カテゴリー「音楽随想」の記事

2008.05.02

サントリーホール・オリジナル

サントリーホールの1Fのショップで友人(女性)が働いているので、ここに来た時には、いるかなーと思って一度は覗いていく。
仕事の邪魔をしては悪いので、あんまり話し込んだりはしないけれど、たまーに何か買って帰ったりする。
勿論、そんな高いものは買わないが(ブローチだのペンダントだの、高い物は結構高い)、ちょっとした物でもここでしか手に入らないものがあって、なかなか楽しい。

このあいだ買ったのは、これ。
サントリーホール・オリジナルの、5連式クリアファイル。

SuntoryHall_Goods

5枚別々に入るのがいいですね。
デザインは見ての通り、ディック・ブルーナ。
また買いに行こうっと。

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2008.04.30

LFJ

ラ・フォル・ジュルネ(熱狂の日)音楽祭2008
今年のテーマは「シューベルトとウィーン」らしい。

クラシック好きとしては興味深い催しながら、私の場合以前から毎年ゴールデンウィークはプレイヤーモード全開で過ごすことになっているので、なかなか本気で楽しむところまではいかない。
それでも、雰囲気だけでも少しは味わおうと、初日(5月2日)夜公演のチケットを2つばかり買ってみた。

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2008.02.03

コンクールの哲学

東京は雪でした。

20080203

ここ、家のすぐ近所。
徳富蘇峰の旧宅がそのまま公園になっているのだ。

さて、東京文化会館お粗末ダブルブッキング事件のおかげで吹っ飛んでしまった、金曜日にupするはずだったエントリを、改めて日の目を見せようと思う。…
風邪のおかげで散々な目に遭った先週のメインイベントは、毎年恒例、アンサンブル・コンクール(日本サクソフォーン協会主催)のエントリー(審査提出用の録音と、申込書の発送)だった。

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2008.02.02

ダブルブッキングだと?

やっと体調も回復してきたのでブログでも書くかと思い、ネタも準備してあったのだが。
こんなニュースを聞いて、急遽方針変更。
つうかこのニュース読んで、一気に脱力、次いで猛烈な怒りが込み上げてきた。

東京文化会館でダブルブッキング、10月の都響公演中止

東京文化会館のスタッフに、一言。

…阿呆。

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2007.12.12

2008年東京オーケストラ界

東京のプロオーケストラのうち、4月に新シーズンが始まる5つのオーケストラの2008年4月からのスケジュールが、やっと出揃った。
自分のための覚え書きとして。
9月にシーズンが始まるのは、N響新日本フィル日本フィルの3つ(日本フィルは今年から9月スタートに変わった)。

東京交響楽団
東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
東京都交響楽団
東京フィルハーモニー交響楽団
読売日本交響楽団

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2007.11.03

フランス人が続々と

フランス国立リヨン管弦楽団と、パリ管弦楽団の日本ツアーが始まったようです。
私は両方とも聴きに行くので、楽しみにしているところ。
それにしてもこの2つのオケの日本公演って、同じプロモーター(梶本)なんだよね。何考えてんだろうか。ただでさえ少ないフランス音楽の愛好者層を、オーケストラ2つ同時に動かして喰いあうこともないのに、と思うんですが(^^;

リヨン管は「展覧会の絵」を、パリ管は「ボレロ」を曲目に入れていて、それぞれにサクソフォン奏者を帯同している(リヨンはアレクサンドル・ドワジーだそうだ)。
ほぼ同時に、ギャルド・レピュブリケーヌ吹奏楽団のツアーも始まった(こちらはジャパン・アーツのマネジメント)。
今月は、御大クロード・ドラングル(現パリ音楽院サクソフォン科教授)も久しぶりに単身日本にやってくる。聞いた話では今回は何か面倒な事情があるようで、ちゃんとしたコンサートは23日の静岡音楽館AOIのみ。
これはこれでたいへんに興味深い内容なので、私もチケット買っちゃいました。がんばって静岡行かなきゃ。

Moretti, 071116という訳でこの先1ヶ月、かくもたくさんのフランスの演奏家・サクソフォン奏者たちが続々と来日、日本国中を回るという、珍しい事態が出来する訳だが、そんな中こんどは服部真理子先生より、ファブリス・モレティのコンサートの案内をいただいた(11/16東京ほか)。

モレティ氏といえば、この6月に来日した際の名演奏がいまでも忘れがたい。
素晴らしい技巧の持ち主であると同時に、今となっては得がたいような、前世紀のフランスの大家たちが持っていた一種の気品を今に伝える、貴重な存在だと思う。サックス吹きばかりでなく、普通にフランスの音楽やフランスの演奏家が好きな一般の方々にも是非聴いていただきたいものだと、いつも思っている。
ほとんど個人招聘と言える服部夫妻の毎度の尽力により、毎年のように、日本にいながらその演奏に接することができるのは、本当に有難いことだと思う。

問い合わせは、上記服部先生のサイトか、CD発売元のモモンガラボまで。

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2007.10.24

J.フェルドの訃報

先日届いたSaxophone Journal(Nov/Dec.2007)をぱらぱらと読み始めたら、ユージン・ルソー氏による、チェコ出身の作曲家J.フェルド(Jindřich Feld)の追悼文が目に止まった。
知らないあいだに亡くなられていたらしい。(2007年6月8日没)

フェルドといえば、ルソー氏と共にあるような印象の作曲家だった。記事中には、代表作「アルトサクソフォンとピアノのためのソナタ」の、1991年2月東京での世界初演についても触れられていた。
会場はたしか津田ホールだったと記憶する(私も聴いていた)。海外のサクソフォン奏者の中でもおそらく来日回数が一番多いルソー氏だが、東京の大きなホールでのちゃんとしたリサイタルというのは、この20年間でこのとき1回しか開催されていないはずだ。
この「ソナタ」は、知る人ぞ知るというなかなか面白い曲で、服部さんや彦坂さん、原博巳さん等がリサイタルでとりあげていたのを聴いたことがある。(追記:服部さんはCDにも録音している。ちなみに上記の初演時のピアノは服部真理子さんだった。)
ヤナーチェクみたいなこういうpoco無国籍な面白さは、フランス物のレパートリーが幅をきかす日本のサックス界ではいまいちメジャーになりきれないのかもしれない。
他にも、デファイエQ.の委嘱で書かれた「サクソフォン四重奏曲」(1983初演)なんてのがあるらしい。

