カテゴリー「コンサート(2006年)」の記事

2006.12.31

振るマラソン進行中

振るマラソン進行中

ただ今6番「田園」まで終了、4回めの休憩中。秋山和慶さんの棒はすごかった。
これから7、8番が続き、もう1回休憩の後、第9です。終演予定元日の0時55分。

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2006、印象に残った演奏会

大晦日。今年最後のエントリになります。
今年聴いたコンサートの中で、印象に残っているものと言ったら…

やっぱり、デプリースト指揮都響のショスタコーヴィチ「8番」ほか、でしょう。ショスタコーヴィチというと時の「ソ連」体制とのかかわりばかりが話題にされるけれど、そんなものを超えた「音楽」そのものでこれほどの内容が語れるとは…
都響ではほかに、インバル指揮のアルペンシンフォニー大野和士指揮の「火の鳥」ほかデプリースト指揮のブルックナー「2番」あたりが印象深い。
今年は都響以外のオーケストラ、特に海外オケを聴く機会が相対的に少なかったので、オケ物では他の印象が少々薄い。でも初めて聴いた札幌響は素晴らしかった。また聴きたい。グラン・カナリア・フィルのローカルな味わいは良かったけれど、2006年を代表するような素晴らしさだったかというと、少し物足りないような。
来年は大変だぞ。11月にはパリ管、フランス国立リヨン管、ギャルドが一気に来る。フランス音楽好きにとっては悲鳴の月。
金貯めておかなきゃ。

ピアノ、室内楽系は、多士済々。
何年ぶりかでやっと生で聴けたモーリス・ブルグのオーボエ。みなとみらいで聴いた、メシアン「世の終わりのための四重奏曲」。ジェラール・プーレVn、ロマン・ギュイオCl、フィリップ・ミュレールVc、クリスチャン・イヴァルディPfという強烈なメンバーだった。

サクソフォンのコンサートはですね…
待望のハバネラ来日公演も、栃尾さんのバリトンリサイタルも、須川さんのコンチェルト・オン・ステージも、勿論良かったんだけど、いま「今年最も印象に残った」、という観点で思い起こすと、年明けほぼ一発めに聴いたクインテット・シルクが不思議と忘れがたい。
つい先日のサクソフォーン・フェスティバル2日めにも、この時と同じメンバー、同じ曲目のグリーグ「ホルベア」を再び聴くことができた。ある意味「プロ」らしくないほどの、細部への執拗なこだわりを感じさせながら、決して末端肥大に陥らない、冬の森の冷たい空気の中を一散に駆けていくような、「爽やか」といってもいい一心に集中した快さがあった。

長いことサクソフォンのコンサートを聴いてきて、一時期、一部の若い人(私より一世代若い人達)の演奏にどうしても馴染めない時期があった。あんなにものすごく上手なのに、なんでこんなに「音楽」が感じられない演奏をするんだろう?と不思議だった。
そういうものは聴きたくないので、一時敢えてあまり若い人の演奏を聴かないようにしていたくらいで。
それでも、もっと若い世代の中から、音楽の本質というものを、若さならではの直感でもってきちんと捉えている人達というのが、数は少ないながらも着実に現れてきているのが判って、嬉しいことだ。
サクソフォンって楽器も、捨てたもんじゃない。

さて、振るマラソン、今から行ってきます。

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2006.12.27

デプさんの第九

未だにまともな声が出ません(>_<)。そればかりか咳がひどくて、昼間はそれほどでもないのに、夜中に咳き込んで目を覚ましてそのまま止まらなくなるという喘息患者状態になってる。明日ひとつ呑み会をキャンセルしてしまった。残念だけど仕方がない。
サクソフォーン・フェスティバルの記録はもうしばらくお待ちください。

Tirasi061226そんな状態の中、第九を聴いてきた。ジェイムズ・デプリースト指揮の都響(サントリーホール)。
1970年代以前のスタイルの演奏を思い出させるような、オーソドックスかつ分厚いサウンドによる雄渾な演奏が素晴らしい。いま流行りの、やたら速かったり軽かったりするベートーヴェンとは全然違うけれど、そもそもちょっと前までベートーヴェンというのはこういうスタイルで演奏されるのが当り前だった。ちょっと前まで当り前だったのなら、今も当り前であって何故いけないのだ、という自信の程に圧倒される。
合唱もさすがプロ(二期会)、80人程の人数ながら、この重厚なスタイルに全く不足なし。

今年は久しぶりに、聴いたコンサートの回数が90回を超えた。
充実した1年を締めくくるにふさわしい演奏に満足して会場を出たものの、外の季節外れの土砂降りの雨に翻弄されてやっとの思いで家に帰り着く頃には、すっかり現実に戻されていましたとさ…(悲)

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2006.12.20

Tirasi061220東京都交響楽団 第637回定期演奏会(サントリーホール)

