」は、オケも指揮者もソリストも全員舞台の上でスタンバイした状態で、ソロ版とオケ版を休みなく2曲続けるという趣向だった。音出しを全然出来ないままいきなりソロを吹かされるホルン奏者の方にとってはさぞかしプレッシャーだっただろうと思う。今日のソロホルンは笠松さん。さすがに冒頭だけ少しかすったけど、あとは完璧だった。
最後『スペイン綺想曲』。小泉さんらしい模範的な華やかさで、すっきりと終演。

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2005.04.09

春たけなわ

050409いい天気だ。桜があちこちで満開。

実家の近くの行きつけの床屋へ行き、散髪。
途上、私が卒業した中学校の前を通った。
30年前、その中で学校生活を過ごした校舎。当時から結構古めの建物だったけれど、まだそのまま建っている(これより新しかったはずの高校の校舎は、とっくに建て替わった)。
なんだか時間が止まっているような、不思議な感じ。
(つうか、耐震強度とかは大丈夫なのか?)

tirasi522夜は桜木町にて、私の古巣バンドで同じSaxパートだった(私の在籍当時はまだ大学生だった)知人の結婚披露パーティがある。先月20日のコンクール打ち上げの席上、急遽誘われたのだ。
夜8時開宴とのことなので、その前に会場のすぐ近くのみなとみらいホールでの日本フィル演奏会を聴くことにした。こちらは6時開演。終わってタクシー飛ばせば間に合うかな、と。
そうまでして聴きたかったというのは、こういう曲目。

ベルリオーズ/序曲「ローマの謝肉祭」
ラヴェル/マ・メール・ロワ(全曲)
フランセ/クラリネット協奏曲(Cl伊藤寛隆)
ラヴェル/ラ・ヴァルス
 指揮:沼尻竜典

なんといってもフランセのコンチェルト。しかも伊藤さんだし。
伊藤氏には10年以上前、洗足学園を出たての頃だが、「音の輪」のゲストコンマスをお願いしたことがある。当時から非凡さが際立っていたけれど、あれよあれよと言う間に売れっ子になり、日フィルに入団、首席奏者になってしまった。
しかしフランセのコンチェルト、こうして生で聴いてみると全く、人間業とは思えない難曲だ…。イベールのコンチェルティーノ・ダ・カメラなんか指の先で吹っ飛んでしまう、みたいな。演奏時間も4楽章、25分近くかかるし。暗譜で吹ききった伊藤氏に大拍手。
オーケストラも好演。正直、日本フィルとは思えないような(^^;繊細で完成度の高い演奏だった。
先日聴いたばかりのパリ管の音は耳の奥にまだ残っているけれど、これはこれで日本人ならではの繊細さで解釈したフランス音楽、ということで充分な説得力がある。
下世話な話だが、値段の差(C席3200円、パリ管はステージ後ろの同じC席で1万4千円)を考えたら、素晴らしいものがあるでしょ。

終演後すぐ飛び出して、タクシーを拾って次の会場へ。10分もかからず到着。
出席者がおそらく百人を超える、大きな立食パーティだった。古巣バンドの仲間ということで、知った顔もたくさん。また偶然、明日の(別団体の)練習でご一緒する予定の方にもばったり遭ったりして、世界の狭さを実感する。

若い(しかも今日みたいな、仕事等のしがらみの無い)人の結婚披露パーティって、いいですね。なんかこう、初々しい希望のようなものに満ちていて。
Saxアンサンブル演奏も、勿論あり。私としては珍しく、完全お客さんモードで過ごしました。

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2005.04.06

パリ管・2日め

tirasi521パリ管弦楽団日本ツアー、第2日(サントリーホール)。

ドビュッシー/牧神の午後への前奏曲
ショーソン/交響曲
ドビュッシー/海
ラヴェル/ボレロ

昨日よりも断然良かった。昨日の印象がいまいちだったのはやはりP席だったからかな。昨日は聞きとれなかった分厚く輝かしい弦の音を堪能した。全員が弓を一杯に使ってダイナミックに弾くので、オーケストラ全体が舞台の上で大きく波うつかのように見える。
曲目も、ワタシ的には今日のほうが一層「ツボ」でした。1回しか行かないなら絶対こっちと思っていた。なんといってもショーソンの交響曲でしょう。指揮者プラッソン自ら語る「フランス音楽が一面で持つ、張り裂けんばかりの圧倒的な音楽の魅力」。パリ管がこの曲を演奏したというのは画期的な事態だ。パリ管とはそもそも「国際水準」を意図して人為的に作られたオーケストラで、こういうフランス限定産物のようなレパートリーはあまりやらない筈だし、この曲をレパートリーに入れている指揮者だって少ないだろうから。
(と言いつつ私はフルネの指揮で6~7回生で聴いているけれど。これって、考えてみたらものすごく贅沢な事態だ)

20分休憩の後、『海』と『ボレロ』。結構長いプログラムだ。アンコールを、やはり4曲。「アルルの女」のアダージェット、「カルメン」のアラゴネーズと前奏曲、弦だけでサティの「ピカデリー」。ちなみに昨日は最初の2曲が違って、「マ・メール・ロワ」より妖精の園、カルメンの間奏曲でした。お客さんは今日も熱狂。全部終わったら9時35分を回っていた。

ふう。2日でチケット代3万2千円も使っちまったい(^^;。という訳で、結果的には良かったけれど、やっぱりパリ管にプラッソンは似合わないな。と、数年前に聴いたトゥールーズ管の、ローカル&チャーミングな演奏を回想して思うのだった。
オーケストラとしても、こういう純正フランス物だとなんだか力を持て余しているように聞こえる。音色だって、特に金管なんかアメリカのオーケストラとほとんど変わらないくらいダークなサウンドだし。…前回来日(2001年)の直前に入団した若い首席オーボエの人、アレクサンドル・ガテって言うのかな?前回来日の当時はまるでモーリス・ブルグが蘇ったかのような輝かしい音色で吹いていたけれど、今回聴いたらなんだか別人のように大人しい音になってしまっていて、あらら、って感じ。