Rousseau-Feld

ユージン・ルソー他による、J.フェルド作品集のCD(RIAX)。

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2007.10.09

入場無料ということ

ダッパーサクセーバーズさんのBlogエントリを読んで、少々考えたこと。
コメントさせていただこうかと思ったのですが、長くなりそうなのでこちらで独立エントリとさせていただきました。

私たちのアンサンブルも、演奏会は結成第1回以来ずっと入場無料としている。
「入場料とったら?」とはよく言われるけれど、入場料を徴収するだけの事務的余力がないので取りたくても取れない、というのが正直なところ。
入場料をとる、ということは、当然ながら来てくださる方にチケットを「販売」しなければならない。販売、とくに前売りというのは、金銭と個人情報のやりとりという非常に気を遣うものだし、またそれはこちらの都合ではなく、買ってくださるお客様の都合が優先されるのが当然である(チケットを買おうと思って問い合わせ先に電話しているのに、いつも留守、って訳にはいかないでしょ)。
そういうものにきちんと対応できるだけの体制を作るというのは、10人程度のメンバー(全員演奏者、かつ本業の仕事の片手間)で回している限り、かなり厳しい。余力があるんだったら演奏のほうを少しでも向上させたいしね。よって入場無料で行くしかない、という、単純な理屈。
(そんなわけで、マネージャーを置かずに自主リサイタルを開催されているプロの方々というのは、私は尊敬します)

また、入場料をとることによる財政的な利点というのも、部外者の方がイメージされるほどには無いのが実情。
演奏会場の使用料というのは、入場料をとらない催しには安く設定されている場合が多いし、また入場無料であることによって、リンク先でもどなたかコメントされていたけれど、1回の演奏会で数万円におよぶこともある著作権料の支払いが免除されるメリットは大きい(サクソフォンのレパートリーは近現代のものが多いので、影響は甚大)。
2-300人のお客さんから千円程度の入場料をいただいて得る収入(招待客の方も多いので、実際はもっと少ない)と、以上の手間や出費増をはかりにかけて考えた結果が、現在の選択という訳です。
なかなか一言では説明しづらい事情なので、単純に「入場料取ればいいのに」、と考える一般のお客さんに納得していただくのは、難しいのだが。

あと、ひとつだけ言えることは、「無料である事の甘えが演奏者に出る」ということは、100%あり得ません。
プロもアマチュアも関係なく、まともな演奏家というものは、入場料があろうがなかろうが常に最大限の努力の上でお客さんの前に出て行くものだし、逆にどんなにどう頑張ったって「現在の自分自身」以上のものには絶対になれないことも、重々承知しているからだ。
入場無料だからといっていい加減な演奏をする奴は、たとえ入場料をとったとしても同じこと。それは自信を持って断言できる。

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2007.09.28

「曲目解説」

自分の演奏会本番が近いので、それ関連の話題など。

コンサートのプログラムに載せる曲目解説、業界語でいう「曲解」は、第1回の演奏会からこのかたずっと私が自分で書いている。
サクソフォンアンサンブルのオリジナル曲の場合は比較的簡単で、作曲者の国籍と生没年とあと適当に何か書けばそれらしくなるけれど、今回の演奏会のようにすべてアレンジ物、しかもヨーロッパのクラシックの名曲ばかりとなると、なかなか大変。まず作曲者が有名で、作品自体も有名で、有名だということはそれだけ現在まで伝わっている付帯情報が多いということで、どれを取捨選択するか、ということ。
基本的にはコンサートを聴きにきた人が、演奏開始までの(あるいは演奏中の)ちょっとした時間つぶしに読む訳で、まず何より、これから演奏される音楽について興味をひくものでなければならない。曲を知らない人にとっては、聴きどころはどこか、とか。別に楽曲分析の答案みたいなものを読んでもしょうがないしね(CDの解説や音楽事典の丸写しみたいな文章ではよくありがち。主題呈示が何調で展開部が何調、再現部が何調なんて書いたって、聴いてわかる人は何人いるだろうか。そもそも「展開部」「再現部」って何ですか)。作曲家や作品自体に関する客観的な情報は、必要最低限でいい。
その上で、文章自体が面白ければ、言うことはないが。

最近のコンサートでは、演奏者自身が、演奏する曲の面白さや特徴を達意の文章で語る、というケースが増えてきて、楽しいことが多い。
演奏者自身の言葉は、なんといっても説得力がある。聴き手としてはよく知っている曲であっても、演奏する側からするとそういう見方があるのか、と感心させられたり。
雲カルのリサイタルのプログラムでの雲井さんの解説など、毎回楽しみにしているものだ。

「曲目解説」というものを書いたり考えたりする上で、私自身が参考とし、またそのひとつの理想のあり方だと思っているものは、芥川也寸志著の『音楽を愛する人に』(ちくま文庫)という本である。
この本は、いわゆる「名曲」を百曲選び、それについての紹介文を見開き2ページずつにまとめたものだけれど、実に面白い。専門的な音楽用語を全く使わずに、これだけの内容を簡潔に書くことができるというのは、まさに本物の音楽家で本物の文章家の業だ。
百曲の中にイベールの「コンチェルティーノ・ダ・カメラ」が入っていたり、芥川氏のサクソフォンに対する嗜好や興味をかなりはっきりと見てとることができるのも、興味深い。

「あとがき」がまた、素晴らしい。
ここに全文引用したいくらいだけど、さすがにそれはできないので。

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2007.09.21

これからのいろいろ(続き…にならず)

チケット入れ(この先行く予定のコンサートチケットを入れておく封筒)が最近妙に重いなあと思っていたら、こんな状態になっていた。

Tickets

重い訳だ。(額面総額は幾らになるんだろうか?)