シュニトケ/ハイドン風モーツァルト(Moz-Art à la Haydn)
ショスタコーヴィチ/交響曲第8番
 指揮:ジェイムズ・デプリースト

なんだかとてつもなくすごいものを聴いたような記憶があるのだが、あれは現実のことだったんだろうか。そもそも、あのとき聴いた「音楽」の実体とはどこにあるのか。たとえ録音(が残っていたとして)を聴いたところで、あの瞬間に存在した(かもしれない)「音楽」はもう戻ってこないのだとしたら、それが夢まぼろしではないという明証はどこにあるのか。
都響のサイト中に、シュニトケ作品でのソリスト2名(矢部達哉、双紙正哉)によるこの曲の「解題」が載っているけれども、ひじょうに興味深い内容ではありながら所詮は「音楽をことばで語る」ということの虚しさを感じざるを得ない、という結論に落ち着くしかないのだった。

そういう種類の音楽であり、演奏だった。
今日はあまりつまらないことは書きたくない。

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2006.12.16

デプさんのメサイア

すっかり遅い時刻。PCの調子がおかしくてネットに繋がらなくて(まったく、インターネットが使えないパソコンなんて、ただの場所塞ぎな箱だ)、いろいろやっていたら1時間半も経ってしまった。明日早いのに(>_<)

Tirasi061215東京都交響楽団 第636回定期演奏会(東京文化会館)
ヘンデル/メサイア
 Sp:天羽明惠、At:山下牧子、Tn:望月哲也、Br:三原剛
 晋友会合唱団
 指揮:ジェイムズ・デプリースト

開演の7時を5分近く過ぎて駆け込み、チューニングも終わって指揮者とソリストを舞台に迎えるばかりのところでぎりぎり着席。でも、始まってしまえば関係ない。「メサイア」、よございました。力強さと尊厳にみちて、それでいてヒューマンで暖かくて。デプリーストさんにふさわしい「音楽」だ。メサイアって好きな人は本当にハマるようだけれど、その気持ち判る、と思った。
演奏も見事でした。最後近くのピッコロトランペットのソロなど、まさにプロの業!で、ゾクゾクしながら聴いた。合唱もブラヴォー。
有名なハレルヤ・コーラスのところで、何人かのお客さんが起立していたのが面白かった。私は知らなかったけれど(曲目解説にも書いてなかったけど)、そういう習慣があるらしい。

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2006.12.02

田部京子さんのリサイタル

休日。恒例、青梅へ父の見舞い。
夜はコンサート会場に座る。

Tirasi061202田部京子ピアノリサイタル-北欧の抒情(浜離宮朝日ホール)

シベリウス/樹の組曲op.75より ピヒヤラの花咲くとき、白樺、樅の木
同/花の組曲op.85より ひなぎく、カーネーション、釣鐘草
同/5つのロマンティックな小品op.101より 叙情的情景、ユモレスク、ロマンティックな情景
グリーク/ホルベアの時代から(ホルベルク組曲)
同/「ペール・ギュント」第1組曲
同/抒情小曲集より(9曲)

田部さんはデビュー当時から聴いていることになるけれど(都響の定期でベートーヴェンの1番だか2番だか、初期のコンチェルトを聴いたのは、私が都響の会員になった最初の年だったから、もう15年も前のことだ)、意外にもソロリサイタルをちゃんと聴くのは初めて。美しい方です。写真よりずっと美人。音色も美しい。思想だの精神性だのというものはあまり関係なく(ところで、「精神性」って何でしょう?)、とにかくひたすら綺麗な音。耽美的、って言うのか。
今回のプロのような、ひんやりとした抒情の世界が実によく似合う。とくに、滅多に聴く機会のないシベリウスの小品。私自身シベリウスは、交響曲のような大曲よりも、余興で書いたようななんてことのない劇音楽のナンバー等の方がずーっと好きなので。
フォーレとか弾いてくれないかな。似合うと思う。(そういえば以前、フランスのピアニストがグリーグのコンチェルトを弾くのを聴いたけれど、まるでフォーレのように聞こえたのだった。)

後半のグリークは、最近出したCDの宣伝も兼ねてか、CDそのままの選曲。「ホルベルク」は原曲がピアノ曲だった、というのは知識としては知っていたけど、実際に聴いたのは初めて。へぇー。(…どうしても弦楽合奏版を思い浮かべながら聴いてしまうので、ちょっと物足りないかも)

しかし浜離宮朝日ホールのピアノの音は実にイイです。都内のメジャーなリサイタルホールの中で、最もピアノソロ向きの響きのように思える。

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2006.11.26

インバルが帰ってきた!