『ボレロ』(&昨日の展覧会の絵)のSax奏者は、プログラムには名前が載っていなかった。誰だろうか。一聴してドゥラングル系のノンヴィブラート・スタイルの音だったが、日本で名前が売れているような若手プレイヤーではないようだ。

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2005.04.05

パリ管・初日

arkhills200504アークヒルズの桜がずいぶん咲いてきました。

サントリーホールでパリ管弦楽団を聴いてきた。今日は日本ツアー初日。

ラヴェル/高雅で感傷的なワルツ、ラ・ヴァルス
ルーセル/『バッカスとアリアーヌ』第2組曲
ムソルグスキー=ラヴェル編/展覧会の絵
 指揮:ミシェル・プラッソン

プラッソンといえば、トゥールーズ国立管弦楽団を率いて数多くのフランス音楽を、EMIやDGへの夥しい録音を通して紹介した名匠。ドビュッシー、ラヴェル、ベルリオーズといったスタンダードから、フォーレの管弦楽曲全集、ビゼー『アルルの女』劇音楽版の初録音や、グノー、シャブリエ、オネゲル、ミヨー、ソーゲ、マニャール、ロパルツといったマイナーどころまで、実にお世話になりました。ウチにもCDがいっぱいあります。
今般初めてパリ管の日本公演を指揮して、曲目はこれでもかと言わんばかりのフランス物オンパレード。期待が高まる。

…なかなか、良かった。ほぼ満席のお客さんも大ウケで、アンコール4曲もサービスしての終演後、オケが解散してからも拍手は鳴りやまず、再びプラッソン1人舞台に現れて挨拶をするという、在りし日の朝比奈さん状態。
ただ、どうだろう、私としては、もっと感動してもいいはずなんだがなあ?というところ。何年か前にすみだトリフォニーホールで聴いたトゥールーズ管のような音色の綾や繊細さがある訳でもなく、「パリ管巧ぇっ!」とびっくりするようなものでもなく、プレートル指揮の時のような濃厚さがある訳でもなく…。
今日はP席(舞台の後ろ)だったせいかな。満席だったせいで響きが落ち着いてしまい、美しい残響が届いてこなかったのかも。あるいは日本での初日なので、演奏が少し守りに入ってたとか?
明日も行くので、その時に分かるだろう。明日はちゃんと舞台の前の席だし。


帰宅したら、「レコード軽術」誌が届いていた。
ああ、今年もそんな季節なのね。
コンマスの「堀 絵紋」氏つうのが凄いな。写真がまた似合っていること。元は明らかに某放送響の写真。たしかにコンマスで「堀」さんといえば某放送響だし、しかもこの方はたしか、以前新聞に揶揄調でとり上げられていたことがあったけど、東京のオーケストラ界でも断トツの高所得者だったはずだ。
そこまで含めてのパロディだとしたら、ホント、唸ってしまう。

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2005.03.30

2日連続のサントリーホール

tirasi520サントリーホールの周りのアークヒルズ一帯には桜の木が多い。去年の今頃はもう咲きまくっていたような記憶もあるけど、今年はまだまだ。でも今日の暖かさでつぼみがだいぶ膨らんできた。
今日は都響ではなく東響の定期公演。

モーツァルト/協奏交響曲変ホ長調K.297b
ブラームス/交響曲第1番
 指揮:ユベール・スダーン

久しぶりの東響。東響は土日の定期演奏会や主催公演が多いので、プレイヤー兼業リスナーにとってはなかなか行き辛いのだ(N響も最近Aシリーズ定期が木・金の2回から土・日に変わり、行く回数が急減した)。
2~3年前に芸劇でフランス音楽特集を聴いて以来で、その時はお目当てのショーソンの交響曲が「???」という出来でガッカリした記憶があったが、今日はなかなかの演奏だった。特にブラームス。ありがちな重苦しい熱演とは一味違う見通しの良いもので、やっぱり指揮者の格の違いかな。ただ前半は得意の「前プロモーツァルト催眠症」にやられて、記憶がところどころ飛んでいる。

モーツァルト・オーケストラ静岡の事務局のオーボエ嬢がこの演奏会を聴きに上京しているという話だったので(前プロの団員ソリストの方が大学時代の師匠だったとのこと)、ちょっと場内を捜してみたが見つからず、残念。


1年以上前からずっと労使交渉が続いていた、都響団員の契約制移行問題が、やっと妥結したようだ。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050328-00000401-yom-soci

全員一律の契約制ではないということで、当初案よりはまあ条件レベルで少しはマシ、ということなんだろうけど。しかしねえ。
そもそもオケマン(音楽家)に業績審査などが可能なのか、そんなことをしていったい(音楽的に)何の意味があるのか、という根本的な疑問に対する答を獲得するまでに至らなかったのが、なんとも無念。

都のお役人さんに言わせるとたぶん「いや、私は音楽には素人だが、業績評価は必要だ、」とかなんとか言うことになるんでしょ。だからさ、その前提がそもそも違うんだっつーのに。
かつて都響の楽団主幹を勤めた故草刈津三氏も、著書の中でずばりと書いている。
「オーケストラは、音楽そのものなのだから、素人に口を出されると困るのだ」と。
「本庁職員同様に」と言うけれど、そもそも公務員に成果主義を求めること自体がどうなんだよ、という話もある訳で。
…なんかもう、考えれば考えるほどアホらしくなってくるのだった。

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2005.03.29

都響・年度末定期

tirasi519都響のBシリーズ定期を聴く。今季最後の定期公演(サントリーホール)。

バルトーク/ルーマニア民俗舞曲
コダーイ/組曲『ハーリ・ヤーノシュ』
バルトーク/歌劇『青ひげ公の城』(演奏会形式)
 ユディット:緑川まり(Sp)、青ひげ公:多田羅迪夫(Br)
 指揮:スティーヴン・スローン