うち、定期会員になっている都響新日本フィルのチケットだけで20枚近くあるので、仕方ないんだけど。
真ん中のカードは、都響のメイト会員券。これ1枚で定期演奏会7公演分。
なお明日からは、貝沼拓実さん、佐藤渉さん、新日本フィル定期の「こうもり」(J.シュトラウス)の三連戦です。
サクソフォン絡みのコンサートは、意外と、ない。明後日が終わると、10月のトルヴェールクヮルテットと、しまっぷー先生の小さなコンサートくらいか。

同名エントリのつづきを書こうと思っていたんだけど、チケットの束を見ていたらくじけてしまいました…(^^;
もう寝ようっと。

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2007.08.30

これからのいろいろ

この秋も、聴きたいコンサートは目白押し。

8月はシーズンオフでコンサートがあまり開催されず、聴くという楽しみはあまりないけれど、代わりに秋以降のスケジュールに思いを馳せてチラシを眺めてみたりチケットを手配したり、という方面の楽しみがある。
旅行だって買い物だって、計画を立てている時が楽しい、ってのがあるじゃないですか。コンサートだって同じこと。
この秋からは2年ぶりに新日本フィルの定期会員(トリフォニー第2日)に復活することになったし、今日は都響のインバル指揮(!)年末の「第九」公演の会員優先予約を済ませてきた。(ディープなコンサート・ゴーアーにとっては、「第九」とは8月とか9月にチケットを取るものなのです(^^;)

さて、サクソフォン系のコンサートも多士済々なのだが、そんな中の第一弾、雲カルのアルト奏者佐藤渉さんのリサイタル(9/22)のチケットを取ろうと、先日マネジメントのレックスのサイトにお邪魔したのだが、そこで偶然、オリヴィエ・シャルリエ(Vn)と上田晴子(Pf)のリサイタルの告知(9/19)を見つけ、びっくりして思わず一緒に発注してしまったのだった。

オリヴィエ・シャルリエ(パリ音楽院ヴァイオリン科教授)といえば、私にとっては紛れもなく世界最高のヴァイオリニストのひとり。
正確無比な技巧と、どんな細部にまで「意思」を通わすことのできる強靱きわまりないフレージングは、今まで私の聴いてきたあらゆる器楽演奏家たちの中でも最高レベルのものだ。
しかし何故か、大きなマネジメントとか派手な演奏活動とかとは無縁の人で、一番最近聴いたのは一昨年の静岡でのアマチュアオーケストラとの共演だったし、今回のリサイタルだって、会場はキャパ250のルーテル市ヶ谷センターだと。
サントリーホールとかオペラシティとかで、何千人もの客を集めてリサイタルをする斯界の名手たちに全く引けをとらない、どころか、彼ら(彼女ら)よりもよほど聴くべきものを持った演奏家だと思うのだが。

これはやはり、仕事が忙しいとかなんとか言ってないで聴くべきだと思った。
これでルーテル市ヶ谷程度のキャパの会場さえ満席にならないようだったら、日本の聴衆の見識が問われるというものだ。
ピアノの上田さんも素晴らしい方だと自信を持って言える。2004年だったか、作曲家湯山昭のデビュー50周年記念コンサートというのを紀尾井ホールで聴いた際(須川さんが「マリンバとアルトサクソフォーンのためのディヴェルティメント」を吹いていた。ライブCDも出ている)、何人ものピアニストが出演された中に上田さんもいたのだが、ひとりだけ音色も響きもダイナミクスも飛び抜けて聞こえたものだった(勿論、出演されていたのは全員名のあるプロのピアニストばかりだったにもかかわらず)。

…シャルリエに入れ込んだおかげで、他のコンサートのことが書けなくなってしまった(^^;
つづきはまた日を改めてやりましょう。

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2007.07.04

週明けの新着

SheetMusicPlusに注文していた、「朝鮮民謡による変奏曲」(J.B.チャンス)のフルスコアが届いた。

Variations on A Korean Folk Song

今年からお邪魔するようになったK高ウィンドアンサンブルの、今年のコンクール自由曲。
「やる曲のスコアを自分で買うトレーナーというのも珍しい、」と顧問の先生には笑われたけれど(^^;、実はこれ、私としては大学3年のとき所属していた大学吹奏楽研の定演で「指揮者デビュー」した思い出の曲で、なんといっても歴史的な名曲だし、値段も$10.5だし(他に送料が$4.99。スコアがちゃんと別個に買えるところがさすがアメリカ)、コピーして製本する手間を考えたら安いものだ。そもそも自分で演奏する曲のスコアを買う、というのは私にとっては自然な行動様式でありまして。
…あっ、そうか、自分で演奏する訳じゃないんだった(^^;

打楽器群がスコアの真ん中の段にいるのが、なんだかオーケストラのスコアみたいだ(一番下段は金管群)。

知り合いに、朝鮮民謡やる、と言ったら「サックス吹き的にはあんまりおいしい曲じゃない」みたいな言われ方もしたけれど、ちょっとそれは違うんじゃないかとも思う(吹いていて「おいしい」、という捉え方には違和感を感じる)。その曲が、トータルとして手間と時間をかけて勉強し練習していくに値する音楽であるか、ということが重要ではないかと。
そういう意味では、これは間違いなく「傑作」であり、この世界の「古典」の名にふさわしい音楽だと思う。隙がなく均整のとれた構成といい、簡潔で効果的なオーケストレーションといい、何よりも元の主題となった歌(「アリラン」)に対する真正なる敬意の存在、という点で。

最後に挙げた点については、残念ながら最近のある種のバリエーションや編曲ものに関してまるで欠けている(ように感じられる)ことが往々にしてあって、苦々しく思っている。どこを探しても元の曲の尊厳などまるで見当たらないほど改変したあげくに「編曲です、」と言い張るとか。
これはまあ、作曲家(編曲者)としての一種の宣伝というか売名行為のようなものだろうと思っている。そりゃそうでしょう、聞いたこともない作曲家の名前があるよりも、とりあえずホルストやビゼーやチャイコフスキーやヴィヴァルディなんていう名前がセットでプログラムに載っているほうが、少なくとも注目はされるだろうから。
…オレは何を書いているんだ。閑話休題。