Tirasi061125東京都交響楽団 第635回定期演奏会(サントリーホール)

ベートーヴェン/ピアノ協奏曲第4番(Pf:エリソ・ヴィルサラーゼ)
R.シュトラウス/アルプス交響曲
 指揮:エリアフ・インバル

本日(25日)2本めのコンサートへ急ぐ。
アクタスからサントリーホールって、30分もかからないのね。

以前は毎年のように都響に客演していたマエストロ・インバル、7年ぶりの登場。
かつて聴いた、マーラーやワーグナー(「ワルキューレ」全曲)の素晴らしさは、今なお鮮烈な記憶が残っている。
今回、大いなる期待は全く裏切られなかった。ブラヴォー。

前半ベートーヴェンを弾いたピアニストはなかなか内省的な演奏をする方で、席が遠かったせいもあり(RDブロック)、ちょっと眠くなった。だけど演奏終了後の拍手はすごかったし、オケのメンバーの拍手もいつになく本気が入っている感じだったので、きっと良い演奏だったのだろう。
後半「アルプス交響曲」。これは圧巻!巨大なスケールを現出する指揮と、随所に仕掛けられたトラップのような演奏上の難所を次々とクリアする、舞台上狭しと並んだ超大編成のオーケストラ。
緊張感とカタルシスにみちた、別世界に連れ去られたような1時間を過ごした。

インバルという人は、音楽をドラマとして演出したりはしない。
音楽自体がどんなドラマよりもドラマティックなドラマであることを、指揮棒1本で表すことのできる、真の「指揮者」、真の音楽家だ。

終演後はまさに爆発的な拍手、今年一番のようなブラヴォーの嵐。
次は来年の12月、マーラーの6番と7番、そしてベートーヴェン「第9」ですか。これは本当に楽しみだ。
ライバルであったベルティーニが亡くなった(都響のポストから外れた)せいで再び都響に来れるようになったのだとしたら、少々複雑な気分ではあるが…。

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2006.11.20

健康診断のあと

朝、年に一度の健康診断。
バリウム飲むのはだいぶ慣れたけれど、その後で貰う下剤がどうも身体に合わないようで、終日調子悪し。かといって飲まずにお腹の中で固まっちゃうとまた地獄を見るし。
2時間遅れで行った職場を、早々に退く。

Tirasi061120今日は招待をいただいていたコンサートがひとつあって、行こうかどうしようか迷ったけれど、職場から近いのでとりあえず行ってみた。平野実貴さんというピアニストの、モーツァルトのピアノ協奏曲の夕べ(浜離宮朝日ホール)。

初めて聴くピアニストだが、K.466(第20番)での何か憑かれたようなデモーニッシュな演奏が印象的だった。
それより、臨時編成のオーケストラ(コンマス森下幸路、弦の編成は5-5-3-2-1)のバックが大変すばらしく、そちらの方が感銘を受けたかも。ピアノソロが出てくるまでの序奏部の雄弁なことといったら!メンバー表を見てみると物凄い顔ぶれが並んでいて(たとえば管だったら、Fl佐久間由美子、Ob広田智之、Cl高橋知己、Hn吉永雅人、Tp高橋敦、Timp近藤高顕…)、思わず納得。
以前、カザルスホールくらいの小さめのホールで好んで室内オーケストラを聴いていたことを思い出した。そういえば最近そういう機会が無くなっていたなあ。

とりあえず、行って良かった。未だお腹の調子はよろしくないけど。

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2006.11.14

札幌響・東京公演

Tirasi061114札幌交響楽団 東京公演2006(サントリーホール)

ノルドグレン/左手のための協奏曲op.129~小泉八雲の「怪談」による(Pf:舘野泉)
マーラー/交響曲第5番
 指揮:尾高忠明

初めて聴くオーケストラ。なじみの都響で18年間首席奏者を務めたトランペットの福田氏の移籍先、ということで、どんなオーケストラなんだろうと興味を持っていたところに、おあつらえ向きにも今年の東京公演はマーラー5番ですか。という訳で、聴いてきた。

とても良いオーケストラだと思った。とくに弦セクション、札幌、というイメージどおりの、ぞくっとするような温度の低い独自の音色を持っている。これだけ、パッと聴いてすぐそれと分かるような個性のある音色を備えたオーケストラなんて、東京にだっていったいいくつあるだろうか、と思う。
金管もよく鳴っていて、名手福田氏といえども決して浮いていない(札響は伝統的に金管が上手いらしい)。マーラーではトランペットと共に活躍するホルンのトップ氏も、大熱演。
尾高さんの指揮は、よい意味でとてもストレート。この曲の面白さを率直に聴かせてくれて、必要以上にドラマティックな演奏を好まない私としては、たいへん好印象でした。

1曲めには舘野泉さんが登場。脳溢血のため右半身不随となり、左手だけで演奏活動を続けているとのことだが、杖もなしに普通に歩いているし、終演後はコンマスと右手で握手したり歓声に応えて両手を高々と挙げたり、ぜんぜんそうとは見えない。すごい。相当なリハビリを積んだのだろうと思われる。
欲を言えば曲がもうちょっと良い曲だったら…(^^;

Tensaitou

終演後は、公演スポンサーのホクレン農業協同組合連合会より、十勝産の甜菜糖(200g)が来場者に配られた。
さすが、「ならでは」ですなあ。楽しい楽しい。

Cd123ロビーでは、札響の自主制作になる秋山和慶指揮のブラームス交響曲全集(分売)ほか定期演奏会ライブCDを販売していた。
特別価格1枚1000円(定価は2000円)ということだったので、ためしに「2番」を買ってみて、ちょうど今聴いているところ。1996年の収録だそうだが、先程まで聴いていた弦の音色そのまんまだ。昔からこういう素敵な個性を持っていたということらしい。
秋山さんの指揮・解釈は例によって模範的の極み。よい買い物だった。他の曲も買えばよかった。