前半は普通に良い演奏だったが、圧巻はやはり後半の『青ひげ公の城』だった。
『青ひげ公』全曲をちゃんと聴くのは、思い出してみるとそれこそ、大学生の頃にシルヴィア・シャシュのユディットを教育TVか何かで観て以来(20年ぶり以上)。大変面白かった。
舞台の横の席だったので声は聴きとりづらかったが、それよりオーケストラの音色が、7つの扉それぞれが開く毎にまるで照明が転換するように変わるのを、息を呑んで聴いた。…ベルティーニが振った時のフランス物の、濃密なる色彩感を思い出した。ここがやっぱり、ベルティーニの薫陶の賜というか、都響というオーケストラの強みだな。東京の他のプロオケでも、もっと鳴るオケとか、パートによってはもっと巧いオケとかもあるけれど、音色の流動体としての色彩感をこれだけ出して来れるというのは、さすがだ。

終演後の大きな拍手と歓声の中、年度末ということで、定年退職される3人の楽員さんに花束(クマのぬいぐるみというのもあった)が贈られた。ティンパニの定成さんも、前回のAシリーズ(24日)で終わりかと思っていたら(前回出番ということで、今回はもう一方の首席の方がティンパニ叩くものだとばかり思っていたら)、『青ひげ公』はティンパニを2セット使ったんですね~これが。2階席の通路には「定成誠一郎万歳!」という横断幕まで飛び出した(^^)。
指揮者も3人のところを順繰りに回り、ひときわ大きな拍手。
勤め上げた仕事の最後を、こんなふうにたくさんの人に祝福されて終われるとは、オケマンってなんて素晴らしい職業だろうか、って思う。

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2005.03.24

都響定期(3/24)

tirasi518都響のAシリーズ定期を聴きに、東京文化会館へ。
たまにこのくらいの時間に会社を出ると、駅や電車が混んでるんでびっくりする。世の中にはこんなに定時で帰れる人がいるんだ(^^;。

 マーラー/交響曲第5番より アダージェット
 ウォルトン/ヴィオラ協奏曲(Vaタベア・ツインマーマン)
 ベートーヴェン・交響曲第7番
 指揮:スティーヴン・スローン

1曲めは音楽監督ベルティーニ追悼のため、ブリテンの4つの海の間奏曲から変更となった。とくに黙祷とかはなく、拍手ありの普通の進行。
本日の白眉は2曲めのウォルトンだった。カッコイイ曲だ。テンポの速い2楽章なんかまるでフィリップ・スパークみたいで、鮮やかなことこの上ない。弦楽器のコンチェルトというイメージとはちょいと違う。ソリストのツィマーマンも見事だった。まるでアンプ内蔵みたいに音がでかい上に、技巧もすごい。演奏中のアクションもかなり大きいけど、音程やフレージングが一切ブレないのはさすが。身体をくねくね動かして腰の座らない演奏をする、下手糞な音大生とかアンコン等で時々見かける自己陶酔系アマチュアプレイヤー共に見せてやりたいものだ。アンコールの1曲めの超絶技巧ナンバーの曲名を見忘れた。何だったのかな?
メインプロはベートーヴェンの7番。これぞシンフォニーオーケストラの本道、という充実した演奏だったが、スタイルは最近の若い指揮者としては拍子抜けするほどオーソドックスだったような。2楽章のオブリガートの装飾音符を前に出して弾かせるところは師匠ベルティーニと同じだったが。

今日は札響に移籍する首席トランペット福田さんの最後の出番だったようで、解散後コンマスの矢部さんはじめ皆が舞台の後ろに駆け寄って握手を求めていたのが印象的だった。ティンパニ定成さん(こちらは3月末で定年)も今日が最後だったのかな。前の得意先の課長さんでソックリな人がいて、親近感を持っていたのだが(^^;。
お二人とも、まさに都響の「顔」だった。お疲れさまです。


家に帰ったら、7月のモーツァルト・オーケストラ静岡のチケットが届いていた。
ソリストにオリヴィエ・シャルリエという超大物を招き、ラドミローの交響詩にデュティユーの新作の日本初演、ラヴェルのヴァイオリンソナタ管弦楽版の再演という、例のごとくぶっ飛んだプログラム。
今年も行きまっせ。いや~楽しみだ。

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2005.03.19

一夜明けて…(都響ショスタコーヴィチ)

午前中は来客。相方の家族(妹2人と父)が嵐のようにやって来て去って行った。

午後は、奇しくも最初からの予定なのだが、都響の「作曲家の肖像~ショスタコーヴィチ」と題する演奏会を聴きに、東京芸術劇場へ向かう。
会場入口には、音楽監督ベルティーニ死去とそれに伴う本日の曲目変更のお知らせが掲示されていた。1曲めの『モスクワ=チェリョムーシキ』がカットとのこと(チケット代を半額返金するそうで、事務大変だろうな~)。
この『モスクワ=チェリョムーシキ』という曲、家にCDがあるのだが実になんともおチャラケた曲で、ふさわしくないという判断だったのだろう。今日の指揮者のスティーヴン・スローンという人はベルティーニの弟子だったんだそうで、心境は察するに余りあるというものだ。

ということで、「交響曲第8番」1曲の非常にシンプルなプログラムとなった。
こういう状況下で聴くショスタコの8番。ショスタコーヴィチの『戦争レクイエム』、とでも呼びたいような曲だ。なんとも恐ろしいまでに心に食い込んでくる音楽であることよ。
演奏も、客席をも巻き込んだたいへんな緊張感にみちたものだった。謎めいたフィナーレが静かに終わった後、指揮者が手を高く挙げたまま過ぎた十数秒の沈黙。…ベルティーニの最後のコンサート、マーラー9番のフィナーレを思い出した。あの時もこうだったな。目の前の舞台が、昨年5月に見た時間の止まったような風景と二重写しになって見えた。…