Valses週明けには荷物が届くことが多い。(どこの店や会社も、週末に発送業務が集中するせいか?)
こちらはAmazonから届いたCD。

レイナルド・アーン(1875-1947)/ワルツ集「ひもときし手紙のリボン」、歌曲「くちづけのゆえに」(Fontec
 アンリエット・ピュイグ=ロジェ&高野耀子(Pf)、
 河本喜介(Br)

最近、ティッサン=ヴァランタンやピュイグ=ロジェのCDについての2年前の投稿に関してコメントのやりとりをさせていただいた際、いろいろ調べごとをしていて見つけ、注文していたもの。

ピュイグ=ロジェ女史滞日中の、1983年の録音。
リンク先の投稿で挙げたドビュッシーとフォーレのCDと、同じ音がする。
音色が同じ、というより、喋り方(音楽的な)、というか、響きのイントネーションが同じなのだ。
曲そのものはサロン風の小品集で、シャブリエのように勢いよいところもあり、かと思うとプーランクやサティみたいでもあり、といってもシャブリエほど明るくはなく物憂げでシャンソンチックな、要するになかなか魅力的な音楽。

ジャケットには、夢見がちに上方を見ながらピアノを弾く、コクトーの筆によるアーンの肖像画。
この、人生投げてるような雰囲気そのままの音楽だと思った。

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2007.06.18

リード博士の遺言

ひとつ大きな本番が終わる度に、(故)アルフレッド・リード博士がいつも仰っていたことを思い出す。

「今日の本番がどんなに素晴らしいものであったとしても、次の本番はよりもっと素晴らしいものになるように、努力をしてください」

日本に来て指揮をされる時には、昭和の最後の春に初めてお目にかかった時から、最後にお会いした一昨年の音の輪コンサートまで、いつでも、どこの楽団でも(打ち上げの席上であれ、これから本番という最後のリハーサルが終わった時のコメントであれ)、一貫して同じことを仰っていた。
やはり、リハーサルの度に必ず口にされていた「音楽は聴衆に届いてこそ意味がある、どんなに素晴らしい演奏であっても、聴く人に届かなければそれは単なるリハーサルにすぎない」、というフレーズと並んで、私たちなじみのプレイヤーの間では「リード先生の二大耳タコ」、と呼んでいたものだ。

…そのことを仰ってくれた先生は、もういない。

ある意味、あまりにも当たり前なことなので、正面きって言うのは少々気恥ずかしいことでもある。
リード先生のように、自身に説得力と貫祿が備わった人物が言うのならともかく。
だけどそれは、時代や場所を超えた確たる真実であり、誰かが伝承しなければならない言葉だと思う。

…しょうがない、オレが言うぞ。

明日は今日より、もっと素晴らしい演奏が出来るように!
明日は今日より、もっと素晴らしい日であるように!

practice.

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2007.06.15

読売日響の不可解

読売日響から手紙が届いていた。
7月に聴きに行く予定の演奏会の客演指揮者、ラファエル・フリューベック・デ・ブルゴス(読響名誉指揮者)が病気のためキャンセル、別の人に交代になったとのこと。
同じ文面が読響サイトにもupされているので、そのまま引用。

>(引用開始)
―指揮者交代のお知らせ―
 7月の読売日響公演に出演を予定していました当団の名誉指揮者ラファエル・フリューベック・デ・ブルゴス氏が病気療養のため来日できなくなりました。
 同氏に代わり、7月7日(土)《第91回東京芸術劇場マチネーシリーズ》はミハイル・アグレスト(Mikhail Agrest)氏が、また11日(水)《第141回東京芸術劇場名曲シリーズ》、12日(木)《第492回名曲シリーズ》、および17日(火)《第462 回定期演奏会》、19日(木)《名曲シリーズ・名古屋公演》はパオロ・カリニャーニ(Paolo Carignani)氏がそれぞれ指揮することが決まりましたので、ここに謹んでお知らせいたします。
 なお、曲目、ソリストについて変更はありません。
2007年6月6日
財団法人 読売日本交響楽団
>(引用終了)

ふーむ。それは残念。
フリューベック・デ・ブルゴスといえば、スペインではそれこそ人間国宝級の巨匠ではないか。
60年代にEMIに録音したファリャの「三角帽子」や「恋は魔術師」、ソリアーノのピアノで入れた「スペインの庭の夜」などの演奏には昔から親しんでいたし、今でもそれらの曲の録音の決定版のひとつだろうと思う。
私としてははじめて実演を聴くのを楽しみにしていたところだが。

…ところで、上の告知の文章だが、1行抜けてません?

「楽しみにされていたお客様におかれましては、事情をご拝察の上、なにとぞご了承下さいますようお願い申し上げます」とかなんとか、普通は一言あるだろうと思うんですが。
また、このように公演内容に重大な変更があった場合、チケットの払戻しがあるのか無いのか、ということは客としての関心事のひとつなのだから、それについても書いておいて然るべきだと思う。…まあ、何も書いてないということは、無いんでしょうけど(多分、払い戻すという発想そのものが無いんでしょうね(^^;)。

そもそも上に引用の文面、フリューベック・デ・ブルゴスの指揮を楽しみにチケットを買ったお客さんへの心配りが全然感じられない、というか、「指揮者が交代したのは私たちのせいじゃないもんねー」、みたいな他人事じみた感覚を感じてしまうのは、ワタシの見方がひねくれているんだろうか?
これが例えば、スペイン産の最高級食材を使っていることを売りにしているレストランで、調達にトラブルがあってそのへんのスーパーで売っているような材料を使わざるを得なくなったような場合を考えてみるといい。
上のようなおことわりの言葉で、客は納得するだろうか?