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2006.11.10

久しぶりのN響、だが…

ということで(昨日のエントリ参照)、行ってきました。久々のN響定期。

NHK交響楽団 第1581回定期演奏会(NHKホール)
ベートーヴェン/ヴァイオリン協奏曲(Vn:庄司紗矢香)
R.ヴォーン=ウィリアムズ/交響曲第5番
 指揮:サー=ロジャー・ノリントン

ピリオド・アプローチの巨匠、ノリントン師の、N響への初客演。いやー、噂どおり両方の曲ともノン・ヴィブラートで弾いていたけれども(弦の奏者の左手の指が微動だにしないのは、なんだかヘンな感じ)、現代のオーケストラからいきなりヴィブラートだけ取り去ると、これがなんとも貧弱というか、情けない音になってしまうことで(^^;。
ベートーヴェンは10-10-8-6-4という弦の編成だったが(当然、対向配置)、いつもどおり3階天井桟敷の自由席で聴いていると、ぜんぜん鳴らないし音も飛んでこなくて、まるで学生オケみたい。ソリストもなんか弾きにくそうだった。せっかくの庄司紗矢香さんのソロなのに。こういう演奏を聴かされると眠くなること。
休憩後のRVWは、これも相変わらずノン・ヴィブラートながら、人数も増えたので少し聴ける音になった。ときどき、すごく透明でハッとするような響きが聞こえるんだけど、それでもある種の違和感が終始離れなかった。

こういう日は、会場内の雑音とかがいつも以上に気になるのだった。しかしNHKホールの客って、こんなに集中力無かったっけ?あっちこっちで荷物やらチラシをガサガサ言わせてるし、遠慮のない咳も多いし(一人や二人ではない)。

そもそもピリオド・アプローチ(その曲が作曲された当時の響きを追求する)というのは、その当時の会場と、その当時の感性を持った聴衆(あるいは、そのような感性を積極的に理解しようとする聴衆)の存在を前提とするんじゃないかしら。
こんな、NHK紅白歌合戦ホールのような広大な会場で、ピリオド・アプローチをやってみる理由というか、必然性というのは、あるのかしらん。私にはよく分からない。
何も知らないで聴きに来たお客さんには、「N響ってへたくそだなあ」、って思われておしまい、のような気がするんですが(^^;。

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2006.11.03

東響、川崎、ジャズピアノ

Tirasi061103ミューザ川崎シンフォニーホール&東京交響楽団 名曲全集#22

バーンスタイン/ウェストサイド・ストーリーより「シンフォニック・ダンス」
ガーシュウィン/「I Got Rhythm」変奏曲(佐山雅弘ピアノトリオM's)
佐山雅弘M'sコーナー
 Falling in Love in Love - My Shining Hour - I'm Old Fashioned - But Beautiful - Ladies in Mercedez
 (アンコール)All The Things You Are
ラフマニノフ/シンフォニック・ダンス
 指揮:飯森範親

曲目は「シンフォニック・ダンス」つながり、真ん中はこのホールのアドバイザーを務めるジャズピアニスト佐山氏のトリオのゲストステージ(曲目はプログラム記載から変更になって、上記が正しい)。PA一切なしの本格シンフォニーホールで聴くピアノトリオ、なかなか良かったです。ドラムス大坂さん、凄すぎ。
佐山氏がソロパートを弾いた「I Got Rhythm」変奏曲にも、あとの2人が加わっていて、変奏の合間合間をガーシュウィンのソングナンバー(Someone to Watch over Meとか、Embraceable Youとか)をトリオだけで弾いて繋げていたのだが、これもなかなか違和感無くて面白かった。

オケの曲目は実は全部サックスが乗っていて、全乗りは波多江さんでした。バーンスタインの軽い音色と、ラフマニノフのヴィブラート多用の厚い音色とを別人のように使い分けていて、さすがと思った。
I Got Rhythmには総勢4人のサックスが登場。AATB、バリトン以外の3人はソプラノ持ち替え(しかも持ち替え箇所てのが本当にほんの少ししかなくて、仰天)という贅沢な用法。テナーは松井さんのようだったが、あとは誰だろう(バリトンは女の人でした)。こんど波多江さん本人に確認しておこう(^^;

オーケストラは、今回ゲストコンマスに元ベルリンフィルのレオン・シュピーラー氏を迎えていて、引き締まった弦の音色は格別なものがあった。ただそのせいか?、オケの弦と後列の管とで感覚に温度差が生じてしまい、「ウェストサイド」ではそれが気になって、いまいち楽しめなかった。ラフマニノフは良かったです。

午後2時開演で、終演は5時近くという長いコンサートとなった。盛り沢山で面白かったけれど、盛り沢山すぎて印象が分散してしまった感もある。

どうでもいいけど、東響って団員さんの衣裳が紺の燕尾なのね。
エキストラの方は黒を着ているので、すぐに見分けがつく(^^;