家に帰ってからは、本家サイト関連の作業を少し。あとは明日の本番のための譜面の見直し、など。
さて、はやいとこフォーレの描く子供の世界への頭の切換えをしなければ。…厳しいなあ。

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2005.03.10

音大生によるサクソフォン四重奏の夕

日本サクソフォーン協会主催による、表記の催しを聴いてきました(高津市民館NOCTYホール)。

午後5時開演、サクソフォン科のある各音大の学生の皆さんが入れ替わりで、8時半の終演までひたすら演奏をするという、聴くためのコンサートというよりはまあ、「音楽大学対抗アンサンブルコンテスト」みたいなもんだ。
普通に仕事終わってから行ったので、実際聴けたのは半分もなかったのだが。
曲目・出演者は以下の通り。(協会サイトよりコピペ)

1.東邦音楽大学 A.デザンクロ/四重奏曲
S直井 亮 A小林あゆみ T嶋田早苗 B市川卓巳

2.国立音楽大学 D.マズランカ/マウンテン・ロードより
S関田春香 A黒崎二紗子 T橋本祥子 B近藤敬行

3.武蔵野音楽大学 F.シューベルト/弦楽四重奏曲「死と乙女」
S野原 孝 A荒井真弓 T相馬大介 B中村正明

4.名古屋音楽大学 J.アプシル/PIECES EN QUATUOR
S水野宏美 A伊豫田美奈子 T武田 梢 B瀧 彬友

5.東京音楽大学 M.ラヴェル/クープランの墓より
S蓼沼雅紀 A神谷会美 T岡田朋子 B野口紗矢香

6.東京ミュージック&メディアアーツ尚美 A.デザンクロ/四重奏曲
S松岡一樹 A政岡聖子 T小松崎美沙 B笹尾淳一

7.名古屋芸術大学 C.パスカル/四重奏曲
S水野幹子 A安齋 藍 T藤田ともみ B尾田麻衣子

8.昭和音楽大学 D.マズランカ/マウンテン・ロード
S長澤範和 A北嶋恭子 T野口恭世 B大澤沙織

9.愛知県立芸術大学 A.ドヴォルザークarr.阪口新/弦楽四重奏曲「アメリカ」より
S山内婦佐子 A佐藤こずえ T今尾絵里 B中田真砂美

10.エリザベト音楽大学 T.ESCAICH/LE BAL pour quatuor de saxophone
S岸本和宣 A住田郁子 T牛尾杏里 B原菜穂子

11.桐朋学園芸術短期大学 A.デザンクロ/四重奏曲
S大川欣哉 A柳澤真由子 T江川良子(同大学演奏員) B松原孝政(同)

12.洗足学園音楽大学 F.シュミット/四重奏曲
S鳥井綾子 A清水美咲 T榮 あや B菅原聡美

13.東京芸術大学 J.リュエフ/演奏会用四重奏曲
S田村真寛 A貝沼拓実 T冨岡祐子 B東 涼太

今の若い人って、上手いよね。指が回る上にリズム感がいいから(私の世代以上と今の二十代の人達では、リズム感という面では全く別人種だと思う)、シュミットの2楽章みたいな難所も、きちんと連携すべきところを連携してそつなく吹いてしまう。
ただ、それだけ吹けるんだったら、もっと思いのこもった「音楽」が聞こえて来ても良さそうなものなのに、そうでもないんだよね。とりあえず教わったとおりに吹いてます、みたいな。

学生の演奏を聴いていると、学生さんの問題というよりもむしろ、背後にある教えている先生の側の問題、というのが見えてくるように思う。音大の先生たちも今、急速に世代交代が進んでいる訳で。
以前聴いた時のこの催しに比べて、芸大がなかなかいい演奏を聴かせるようになっていた。昔は芸大のチームというと、個人技はあるのに明らかに合わせをしてなくてイマイチぱっとしない出来で、ここぞとばかりに気合入れて仕上げてくる他の私立音大チームに負ける、というパターンが多かったのだが。
結局、それも先生たちがちゃんと教えている、ってことなんだろう。別に手取り足取り教える、という意味ではなく、音楽に則して、その時その場に必要なことをちゃんと伝えているか、ってことなんだけど。

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2005.03.05

in life, as in art, it is really the minutes that count.

ここ何日かココログの設定をいじくって、やっとよくありがちなBlogになってきた。
サブタイトルに使った英文は、指揮者の故フレデリック・フェネル氏の言葉です。
人生は、芸術がそうであるように、まことに一瞬のことである、みたいな意味か。
「人生は短く、芸術は永い」という言い方はよくあるけれど、実のところあまりリアリティのある言葉には思えない。舞台芸術家にとってはむしろ、芸術もまた一瞬のものである、というほうがよほど実感だろうと思う。
なにしろ舞台というのは、その時、その場限りの輝きなのだから。


なめら~か練習。
朝から『ドリー』合わせ。とめ氏は結局現れず(やっとシャバに出てきたと思ったらいきなり当直だと)、代役を立てて練習。いろいろと思い悩むこと多し。まあ、自分の実力以上の演奏というのはどうやっても出来ないんだから、開き直るしかないけど。