…読売日響というオーケストラ、技量的には東京のプロオーケストラの中でもトップクラスだし、曲目も出演者もなかなか面白いし意欲的だし、聴けば聴いたで悪くない演奏をするんだけど、私としてはどうもいまひとつ好きになれないというのはそういう、客を何だと思っているんだ、みたいな(主に運営側の)態度が往々にしてこういう場面で典型的に見えてしまうことによる。
別に、「読売」と名のつくものが嫌いだから、という単純な理由ではない(と思う(^^;)。
楽員さんには責任はないことなので、申し訳ないんだけれど。

そういえば読響って、主催のコンサート会場(定期演奏会とか)でチケットを販売していないんだよね。
自前のコンサートの会場のロビーにブースを出して、翌日以降の自分たちの公演チケットを売るというのは、他のオーケストラだったらどこでもやっている。
そういう機会にチケットを買うことは、私の場合多い。チケットはやはりプレイガイド(ぴあ等)で探すより主催者から入手するほうがよい席が取れるし(ぴあで売り切れていても主催者のところにはいっぱい残っている場合も多い)、座席表を見ながらそのオケの職員の方から直接買う、というのは確実だし安心感がある。
そもそも、理屈でなく、コンサートでよい演奏を聴いて、もっと聴いてみたいと思ってそういう行動に出るというのは、自然なことではないか。

どうしてそういうことをしないのかな?いったい何の理由があってのことだろう?
全く判らない。

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2007.06.13

江村哲二さんが亡くなった

作曲家の江村哲二さん死去、47歳

…あまりにショックだったので、予定を変更して急遽upする。

ほぼ同世代、面識は無かったけれど、ブログはいつも読ませていただいていたので、とても身近な人のような錯覚があった。
現代音楽のコンサート会場のロビーで、池辺晋一郎、一柳慧と3人で談笑されているところを遠巻きに見たこともある。
昨年の新春の、大野和士指揮新日本フィルによる「地平線のクオリア」(朝日新聞では「代表作」という扱いになっている)の初演は、とても印象的だった。ドビュッシーみたいな美しくたゆとう響き。
このうえないほどの聡明さを持ちながら、頭でっかちでなくむしろ強烈な「意志力」を感じる音楽は、その文章から受ける印象そのままだった。

最後の投稿となった5月31日付のブログの文章を、頭を垂れつつ読む。
…すごい文章だ。
もうこれ以上、この人の書いたものを読むことはできない。

無念だ。

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2007.06.12

課題曲のDVD

しかし、まさかワタシがこの歳になって、吹奏楽コンクールの課題曲の参考音源と映像をスコアと睨めっこしながら聴く(観る)ことになろうとは、思わなかったな。

参考演奏は、秋山和慶指揮(!!)大阪市音楽団による。
全日吹連もまた大物を担ぎ出してきましたなあ。秋山さんといえば、斎藤メソードの最も正統なる継承者として、そのテクニシャンぶりは世界的に認められた指揮者ではないか。アメリカあたりでは故ユージン・オーマンディと並ぶ協奏曲伴奏指揮の名手として、評価が確立しているそうだ。(そういえば私が初めて秋山さんの指揮を見たのは、田中靖人さんが1位だった1987年の管打楽器コンクールの入賞者演奏会だった。日比谷公会堂でオケは東響。デュボワのコンチェルトを振っていたんだけれど、あまりにも見事な指揮ぶりに演奏そっちのけで見とれていた記憶がある(^^;)
そんな秋山さんが、いかにもコンクール課題曲という典型的なつまらないマーチばっかり5曲(今年のマーチは、また一段とどれも似通った雰囲気なことだ)も振るというのは、なんだか鶏を割くに牛刀を以てす、みたいなところもある。
ご本人も、なんだかテキトーに振ってます、って趣なんだけれど、たまにリタルダンドやリテヌートがあると、いきなり本領発揮って感じでなにげに物凄いことをやってくれている。微妙にリテヌートをかけながら、次の瞬間にはいつのまにか次のテンポの予備拍の位置に指揮棒が移動していたりとか、ほとんど手品の世界。絶対真似できない。
大阪市音はなかなかよい演奏を繰り広げている。木管・金管それぞれのサウンドが、パッと聴いてそれと分かる個性として確立されていることには、感心。

課題曲の楽譜は4曲セット15000円、参考演奏DVDは2500円だそうだ。
これを日本全国津々浦々の吹奏楽部のある中学校、高校、大学、あとコンクールに参加する一般バンドがみーんな買う訳でしょ。…全日吹連もボロい商売してるよなあ。
吹奏楽コンクールの課題曲がつまらないのは今に始まったことではなくて、心ある方の中には、課題曲なんて任意のスーザのマーチを選ばせればいい、とか、團伊玖磨の「祝典行進曲」1曲でいいじゃないか、とか、正論を仰る方もいらっしゃるんですが、吹連としてはこんなボロい商売、今更止められないんでしょうなあ。いやはや。

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2007.06.05

羽田健太郎さん死去

この土日も、プレイヤーモード全開で過ごす。
楽器を担いで(土曜ソプラノ、日曜バリトン)、電車を乗り継いでそれぞれの練習場所へ行き、合奏に参加し、練習の合間や終わった後には、毎週会っている方や久々に会う方やはじめて会う方と話もする。
こうやって過ごす時間が、この先の自分自身の一部になっていくといいと思う。…

書くネタは無い訳ではなく、むしろあり過ぎて困るほどだけれど、今日はもう遅いのでやめておこうと思ったが、やはりこれだけは書いておく。

ピアニストの羽田健太郎さん死去

58歳は若すぎる。(私事だが、私の母が亡くなったのも58だった。もう17年も前のことだけれど。)

ああいう存在の仕方をしている人だったから、色物かと思ったら全然そんなことはない。半端じゃなくピアノ上手かった。スクリャービンのピアノ協奏曲(東響の定期で聴いたんだったかな?)が忘れられない。
ご冥福をお祈りします。

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2007.06.01

この秋のコンサート(外来オケ編)

この秋の、ギャルド・レピュブリケーヌ吹奏楽団、パリ管弦楽団、フランス国立リヨン管弦楽団の来日公演のチケットを、無事確保。
東京が外来オケラッシュなのはいつものことだけど、今年は特にワタシの守備範囲に偏っているので(フランス系の団体はなぜか集中する傾向がある)、チケット代が怖かったのだが…