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2006.10.30

都響、熱演

Tirasi061030東京都交響楽団 第633回定期演奏会(サントリーホール)

マリー・シェーファー/マニトウ(精霊)
チャイコフスキー/ヴァイオリン協奏曲(Vn:矢野玲子)
ルトスワフスキ/管弦楽のための協奏曲
 指揮:小泉和裕

久々に、文句なしに素晴らしいオーケストラのコンサートでした。
1曲めからかなりにハードな現代曲だったけれど、たいへん面白くて25分を飽かず聴いた。斬新で激烈で、オーケストラの技量を極限まで試すようなサウンドでありながら、西洋音楽の伝統を確かに内包した響きはありがちのゲンダイオンガクとは似て非なるものだと思った。小泉さん、相変わらず胸のすくような見事なまとめ方ではある。作曲者臨席。
次がチャイコフスキーというのも気持ちの切換えが大変だ。初めて聴く若いソリストということでちょっとだけ心配だったが、なかなか堂に入った演奏ぶりで、エモーショナルによく歌うし音程感が良いし、心配は杞憂に終わって良かった。デビュー当時の戸田弥生さんをちょっと思い出す。
プロフィールを見るにとてもたくさんのコンクールに挑戦して成果を上げているようだが、そのことが(「コンクールすれ」せずに)よい結果に結び付いているように思える。

休憩後はルトスワフスキの「オケコン」。いやーこれ本っ当に面白い曲だわ。休憩時間で帰っちゃったお客さんが結構いたようだが、なんと勿体ない。20世紀の「オーケストラ」という音楽媒体の面白さをこれだけ生かした曲というのはあまりないと思う。
演奏は、小泉さんの、振りが大きい割に出てくる音楽はクール、といういつもの印象を改めさせられる熱演だった。
演奏終了直後の小泉さんが思わず見せたガッツポーズが、結果を物語っていたか。

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2006.10.07

東響、川崎、金聖響

Tirasi061007台風が去って、今日は良い天気。
空気が澄んでいるせいか、まるで高地のように肌を刺す日射しだけれど、太陽が雲に隠れると途端に涼しくなる。

恒例、父に会いに青梅の特養へ往復したあと、夕方は、東京交響楽団を聴きに川崎へ。
長いこと広大な更地のままだった駅の北側の東芝工場跡地に、ラゾーナ川崎とやらがオープンしたばかりで、たいへんな人渦を横目に見つつ、ミューザ川崎の入口をくぐる。

チャイコフスキー/歌劇「エフゲニー・オネーギン」より ポロネーズ
グラズノフ/ヴァイオリン協奏曲(Vn:佐藤俊介)
チャイコフスキー/交響曲第5番
 指揮:金聖響

これで中プロがチャイコフスキーのコンチェルトだったりしたら、絵に描いたように月並みなチャイコフスキー・プロの出来上がりで、そんなのには興味ないんだけれど、グラズノフってのが渋いですね。
自分がサックス吹きだからか、グラズノフのヴァイオリン協奏曲というのは格別に好きな曲のひとつなのです。滅多に演奏会にはかからないので、今日のこのコンサートを聴いてみようと思った第一のきっかけでもある。
ただ今日の演奏は、ソリストの「若さ」がもろに出てしまったか、決して下手ではないんだけど、音程は終始緩いし音が(というか「音楽」が)飛んで来ないし、聴き始めた瞬間に眠たくなるような演奏だったのが、ちょっと残念。

メインプロの「5番」はなかなか良かった。金聖響という人は、とても繊細な音楽性の持ち主なのに、必要以上に繊細さを表に立てずにバランスのよい音楽作りをする人だと思う。
東響の音色の明るさもあって、健康的なチャイコフスキーではありました。

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2006.10.05

岩城宏之の「遺言」

Tirasi061005東京フィルハーモニー交響楽団 第729回定期演奏会(サントリーホール)

尹伊桑/交響曲第4番
ワーグナー/「さまよえるオランダ人」序曲、「ローエングリン」第3幕への前奏曲、「タンホイザー」序曲、「トリスタンとイゾルデ」第1幕への前奏曲、「ニュルンベルクのマイスタージンガー」第1幕への前奏曲
 指揮:若杉弘

今日はいろいろ面白そうなコンサートが多い日だったけれど、たまたま知り合いから招待券が回ってきたので、こちらへ。
もともと、6月に亡くなった岩城宏之氏が指揮するはずだった曲目を、そのまま若杉さんが引き継いだもの。告知されていた3つのプログラムは、それぞれ自らが深く関わった内外の現代作品に、ロッシーニ、ヴェルディ、ワーグナーの序曲集を組み合わせたもの(オーケストラのキャラクターを考慮しての選曲に思われる)。
まさに「旅立ちの日が近いことを悟って、自己の芸術の集大成を目指していた」(公演プログラムの文章より引用)かのような選曲。指揮することができず、さぞ無念だったことだろう。