午後は、作曲者の高橋さんから先日送られてきた『月森の詩』改訂版楽譜をみっちり合奏。なかなか充実した練習が出来たと思う。

tirasi514終了後は、地下鉄でひと駅移動、昨日書いた演奏会に向かう(関内ホール・小ホール)。

ラヴェルの生誕130年を記念した催しということで、オール・ラヴェルプログラム。クープランの墓より4曲(木管五重奏版)、弦楽四重奏曲、ピアノ三重奏曲。
横浜日仏会館の主催で、出演者は全員、ヴァイオリンを弾いたマルグリット・フランス女史の室内楽の生徒とのことだった。
フランス女史はたしかアンセルメ時代のスイス・ロマンド管弦楽団の団員だった方と記憶する。現在は日本で長く教育と演奏に携わっていて、以前アマオケの伴奏でショーソンの『ポエム』を弾かれていたのを聴いたことがある。今日はその時からだいぶ時間が経ってお年を召された感じで、背中もかなり曲がっていたし指のコントロールも衰えていたけれど、それでも弦カルとピアノトリオという大曲2曲のトップを休憩なしで、おまけにアンコールの『ハバネラ形式の小品』まで、音楽の「格」を保ったまま弾きのける気力と体力はさすが(もっと酷く衰えた演奏家というのはいくらでも聴いたことがあるので、このくらいは許容範囲内)。
ホールがもっと良い響きだったらもっと感動しただろうと思ったが(反響板の全く無い、ほとんど講演会用の小ホールだった。残念)。

木管五重奏による『クープランの墓』は、フランスの昔のタイプのピストン式ホルンを使ったもので、他の4本を吹き飛ばす普通のクインテットのホルンとは全く別世界だった。繊細で木管楽器みたいなサウンドで、ファゴット(バソン)と全然区別がつかない。目から鱗、の音色。

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2005.02.16

病み上がりに

tirasi512風邪をひいた。月曜日、仕事中になんかおかしくなってきて、身体中がだるく食欲も全く無くなり、やっとのことで帰宅、昨日は何も食べず1日寝ていた。下痢はせず(ノロウイルスではない)、高熱というわけでもなく(37℃台後半。インフルエンザでもない。平熱35℃の自分にはシンドイが)、もしかしたら単にたまった疲れが一気に出ただけかもしれない。

病み上がりだが、無理やり都響の定期には行った(サントリーホール)。

 ベートーヴェン/大フーガ
 同 /ピアノ協奏曲第2番(Pf児玉麻里)
 シベリウス/交響曲第2番
 指揮:ヨゼフ・スウェンセン

珍しくP席(ステージの後ろ)だったので、まるで自分が演奏に参加しているような臨場感で、興奮した。目の前真っ正面で指揮者が棒振ってるし、金管が吹き鳴らすとホール中からやまびこが返ってくるし、木管列のふわっと溶け合うサウンドなんか、普通の席ではまず味わえないような美しさだし。という訳で、演奏が客観的にどうだったのかはよく分からないのだが、終演後のカーテンコールでのオケメンバーの指揮者に対する拍手はかなり本気入っていたようなので、きっと良い演奏だったのだろう。

私が寝込んでいる間にも、3/20の本番のための練習計画をめぐってメールが乱れ飛んでいた模様。
本選出場は名誉な事態ではあるけれど、メンバーの要・とめ氏が3月上旬まで収監されたまま出て来れない現状では、そうそういつまでも喜んでばかりもいられない。今回もまた、厳しい戦いを強いられそうです。

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2005.02.12

N響定期

恒例の用事の帰り、渋谷へ回って、三連休の人ゴミの中NHKホールへ急ぎ、今年最初の生N響を聴く。

 モーツァルト/交響曲第25番
 ハイドン/トランペット協奏曲(Tp関山幸弘)
 ホルスト/組曲『惑星』
 指揮:ジェイムズ・ジャッド

いつものように1500円の当日自由席券を買って、3階へ。今日は曲目のせいか、なかなかの大入りだった。
N響って、上品というか何というか、やっぱ安定してるよなあ。安定し過ぎていて、ちょっと他人事みたいな感じになってしまうのは、この巨大なNHKホールの天井桟敷というロケーションのせいもある。特にモーツァルトなんか、コンサートを聴きに来たというより、何か野次馬見物に来たみたいな気分になってしまう。
しかし関山さんのハイドンは素晴らしかった。キッパリした演奏の中に、まるで木管楽器みたいな繊細なニュアンスが天井桟敷まで伝わってくる。関山さんといえば私の記憶にある80年代までの日本では断トツにうまいトランペット奏者だった訳だけれど、N響に入ってからは何か印象が薄かっただけに、その実力を改めて再認識した、ってところ。

よく考えたら私、15年前(1990年)に某R合奏団で関山さんとの共演を経験していたのだった。
当時の関山さんは、今とはずいぶん見た目の印象が違っていたように思う。
その時のチラシを探し出してきたので、写真部分をご覧ください。ここ数年の関山さんしか知らない人はびっくりされるのでは。

sekiyam

休憩後は突然舞台に人が増えて、『惑星』全曲。
やっぱり、くっきりキッパリ、率直でストレートな演奏。
といっても、「火星」の最後では大見得を切るし、「木星」の例のメロディは思いっきり感動的に歌い上げるし(席の近くに一緒に小声で歌ってるオジサンというのがいて、ちょっと参った。まあ、気持ちは分からんでもないが)、決して単なる安全運転ではない。
最後の合唱(二期会)のフェイドアウトは見事だったなあ。まるでCDみたいに「無音」に向けてディミヌエンドしてゆく。生でここまで完璧なフェイドアウトは初めて聴いた。


九州に住んでいらっしゃる、デファイエに7年間師事されたというサクソフォン演奏家の方からメールを戴く。
私のところのデファイエのページをご覧になったらしい。たまにこういうことがあるとやはり、Webマスター冥利に尽きるというものだ。

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2005.02.11

都民芸術フェスティバル(都響)

tirasi511今日も一昨日の続きの「やってらンね~」的仕事にかかりきりで、自分の本来の仕事が全然出来ていない。しょうがない、明日は楽しい休日出勤(^^;、ということにして、さっさと終わらせて池袋へ。
都響の都民芸術フェスティバル公演(東京芸術劇場)。