ギャルドは11月3日の東京国際フォーラム・ホールA。5000席のホールだが、席を考えさえすれば聴くに堪えないほど音が悪いわけでもないし、何よりチケットが安い(S席でも5000円)。2階の中央2列め。
11月6日のオペラシティのプログラムにも惹かれたけれど(ナカリャコフがソリストとして出演するし、曲目がよりマニアック。なんといってもブートリーの楽長就任以来封印されてきた「ディオニュソスの祭り」が46年ぶりにとり上げられるというのは、ひとつの事件)、この日は熟考の末、リヨン管(サントリーホール)へ。
リヨン管はネームバリューという点では、パリ管との競合で埋没しそうな感じはあるけれど、実は素晴らしいオーケストラだ。過去何度か聴いた印象からは、古き良き時代のフランスのオケのローカルな雰囲気と繊細さを今に残すという点で、ワタシ的にはパリ管よりもずっと好きなオケ。一般発売は6/2からだが、カジモト・イープラス会員の優先予約で既に2階ステージ脇の最低ランク席を押さえてしまった。なんと4000円(国内オケ並み)。この曲目でこの値段だったら、文句ないでしょ。サントリーの2階ステージ脇というのはまた意外と良い音がする、ということは知っているし。

パリ管はNHK音楽祭の公演で、11月5日NHKホール。サントリーホールでの公演はもう少し先の発売のようだ。
3階右翼席、5500円。3階のサイド前方というのは、見晴らしが良くて音も意外と良く、この紅白歌合戦ホールの中ではお気に入りのブロックで、チケット代も安いのがありがたい。昔からN響を指定席で聴く時には必ずこのブロックを選んでいたものだ。
曲目に「ボレロ」が入ってますね。今回はサックス吹きは誰が来るんだろうか。

という訳で、3つ合わせて14500円。
パリ管の前回(2005年)来日公演は、サントリーホールのB席(上から3番目のランク)でも一公演だけで16000円払った記憶があるので、今回はかなり安く上がったことになる。

NHK音楽祭のサイトで、音楽祭の他の公演とセットで申し込むと5%オフ、というスーパーの割引みたいなことをやっていたので、思わず11月14日のシュターツカペレ・ドレスデンを一緒に申し込んでしまった。6000円。
この秋はゼンパーオパーが日本公演をするので、そのついでにオーケストラだけのコンサートを開催するということのようだ。
シュターツカペレ・ドレスデンは昔から好きなオーケストラだったけれど、いつもあまりにチケットが高くて一度も生で聴いたことがなかったので、今回はからずも初めて聴けるのが嬉しい。

その他、まだ発売は先だが、チェコフィルが11月27日にマーラーの3番をやるという噂なので、これも是非聴きたいところ。

あとは当日早く帰れるかどうかだ(切実)

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2007.04.28

ロストロ、逝く

チェロのロストロポービチ氏が死去

ブログに1本新規エントリを上げたあと、ネット上をさまよっていて知った、大きなニュース。

ロストロ氏のチェロは、結局生で聴く機会はなかった。
指揮は何度か観たけれど、どれもずいぶん昔のことになってしまった。
東フィルの定期で、ショスタコの9番とチャイコの4番というプログラムを聴いたのは、20年も前のこと。
新日本フィルの定期で、ベートーヴェンの英雄とショスタコーヴィチの10番を一度に聴いた、というタフな経験も、10年じゃきかないくらい前のことだと思う。

Cd146

夜も遅いけれど、追悼にこのCDを聴き始めたところ。
高校1年生のとき(ちょうど30年前)、吹奏楽で「シェエラザード」の第2楽章を演奏したんだけど(無謀であった)、その当時に聴き込んでいた演奏。
あまりにも懐かしい。もう何年も聴いていなかった筈だけれど、聴き始めると全ての音、全ての音符が記憶の底に刷り込まれていることに気付く。
1974年録音、ということは、当時バリバリの最新録音だった訳だ。
ジャケットは、シャガールがロストロポーヴィチのこの録音のために描いた絵、とのこと。

…私にとってロストロポーヴィチの名前は、結局のところ、この演奏とともにあるようだ。

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2007.03.08

萩元さんのこと

Hagimoto Haruhikoとてもあたたかく心に残るコンサートを聴いた。

ハギモトハルヒコ 夢コンサート'07(カザルスホール)

プレコンサート(Org独奏:浅井寛子)
朗読:谷川俊太郎
モーツァルト/ヴァイオリンソナタ変ロ長調K.454(Vn:堀米ゆず子、Pf:児玉桃)
フォーレ/ピアノ四重奏曲第1番(Vn:フィリップ・グラファン、Va:今井信子、Vc:宮田大、Pf:児玉桃)
ポッパー/レクイエム(Vc:山崎伸子、加藤陽子、門脇大樹、辻本玲、堀内詩織、宮田大)
リドー/フェルディナンド~花の好きな牛(Vn:フィリップ・グラファン、語り:藤田弓子)
ラヴェル/弦楽四重奏曲(Vn:堀米ゆず子、フィリップ・グラファン、Va:今井信子、Vc:宮田大)
司会:マリ・クリスティーヌ

2001年に亡くなられたテレビ界・音楽界の名プロデューサー萩元晴彦氏をしのび、氏の誕生日に毎年ここカザルスホールで開催されているコンサート。
テレビマンとしての、あるいは「室内楽の使徒」としてのクラシック音楽プロデューサーであった氏の豊かで幅広い交友関係を物語る、見てのとおり驚くばかりに豪華な出演者陣による素敵なひとときだった。フォーレのピアノ四重奏曲凄かったなあ。アダージョ(3楽章)冒頭の今井信子さんのヴィオラの音には鳥肌が立った。チェロの宮田大という人はまだ桐朋の学生だそうだが、これほどの大物演奏家達に交じって全くひけを取らず堂々と自己主張している。先が楽しみだ。2005年の日本音コン1位だそうだが、きっと近い将来もっと大きなところに名前が出てくるに違いない。
藤田弓子さんの朗読(ヴァイオリン独奏とナレーションのための作品)も楽しかった。こんなにきちんとマイクに乗る、きれいな日本語の発音は久しぶりに聞いたような気がする。
しかし谷川俊太郎さんって、ホントにどこにでもいそうな普通のじいさんなんですね…

また驚いたのは、出演者ではないが、当日のステマネを、かの舞台裏の神様、まあちゃんこと宮崎隆男氏がみずから務めていたこと。なんと今日の主役の故人より年上の御歳80歳(!)にして、両手に椅子でも譜面台でも2脚持って曲間の舞台上を忙しく立ち回っておられた。
舞台上でお姿を見たのは久しぶりだったが、今も水戸芸術館のステマネとして現役なのだそうだ。すごい…。こういう人にはいつまでもお元気でいてほしいものです。