コンサート自体は、とくに追悼公演という感じではなく、ごく普通に進行した。
尹伊桑の作品は、サントリーホール落成記念の委嘱作品のひとつとして、岩城氏が初演したもの。私としては聴いていて、作曲者の発想に辿りつくことができず(ある種の現代曲って、なんだかどれを聴いても同じに聞こえてしまうことがあるんだよなあ。私の耳が悪いせいなんだろうけど)、ちょっと残念。

休憩後は、なにしろワーグナーのポピュラーな序曲集をコンサートホールでまとめて聴くのは久しぶりで、それなりに楽しかったけれど、若杉さんの説明過剰で手際の良すぎる指揮が…。あまりにも現実的で、余韻が感じ取り辛いような。オケは良かったけれど。
普通は「前奏曲と愛の死」でセットで演奏される「トリスタン」の、ワーグナー自身による前奏曲単独バージョン、とやらを初めて聴いたのが(こういうのを持ってくるところがさすが若杉さん)、なかなか印象的。この絶妙な中途半端さが。
前売完売だったそうだが、その割には場内空席が目立っていたのが不思議。そもそも完売なのになぜ招待が出るのだろう?

Tirasi061005nこの公演のチケットの発売当初、岩城さんが亡くなる前に作られたチラシが出てきたので、追悼の意をこめて貼りつけておきます。
今となっては貴重なものかも。

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2006.09.29

ボロディン全交響曲

Tirasi060929読売日本交響楽団 第452回定期演奏会(サントリーホール)

ボロディン/交響曲第3番、交響曲第1番、交響曲第2番
 指揮:ゲンナジー・ロジェストヴェンスキー

という訳で(9/27のエントリの下半分参照)、行ってきました。
面白かった。知っている「2番」に関してだけど、ロシアの演奏スタイルって、日頃CDで聴くヨーロッパのそれとは全然違うのね。最初始まったとき、あまりにもテンポが遅くて堂々としているので、一瞬違う曲かと思ってしまった。速いところは速いんだけど。

ロジェストヴェンスキーという人の指揮を見ていると、「指揮法」なんて、要らねぇんじゃねーか、と思ってしまう。
「出せっ」という仕草をすれば音は出るし、「止めろっ」とやれば止まるし、「鳴らせっ」とやれば鳴るし、…以下同様。要は、「技術」じゃなくて、振っているその本人自身に説得力があるかどうか、なんだけど。
恐れ入りました。

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2006.09.25

ハシゴ(楽友→グランボワ)

コンサート2つ。
横浜楽友協会室内楽演奏会(杉田劇場)、2時開演。
グランボワ・サクソフォン倶楽部(神奈川県立音楽堂)、5時開演。
どちらも、日頃たいへんお世話になっている方々のいらっしゃるところ、しかも同じ根岸線沿線の会場、絶妙な開演時間。
ハシゴしろ、と言われてるようなもんですな。

まずは楽友協会。
会場は新杉田の駅前。しかし最近出来るこの手のホール併設の商業施設というのは、どうしてこう構造が分かりにくいんでしょうか。ホールの入口を探してウロウロしてしまった。
そういえばいつだったか行った大泉学園のゆめりあも、ホールのありかが全然分かんなかったし。

吹奏楽団で、年2回のフル編成の演奏会の他にもこういうアンサンブルの集いを毎年開催し続けるというのは、なかなか出来ることじゃないし、素晴らしいことだと思う。
ただそうなると、聴く側の人間としては欲が出るもので。ただ演奏すればいい、という段階から早いとこ脱却して欲しいし(勿論、ちゃんと脱却出来ている方もいる)、きちんと自分たちの演奏会として位置づけてそれなりの準備の上で「音楽」を聞かせて欲しいです。
正直なところ、今日は特に後半のチームのいくつかが…。例年はそれほどに感じることはなかったような気がするのだが。自分自身の要求が高くなったのかな。
また、今年は金管チームが、面目を一新していたように思ったのが印象的だった。

Tirasi060924終演後の挨拶もそこそこに、桜木町へ移動、紅葉坂を上って県立音楽堂へ。

グランボワサクソフォン倶楽部 第5回定期演奏会

ラヴェル/ハバネラ形式のヴォカリーズ
ラフマニノフ/ヴォカリーズ
*豊住竜志/サクソフォン協奏曲「A FLUSH OF LIGHT」(世界初演)
*ヴィードフ/サキソフォビア
サウンド・オブ・ミュージック メドレー
チャイコフスキー/祝典序曲「1812年」
 指揮、*独奏:大森義基
 *客演指揮:宗貞啓二

見た目満席に近い盛況、若々しく見事に準備された演奏に、よくまとまった曲目。良い演奏会だった。
県立音楽堂いい音だあ。最近出来る残響ばかり多い会場になんか、負けやしない。

出てくる音楽は、大森さんの音楽性そのまま、という感じで、実に気持ちよい。明るく、おおらかで、何事に対しても肯定的で。
これが宗貞先生の指揮となると、音色からして全く違ってくるのが、楽しくも興味深い。相当に緊張と集中を強いる練習なんだろうな、ということが明らかに想像がつく。
指揮者それぞれの資質がこれだけストレートに音に表れてくる、ということが、やはりメンバーの「若さ」の証か。