 グリンカ/『ルスランとリュドミラ』序曲
 ラフマニノフ/ピアノ協奏曲第2番(Pf小川典子)
 ハチャトゥリアン/『ガイーヌ』より剣の舞、子守歌、ばらの乙女たちの踊り、レスギンカ
 ボロディン/中央アジアの草原にて
 チャイコフスキー/大序曲『1812年』
 指揮:小泉和裕

とまあ、完全なロシア名曲コンサートで、全席完売の盛況。
楽しかった。こういう曲をやらせるとさすが小泉さん、オーケストラはこうやってまとめるものです、という模範回答みたいな演奏だった。ストレート過ぎて面白みが少ない、というゼータクな不満も。
小川典子さんの実力にも改めて驚嘆。今日は3階席だったのでほとんど真上から見ていたが、手がでかいのね、この人。音量もでかいけど、余裕があって全然うるさくない。ラフマニノフにはぴったり。
休憩後の3曲は、指揮者は袖に引っ込まず、全部通しで演奏(「剣の舞」1曲に宗貞センセが登場)。
『1812年』は特にPAとかは使わず、大砲は普通の(別置の)大太鼓だった。すりこぎみたいな木製の特製バチを2本両手で持って、微妙にずらして「ドドン、」と叩き込んでいた。これが意外と大砲っぽく聞こえて、ちょっと感心。
場内はたいへん盛り上がった。アンコールに『くるみ割り人形』のトレパーク。

しかし今年は年明けから都響ばかり聴いてるな。都響は定期会員だったりいろいろシリーズ会員だったり、ただでさえ聴く機会多いんだけど。というか他のオーケストラまで聴く余裕無さすぎ。
それでも明後日(もう明日だが)は今年初のN響に行く予定で、来週はシティフィルどうしようか考慮中(チケットは持ってるのだが、芸大Saxと同じ日なのだ)、再来週は新日本フィル聴く予定。

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2005.02.05

下野竜也!

tirasi507土曜日。
恒例の用事(木更津にいる父の見舞い)を大急ぎで済ませて、午後2時の開演に間に合うよう都響のプロムナードコンサート(サントリーホール)へ。

 ブリテン/マチネ・ミュジカルop.24
 ブロッホ/ヘブライ狂詩曲『シェロモ』(Vc古川展生)
 ヴェルディ/『シチリア島の夕べの祈り』序曲
 レスピーギ/ローマの松
 指揮:下野竜也

若い才能を見出すことは常にエキサイティングな経験だけど、今日はまさにそれだった。下野竜也(今年36歳)。まさしく、只者ではない。
以前日本フィルで聴いてる筈だし、Naxosの大栗裕作品集のCDも勿論持っているけれど、こういう力を持っている人だとは気付かなかった。
どこまでも明快、よく歌い、情熱的で、しかし自然なそのありよう。余分なことを一切せず、ニコニコしながら、しかも音楽のために必要なことをすべて実現させてしまう。初めて聴く(に近い)前半2曲も、よく知っている後半も、感心のしっ放しだった。『シチリア島…』はこれほどの真実性を帯びた響きは久々に聴いたって印象だし、何かというと演奏される『ローマの松』にしても、この曲がこのホールでここまで輝かしく壮麗に鳴ったことはあまりないのではないか?
アンコールにプッチーニ『菊』(弦楽合奏)。またセンスのいい選曲だ。

都響のプロムナード・シリーズは毎回結構満員になるのだが、今日はなぜか5~6割程度の入り。ちょっとひねった曲目の故か、若い指揮者の知名度の無さか、それとも何か他の演奏会に流れたのか。たしかにこの人、ちっちゃな身体にワルガキって感じの顔(^^;で、ミーハーな人気というのは出そうにはないが。しかし勿体ない話だ。こんなすごい演奏、滅多に聴けないのに。

終演は4時。まだまだ日も高いので、パティスリーキハチ・アークヒルズ店に入る。意外とすいていて、ゆったりと寛いだ。
(ちょっと寒いけど)よい天気の週末、いい音のホールで素晴らしい演奏を楽しんだあと、お洒落なカフェで、美味しい紅茶とケーキ。良いもんですなぁ。
ちなみに私、音楽以外の趣味は?と訊かれたら、ちょっと考えて「ケーキの食べ歩き、」と答えるような甘党ですが、体重と体格は中学3年の時から30年近く、ほとんど変わっておりません。よく「ズルイ、」と言われます。(^^;

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2005.02.04

都民芸術フェスティバル(新日フィル)

tirasi506新日本フィルの都民芸術フェスティバル公演を聴く(東京芸術劇場)。

 モーツァルト/ピアノ協奏曲第22番(Pf児玉桃)
 ショスタコーヴィチ/交響曲第11番『1905年』
 指揮:井上道義

見てのとおりこの催しとしては硬派な曲目で、2階や3階には空席が結構目立つ。しかし演奏は素晴らしく、ほとんど定期公演レベルの水準だった。
桃ちゃんは(以前の音楽日記の頃からたまに書いてるのでご承知の方もいらっしゃるかもしれないが)私の大好きなピアニストなんだけど、今日思ったんだが彼女、名前と見た目は日本人だけど音楽性とかリズム感は完全にフランス人ですね。それってどういうことか、と説明を始めると原稿用紙二十枚分くらい(←という言い方も最近しないな)文章を書かなければならなくなるんでメンドクサイから止めておくけど。
ただ今日は、週末の疲れが一気に出たか「前プロモーツァルト催眠症」に見事にやられ、1楽章の途中までは記憶があるんだが、ふと気付いたら3楽章が始まっていた。ワープ。

メインプロは井上ミッチー得意のショスタコーヴィチ。
新日本フィルというオーケストラは、音のけじめが良くついていると言うか、響きが透明で見通しが良いことが最大の美点だろうと思う。こういう錯綜した(そのくせ肝心な箇所にさしかかると突如として全合奏ユニゾンで盛り上がる)曲をやらせると、その特質が最大限に発揮される。いやー見事なもんです。
終演後の客席は大いに沸いた。