萩元晴彦さんには、私が15年前にカザルスホール・アマチュア室内楽フェスティバル(ACF)に出場した際に、一度だけ間近にお目にかかったことがある(萩元さんは当時、カザルスホールの総合プロデューサーを務めておられた。ACFの生みの親でもある)。
当時都内で活動していた、東京シティウィンドアンサンブルという、付けたもん勝ちな名前のサクソフォンカルテットで出場した時のことだった。私は30歳になったばかり、最年長でアルトを吹いていて、最年少は16歳、かわいらしい高校生だったソプラノのSさん。先生と生徒のように歳が離れているので「師弟ウィンドアンサンブル」、とか言ってたっけ(^^;
ソプラノとアルトは向かい合って座るので、練習や本番の度に真正面から若く一途な音とパワーが飛んでくるのがとても楽しみで、また眩しかったものだ。
終演後のレセプションでは、萩元さんはSさんをつかまえてかなり長いこと話し込んでおられた。Sさんは当時既に、将来はプロになりたいと言ってレッスンにも通い始めていた頃だったので、演奏を聴いた萩元さんとしては、プロデューサー的に何か感ずるところがあったのだろうと思う。
Sさんが将来プロになって、ここカザルスホールでリサイタルを開く未来を夢見ていたあの頃だった。

のちにカザルスホールは、ご存じのようにバブル崩壊後の紆余曲折の末、「室内楽の殿堂」を夢見た設立当初の理想とは似ても似つかぬ姿となって、今日に至る。
ホールの名前にも、今は頭になんだかどっかの大学の名前がくっついているけれど、私にとっては「カザルスホール」は常に「カザルスホール」であり、それ以外の名前で呼ぶつもりはない。

Sさんはのちに芸大に進み、卒業後はオランダのアムステルダムへ留学、今はかの地でサクソフォンと笙の演奏家、作曲家として活躍中とのこと。
Sさんが日本に帰ってきたら、また何か一緒に面白いことをやりたいな、と思っていたけれど、結局すっかり向こうに居着いてしまったようだ。
だがしかし、偶然なのか天の配剤なのか、いま私のアンサンブルでお世話になっているしまっぷー先生は、奇しくも、Sさんとは芸大で同級生だった方なのです。

人の縁とは、本当に不思議なものだ。

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2007.02.23

編曲ということ

17日の練習のあとも、深夜は相変わらず編曲作業続行中。
「真夏の夜の夢」の序曲に続き、「夜想曲」が既に8割方出来ているので、次の日曜の練習に間に合いそうだ。
月曜日から書き始めたのだから、自分で言うのも何だが驚異的なペースだと思う。

PCに向かってサクソフォンアンサンブルの音符を並べていると、幾らでも時間を費やすことができる(ちなみに、Sibelius2を使っている)。
晩ごはんを食べ終わってから作業を始め、全く休憩なしで気が付くと3時だ3時半だとなっていて、さすがに明日の仕事のことを考えると打ち切って寝ざるを得ないけれど、疲れている訳では全然ないので、その気があればまだまだ続けることだって出来る(こないだはそうやって朝の8時になってしまった訳だ)。仕事だったら絶対こうはいかないな。「寝食を忘れる」、とはこのことだ。

編曲という作業は、演奏という行為に似ている。人前でする演奏ではなくて、仕込み作業のほうに近いが。
私は管楽器吹きなので、大編成の合奏の中の一つの声部しか演奏できないけれど、楽譜を書いているとその制約を離れて、あたかもピアニストのようにすべての音符を自分の統率の下に演奏しているような気分になれる。
むかし東京でサクソフォンカルテットのチームを組んで活動していた頃、練習時によくピアノの小品を四重奏に書いて持参し、余り時間に初見で音出ししてみたりしたことがあった。三善晃の小品などが結構評判良かったようなおぼろな記憶が。
ただ自分としては、楽譜を書いた時点で満足してしまうので、実際の音にしたいという欲求はそんなに無かったように思う。

ラヴェルが自分のピアノ曲をたくさんオーケストラに編曲したというのも、絶対同じような動機だろうと思っている。
自分が作曲した作品といえども、書き上がれば自分の手を離れてしまう訳で、そういった作品を再び自分の下に呼び戻すために、「オーケストラ」という自分の最も得意とする楽器を使って、それらを再び自ら演奏(=編曲)しようとしたのではないか。
あ、勿論、ワタシ自身をラヴェルと比較しようなんて思っちゃおりませんが(^^;

それにしても「真夏の夜の夢」の夜想曲、なんといういい曲だろうか。
楽譜を読んで音を思い浮かべながら、あまりの美しさに泣けてきてしまうこともある。
魔法のように魅力的な旋律。音程の跳躍なんかほとんどない、順次進行だけで出来てるようなシンプルなメロディなんだけど。

ハンパな演奏は出来ませんぜ。

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2007.02.10

これはすごい!

レ・ヴァン・フランセを蒲田で聴いたあと、東中野での呑み会に直行。
盛り上がって、終電帰り。
風呂入って上がってきたら、もうこんな時間。明日早いのに。

今日のことは後日改めて書くとして、全然関係ないけれどとりあえず以下の映像でもご覧ください。
よそのブログでupされていたものなんですが、あまりにも凄すぎるので、こちらでもご紹介。
音楽の、というか、「パフォーマンス」というものの本質だと思う。

http://www.youtube.com/watch?v=gsBC5C5ERho

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2007.01.12

2007年東京オーケストラ界

東京のプロオーケストラの、今年4月からの新シーズンのスケジュール一覧。
自分のための覚え書きとして。
9月に新シーズンが始まるN響新日本フィルは除く。N響は一部分、新日本フィルは日程のみ発表になっている。

東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
東京交響楽団
東京都交響楽団
東京フィルハーモニー交響楽団
日本フィルハーモニー交響楽団(直接リンクできず。開いた先で各コンサートシリーズをクリックしてください)
読売日本交響楽団