あとは、昨年聴いた時も思ったのだけれど(そう、去年のグランボワ演奏会の帰り路、アルフレッド・リード博士の訃報がメールで飛び込んで来たのだった…)、演奏以外の面でも様々感じられる若さ(青さ、と言ってもいい)と、実際の音に聴かれる完成された音楽性とのギャップが、不思議だった。
このギャップが解消された状態が、「大人の演奏」、と言われるものになるのだろう、きっと。

豊住氏の作品は、単一楽章でさほど長くなく、たいへん明るく輝かしい、素敵な曲だった。ある意味では日本人作曲家の作品とは思えないような、無理のない明るさ。…無理がないというのは勿論、音楽的に、ということで、技巧的にはかなりすごいけれど(ソロパートはアマチュアにはまず演奏不可能)。

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2006.09.13

モーリス・ブルグ、東京に現る

Tirasi060912モーリス・ブルグ&中野振一郎 デュオ・リサイタル(Hakuju Hall)

ヘンデル/ソナタ ト短調HWV.364b
テレマン/ファンタジー第2番 イ短調(オーボエ独奏)
J.S.バッハ/ソナタ第3番ニ短調 BWV.527
フォルクレ/組曲第5番より ラモー、シルヴァ、ジュピター(チェンバロ独奏)
F.クープラン/趣味の融合(新しいコンセール)第11番 ハ短調
 Ob:モーリス・ブルグ
 Cemb:中野振一郎、Vc:菊地知也

「オーボエの神様」モーリス・ブルグの、今回の来日では東京でただ1回の公式なコンサート。
別に「オーボエの」と断り書きを付けずとも、私にとっても神様に間違いないので、今回は早くからチケットを取って待ち構えていたのだ。
前にも書いたけれど、あなたの好きな管楽器奏者は?と訊かれたら、「ミュール、デファイエ、モーリス・アラール(バソン)、ブルグ」と即答することにしているくらいで。

なんという輝かしい音色。強靱なフレージング。
CalliopeレーベルのCDで親しんだサン=サーンスのソナタや、パリ管の首席奏者として数多くの録音で聴いた、あの音だ。
吹いているところを間近で見ていると、恐ろしいばかりに強大な息の圧力をかけっ放しにして、それをタンギングでせき止めていることが判る。管楽器奏法の基本といえば基本なんだけど、それにしても、エーッそこまでやるんですか、と目をむいてしまうくらいに。
そんな「過酷な」、と言ってもいいような身体コントロールを、60代後半となった(1939年生まれ)今も自らに課して、あの果てしなくどこまでも遠くに飛んでいくようなフレーズの飛翔を可能としている。呆気にとられる、とはこのことだ。

ブルグの音楽は、私にとっては「20世紀の讃歌」、のようなものかもしれない。
私自身が最も音楽というものに純粋に親しんだ時期でもある、1980年代頃までの、未来への希望と憧れと躍動にみちた時代の息吹を、感じるような気がする。
今の時代に、まだこのようなものを実際に生きて聴くことができるというのは、なんという幸運だろう。…

客席は、ホールの固定客と思われるオジサンオバサンの他に、みるからにオーボエ業界の方々、オーボエ専攻の学生さんらしき若い人たちの集団という、いかにもどこかで見たような風景。
N響のIさん、新日フィル首席のFさん、日本フィル副首席のMさんらの姿を見かけた。とても上品な感じの初老のご婦人が車椅子で来場されていて、どこかで見た顔だと思ったら元N響のK島さんではありませんか、とか。
それはそうと、Hakujuホールの主催公演はいつもそうなのかは知らないけれど、開演直前にステージ後ろの壁に幻灯(とは言わないか。もとい)プロジェクターで、今後の公演の宣伝映像をいろいろと映写する、なんてことをするのね。ちょうど映画館の予告編みたいに。面白いっちゃ面白い試みなのかもしれないけれど、ワタシゃ思わず「ダッセー!」と大声出してしまいました(^^;。これはやめてほしいなあ。

アンコールに、マラン・マレ「サント・ジュヌヴィエーヴ・デュ・モン教会の鐘」。
これが凄かった。たった3つの音を延々と繰り返すベースの上での、さまざまな色や光が飛び散るような豪華絢爛たるパッセージの応酬に、酔った。…至福の時。

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2006.09.05

新日本フィル定期…「ダフニスとクロエ」第1組曲?