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2005.01.30

三宅島支援コンサート

tirasi505土曜日の昼は、都響の三宅島支援コンサート(東京芸術劇場)に行ってきた。
チャリティコンサートということで、ロビーには三宅島の噴火前の写真パネルがずらっと展示してあったり、三宅島の火山灰で色付けしたというガラス器(美しい青色の色が付く)を即売していたり(大盛況だった)、いつもとはちょっと違う雰囲気。

第1部
 チェロ・アンサンブル
  クレンゲル/讃歌
  ヴィラ=ロボス/ブラジル風バッハ第5番(Sp山本真由美)
 金管アンサンブル
  J.S.バッハ/管弦楽組曲よりブーレ、アリア、バディネリ
  ワーグナー/歌劇『ローエングリン』より 第3幕第3場「行進曲」
第2部(オーケストラ)
 ビゼー/『アルルの女』第2組曲
 ラヴェル/ボレロ(以上 指揮:小泉和裕)

もともとフルネが出演ということでチケットを取ったんだけど、承知のごとくキャンセルとなり、代役に小泉さん。ちょっと(ちょっとどころでなく)がっかりしたけど、まあ仕方ない。フルネさん、大事をとって今日も静養しているそうだが、とりあえず普通のレベルまでは回復しているらしく、ホッとする。

演奏会はそれでも、第1部のアンサンブル演奏が非常に聴き応えがあり、予想外に楽しめた。都響の9人のチェリスト総出演によるクレンゲル『讃歌』が、たいへん美しく感動的な音楽で、Saxアンサンブルでやってみたくなった。10人編成の金管(Tp4+Hn2+Trb3+Tub)にオルガンも加わったワーグナーも、非常にそれらしく演奏も気合が入っていて、爽快な気分。

第2部。
小泉さんの指揮は、勿論フルネとは流儀が全然違うけれど、オーケストラの持てる力をストレートに解放させるという点でなかなか聴くべきものがあると思った。「ファランドール」の最後なんか、都響じゃないみたいにパワフルだったし。
結果的には結構満足して家路につく。
ちなみに、ボレロのS.Saxは大森さん、T.Sax(&ビゼーのA.Sax)は宗貞さん。黄金コンビだ。

今日は新着CDもあるんだけど、それはまた日を改めて、ということで。
さて、明日はなめ練。これからちょいと仕事しないと。

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2005.01.26

フルネ降板~都響定期

tirasi504都響HP・新着情報より

> 1月26日当楽団第601回定期演奏会(サントリーホール)に出演を予定しておりました指揮者ジャン・フルネは、過労による高血圧のため、25日夕刻、医師より安静を要するとの診断を受け、出演が不可能となりました。

http://www.tmso.or.jp/new/

エ~ッ、という訳で、本日の都響定期、指揮者無しとなった。
とりあえずある程度練習は出来ていたので、ここでヘンな代役を立てるより、フルネさんの音楽を大事にして自力で臨もう、ということらしい。
曲目は『フェードル』序曲が取りやめとなり、モーツァルトのピアノ協奏曲第23番(Pf伊藤恵)、デュカス/交響曲、の2曲。

で、感想なんだけど…
私とて楽器吹きの端くれ、指揮者なしの演奏が(特にデュカスほどの大きな、しかもあまり演奏したことのない曲の場合)どれほどの困難を伴うか、少しは分かっているつもりだ。
しかし、今夜は、「完璧」だった。
それ以上にしかも、聞こえてくるのは1から10まで、フルネの音楽だった。滞る寸前の微妙なテンポで澱みなく流れていくところといい、楽器の数が重なる毎に逆に透明感を増すかのような音色の作りといい、ちょっとした繋ぎのワンフレーズに至るまで、月並みな言い方だがまさに「フルネが乗り移った」かのように流れる。
すごい。これこそプロの技だ。
こういうことを可能とするのが、プロというものなのだ。ショックに近い感動。脱帽です。

ステージの中心には、主のいない指揮台。
終演後のオーケストラには、いつにない熱い拍手が贈られた。

このデュカスの『交響曲』、私の大好きな曲で、書きたいことは多い。
でも、今日のところはとりあえずいいか、って感じ。(なんだかもう細かいことはどうでもいい)
とりあえずフルネさん、早く回復して欲しいです。

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2005.01.21

都響600回定期

tirasi502仕事を早めに退けて、明後日の本番に備えてリードを買おうと思ったのだが、どうやら今、バンドレンの青箱テナーの3半がどこの店でも払底しているらしいことが判った。仕方ないので以前使っていた3番を買う。まあ、現在リードケースに入っているリードだけでも間に合わないことはない、が。
アルトでは3番を使っているので、本当はテナーでも3番が吹けるよう奏法の調整をしなければいけないのかもしれない…

東京都交響楽団第600回記念定期演奏会を聴く(東京文化会館)。
ロビーには昔の定期公演のポスターやチラシなども掲示され、祝祭定期らしく賑やかだ。

 R.シュトラウス/家庭交響曲(指揮:小泉和裕)
 P.デュカス/『ペリ』より ファンファーレ
 同 /魔法使いの弟子
 M.ラヴェル/『ダフニスとクロエ』第2組曲(以上 指揮:ジャン・フルネ)