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2007.01.03

さよなら銀座ヤマハ

ヤマハ銀座店が、建物老朽化に伴う改築のため明後日(5日)限りでいったん閉店となる。

Ginza-Yamaha 070103

「銀座ヤマハ」といえば、東京または近辺で音楽活動を続けてきた人間だったら、行ったことのない人はおそらくいない。「楽器屋さん」あるいは「楽譜屋さん」の代名詞のような店だ。
ここを初めて訪れてから、もう30年が経つ。たしか、中学のブラスバンド仲間が新しいリコーダーを買いに行くというので、付き添いというか、連れション状態で数人で押しかけたのだった。静かで高級感あふれる店内の雰囲気におよそ不似合いな騒々しい中坊集団でも、ちゃんとお客さんとして扱ってくれた。
帰りがけに「YAMAHA」の大きなステッカーを貰ったので、当時使っていた英語の辞書(三省堂のクラウン)の裏表紙に貼った。でかでかと「YAMAHA」という文字が貼られたその辞書を、そのまま中学、高校を卒業し、大学生になるまで使ったものだ。

閉店記念イベントの一環として、1F店頭イベントスペースにて雲井さんのミニコンサート(&サイン会)があったので、行ってきた。

Ginza-Yamaha 070103
中2階より

シンプル・ソング(バーンスタイン)、コラールプレリュード第1番(バッハ=コダーイ)、イタリア協奏曲より2楽章(バッハ)、「ディア・ハンター」よりカヴァティーナ、ロメオとジュリエット、ニュー・シネマ・パラダイス。
こういう場にしてはまたえらく地味な選曲なところがいかにも雲井さんだけど、いったん耳を傾け始めると、場に媚びない凛とした雲井さんの音がある。
ニュー・シネマ・パラダイスの真ん中へんで、演奏以外の物音が一切無くなってしまったかのような、不思議な静寂の一瞬があったのが、なんだかとても印象に残った。中央通りに面した、CD売り場兼の、暗騒音喧しいフロアの筈だったのだが。

終演後、サイン会の列に並んだら、「上に居たでしょ」と言われた。(^^;

終了後は、これが最後だろう、各フロアを見て回る。
階段や踊り場では、ビルの歴史を回顧するパネル展示がされていた。

Ginza-Yamaha 070103

度重なる大規模改修により、そんな築55年を超えた古い建物には一見、見えないけれど、階段などの造りには、竣工当時の面影がなんとなく残っているような。

地下の楽譜売場で、阪口先生の「黄色い教本」を購入。1785円。

Sakaguchi_sax_method

勿論、初めて買う訳ではない。ずーっと昔に最初に買ったものは(800円くらいの頃)、高校を卒業するときに学校の楽譜棚に置いてきてしまったし、その後もう一度買っているが失くしてしまった。
その後は、いまさら「黄色い教本」でもあるまい、と思って持っていなかったのだが、先日阪口先生の録音についてのエントリを上げた機会に久々に見返してみて、やはりこれは手許に置いておく価値はある、と思い直したのだ。

阪口先生はある意味、天才肌のプレイヤーだったので、この教本はサクソフォンの奏法を論理的に解説するような類のメソードではないけれども、阪口先生自身が書かれたそれぞれの練習曲、収録の二重奏や四重奏の小品の数々は、今の目で見ると昔とは大いに違った価値を見出すことができるように思う。
昔は、最後のページはラヴェルの「眠りの森の美女のパヴァーヌ」の四重奏編曲だった記憶があるけれど、今の版はドビュッシーの「小さな羊飼い」に差し替っているのね。

最初に出版されてからもう何十年も経っている筈だけど(少なくとも私が最初に買ってからも30年近く経っている)、それほど古さを感じさせないデザインなところもすごい。

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2006.12.09

リード博士のスコア

冷たい雨の一日。
今日は、APIの青山社長より依頼を受けて、ヤングかわさきジョイフルバンド(だったかな)という中高生対象の一発バンドのSaxパート練習指導をしていました。
曲はアルメニアンダンスパート1とアルヴァマー序曲。2回目の練習とのことだったが、ことウチのパートに関しては皆意外としっかりさらってあって、なかなか突っ込み甲斐のある練習が出来たんじゃないかと思う。
午前午後一杯に使ってこの2曲という配分だったが、それでも最初丁寧にやりすぎて時間が足りなくなり、アルヴァマーは駆け足でした。いかんいかん。

人を教える仕事をするたびに思うけれど、自分が言ったことが正しく相手に伝わっているか、相手にとって何かの役に立っているのか、検証することはとても難しい。実際のところどうなんだろう、と考え始めると、頭の中に?マークがたくさん浮かんでくる。
レッスンを生業としているプロの方々ってすごいなあ、と率直に思う。

高校2年生のメンバーで、一昨年(暦の上では昨年)のアンコン東関東大会で同じホテルに前泊した、フロートのT先生の教え子の女の子がいて(当時中学3年生。こちらに日記が残っている)、びっくり。さすがにとても上手だった。そういえばあの時は夜の11時まで練習したっけねえ。
しかし、ここ川崎の吹奏楽業界でのフロートの、というかT先生の知名度はすごいもんです。さすが、普門館で金賞獲ったりすると違うよなあ。

Armenian_dances

API所蔵の、アルフレッド・リード博士が生前自ら使っていたという、アルメニアンダンスパート1のスコア。
練習番号毎に、指揮している時に見易いよう、番号がすべて自筆で大きく(見慣れた筆跡で)朱書してある。…几帳面な人だったなあ。
見ていると、いろいろなことが思い出されて、胸がいっぱいになってくる感じ。…

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2006.11.17

CD2枚に、ワーグナーのオペラ全部

CD_Wagnerといっても、音楽CDのことではありません。

SheetmusicPlusから届いた、CD Sheet Musicのワーグナー・オペラ編。
以前のエントリでも別のタイトルのものをご紹介したことがあるけれど、ワーグナーの全ての歌劇・楽劇全曲のピアノ・ヴォーカルスコアをPDF化して、2枚組のCD-ROMに収めて$14.97という代物。
収録されているのは、「妖精」、「恋愛禁制」、「リエンツィ