前半と後半で2人の指揮者が登場したが、オーケストラの音が全く違うもので、正直驚いた。指揮者によって音色が変わるのはしょっちゅう経験するところだが、こうまではっきりと違いが分かるというのは、一種痛快でもある。
小泉さんの、上下左右1.5mの空間をフルに使ったダイナミックな指揮ぶりから出てくる明快きわまりない音も勿論良いのだが、都響はやはり、フルネさんの指揮が一番だ。
『ダフニスとクロエ』の「夜明け」の響き。古代の人間にとって、夜の闇というのは恐ろしいものだったろう。単に音による情景描写という以上に、その恐ろしい闇を消し去ってくれる「日の出」というものへの、崇高な感謝をそこに聴く。「無言劇」の素晴らしいフルートソロを経て、91歳というその年齢が信じられない力に満ちた「全員の踊り」へ。
コンマスの矢部達哉さんが言ったように「もはや指揮をするというのではなく、作曲者のメッセージを伝えるために、ただそこにいる」、という、超越したそのあり方。すごい。本当にすごい。

終演後はロビーでそのまま、定期600回記念の謝恩パーティが開かれ、会費1000円で誰でも参加可ということで、出席してきた。
ウワサのメトロポップ・Jazzオーケストラ(都響団員によるビッグバンド。サックス担当は、オーボエ、クラ、ファゴットの団員さん)を初めて聴くことが出来た。
A列車で行こう、煙が目にしみる、ブラジル、ムーンライト・セレナーデ。盛り上がった。

metropop


さあて、明日は私もテナーサックス担いで、益子(アンコン東関東大会の前泊地)に向けて出発です。
プチ演奏旅行。ビータ、って奴ですね。
頑張ろ。

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2005.01.18

急告

きたる21日(金)に開催される、東京都交響楽団第600回記念定期演奏会(東京文化会館)の舞台に、ご存じとめちゃん氏所有のバスサックスが乗ることになりましたので、お知らせします。
プログラム前半の、R.シュトラウス『家庭交響曲』で使われます(この曲のオーケストレーションには、ソプラノ、アルト、バリトン、バスというヘンテコな編成のサクソフォンが含まれる)。
実は16日のユースの演奏会(とめちゃん氏も出演していた)の終演後の楽屋に、今回バスを担当される波○江さんが現れ、そのまま楽器を借りて行かれたのでした。

非常にめでたくまた晴れがましい場ですし、なかなかあることではないと思いますので、ここでも告知させていただきます。
演奏会の詳細はこちら
私としては、演奏会後半、20年来のファンでもある巨匠ジャン・フルネの登場もまた、楽しみ。

オーケストラつながりということで、もうひとつ違う話題。
NHK交響楽団テューバ奏者の多戸幾久三氏が、先週15日のN響定期公演を最後に、同団を定年退職されたそうだ。
私がクラシック音楽を聴き始めた中高生の頃、よくテレビでお顔を拝見した、在りし日のN響のスタープレイヤー達(北村源三、千葉馨、伊藤清、小出信也、小島葉子、浜中浩一、百瀬和紀、etc.…)が、これでほぼ全員退団されたことになる。…ちょっと、寂しいな。

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2005.01.17

ユース

hasimoto日曜日。今日も横殴りの冷たい雨。この季節に2日も続けて雨が降るなんて、カンベンしてくれェ。

ユース・ウィンド・オーケストラのウィンター・コンサートに行ってきた。
私の古巣の楽団。早いもので辞めてからもう6年も経つのに、舞台上にも客席にもまだまだ知り合いの顔は多い。
会場は杜のホールはしもと。昨年11月、アンサンブルコンテストの予選で吹いた会場。橋本駅前の再開発に伴って出来た新しい駅ビルの7階で、ホールの入口の吹き抜けを見下ろすと写真のような感じ。最近出来るホールの例にもれず、綺麗で音の良い会場だ。
前半はホルストの「金星」「木星」をメインとしたクラシック、後半はポップス。アンコンの時には吹いていて響き過ぎの感もあったけど、600席足らずの比較的小さなキャパなので、今日は満席に近い感じで響きも落ち着いており、いつものユースより4割増くらいに上手く聞こえる。「元祖」ディズニーメドレー、久しぶりに聴いた。初めて吹いたのは大学生の時だったっけ。

私が居た頃はその昔のコンクールバンドの名残の雰囲気もあったけど、今はすっかり普通の「市民バンド」になったな、って感じ。鎌田さん(常任指揮者)の指揮が懐かしい。今までいろいろな吹奏楽団で関わってきた指揮者の中でも、数少ない本物の音楽を持っている人だと思う(吹奏楽の指揮者って、「音楽」を持ってなくても「指導」さえ出来ればやれちゃうんだよね…)。

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2005.01.04

東京文化会館ニューイヤー・ガラ

tirasi501さて早速。
昨日1/3は、東京文化会館のニューイヤー・ガラコンサートに行ってきた。今年のコンサート通い第1号。

第1部:オーケストラ演奏
サティ/バレエ音楽「パラード」
ショスタコーヴィチ/ジャズ組曲第1番
第2部:バレエ
ストラヴィンスキー/春の祭典
ラヴェル/ボレロ
 井上道義指揮 東京都交響楽団
 東京バレエ団
 振付:モーリス・ベジャール

超満員、ひとつも空いている席がない盛況に、豪華きわまりない出し物。
35分の休憩時間には、舞台転換の様子もエンターテインメントとして見せてしまうというサービスぶり(反響板がステージ床下に収納される様子というのを初めて見た)。ロビーでは獅子舞や大道芸が披露され、お正月気分いっぱい。
バレエを大きな会場でちゃんと観るのは実は初めてなのだが、いや~この音楽でこういうふうに踊るのかぁ、と新鮮な驚き。東京バレエ団、評判に違わない素晴らしい舞台でした。特に女性ダンサー達の訓練の行き届いていること、この上なし。
新年の幕開けにふさわしい、豪勢でおめでたいひとときでした。

ボレロとショスタコのsaxには新井さん(T)、福本信太郎氏(S)が乗っていた。ショスタコでは「おお~っ、信太郎と矢部さん(矢部達哉=都響ソロコンサートマスター)がデュオやってるぅ~!」と、ミーハー気分で見入ってしまいました。

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