Tirasi060905新日本フィルハーモニー交響楽団 第404回定期演奏会(サントリーホール)

ハイドン/交響曲第82番「熊」
ベルリオーズ/歌曲集「夏の夜」(コントラルト:ナタリー・シュトゥッツマン)
ラヴェル/「ダフニスとクロエ」第1組曲、第2組曲
 指揮:クリスティアン・アルミンク

9月になると、やれ練習だ、本番だ、コンテストだ、コンサートだ、仕事だ(順序は深い意味はありません)、と、忙しい季節の幕開け。
今シーズン最初のオーケストラ演奏会は、新日本フィル

シュトゥッツマンの「夏の夜」に尽きた。なんという深い声だろうか。この曲はこうでなくちゃ(ソプラノでも歌われるけど、最初に親しんだCDがフォン=シュターデのメゾソプラノ版だったせいか、女の人の低い声に萌えます)。バックのオーケストラも繊細極まりなし。この曲のこんな素晴らしい演奏が生で聴けるなんて。

休憩後は「ダフニス」の第1組曲と第2組曲。第1組曲?…そんなのがあったのか。まあ第2組曲があるんだから第1組曲も当然あるんだろうけれど、寡聞にして初めて聴くような気がする。
第1組曲というのがどの部分かというと、バレエ第1幕の終わり(海賊がクロエを拉致して行った後)の「夜想曲」から、アカペラ合唱による間奏曲を経て、第2幕最初の「戦いの踊り」まで。合唱をどうするんだろうと思っていたら、舞台裏で合唱部分をオルガンで弾いて次につなげるというやり方だった。アイディアとしては面白いけれど、時間が結構長いだけにずっとオルガン独奏が続くというのは少々間が持たなくなってくる感がある。デュラン版のフルスコアにはたしか、合唱が使えない場合はこれを弾けというオーケストラ版の譜面が書いてあるはずで、素直にそれを使えばよいのにと思った。
まあ、第2組曲のほうが圧倒的にポピュラーなのも、分かる気がした。

演奏は、「ダフニス」に関してはクールで思い入れの少ない感じで、出てくる音は決して悪くはないし各ソロも見事ではあったけれど(例のフルート大ソロは白尾さん。あとホルンとかオーボエとか)、フランス音楽マニアといたしましては若干物足りないところもある。まあいいけど。

公演プログラムに、本日の出演者(エキストラも含む)&並び順一覧という紙がはさまっていて、なかなか面白い試みだと思った(アマオケみたい)。他のオケでもやればいいのに。
「ダフニス」第1組曲のホルンとトランペットの舞台裏バンダは、樋口哲生(N響首席)と神代修だって。うぉー、なんという豪華な布陣!

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2006.08.07

N響!のアルメニアンダンス

今日も酷暑。
午前、借りていた自宅近所のスタジオで、最後の音出し。
「本番のつもり」で、明日演奏する3つの楽章の通し演奏を2回やってみる。そこだけ吹くと出来るところが、通して吹くと出来なくなってしまう。悔しいなあ。でも、崩れやすいところは大体分かったので、あとは出たとこ勝負だ。

Tirasi060806夕方(とはいってもまだまだ日の高い時刻)は外出、渋谷の人ゴミをかき分けて、NHKホールへ急ぐ。

N響ほっとコンサート-オーケストラからの贈りもの-

スーザ/海を越えた握手
A.リード/アルメニアンダンス パート1
A.ピアソラ/オブリビオン、リベルタンゴ(Sax:須川展也)
ティケリ/アメリカン・エレジー
モーツァルト/アイネ・クライネ・ナハトムジークより第1楽章
バーバー/弦楽のためのアダージョ
レスピーギ/交響詩『ローマの松』

 山下一史指揮 NHK交響楽団

そもそもはN響が毎年夏に開催している、若い人向けのコンサートなのだが、今回は「あの」N響がコンサートの前半、吹奏楽を演奏するということで、別の意味で話題となっていたイヴェント。
一種の怖いもの見たさ(笑)で、聴いてきた。
あの広大なNHK紅白歌合戦ホールの舞台に、要所要所をN響正団員が占めた本格的な吹奏楽編成が並んでいるというのは、なかなか壮観。コンマスの席にあの横川晴児さんが座っているのを見てちょっと感動を覚える。クラリネットはさすがに団員だけでは足りないのでエキストラ奏者がたくさん加わっていたけれど、分かっただけでも東響首席のNさん、新日フィル副首席のSさん、元都響首席のCさんほか錚々たるオケマン達の顔が。オーボエのトップは茂木さん、ホルンは松崎さん、トランペットは津堅さん、エキストラのユーフォニアム奏者はなんと○囿さん!あり得ない豪華メンバーだ。

演奏が始まると、正直言って最初のスーザは「あれれれれ、」って感じだったけれど(マーチは難しいっす)、アルメニアンダンス以降はなかなか感動的な仕上がりとなっていた。ところどころで聴こえるオーボエとかホルンのソロがとにかく見事な音で、例えプロだろうと普通の吹奏楽の世界では絶対聴けない音だ。N響というオケがいかに日本の最高の名手を揃えた団体か、ということを改めて見せつけられる思いがする。
吹奏楽を知り尽くした山下さんの指揮も冴えていて、オケ出身の指揮者がたまに吹奏楽を振るときのような不自然な感じは皆無。練習日数なんかほとんど無かっただろうけれど(せいぜい1日とか2日とか)、それらしい一体感を表出することに成功していたと思う。
サクソフォンのトップを吹いた須川さんが2曲独奏。このメンバーに対抗するサックスを連れて来ようと思ったら、須川さん以外考えられないでしょう。いつもよりは大人しいかなという感じだったけれど、まあ仕方ないか。

とりあえずここまでで、いったんup。後日補足するかもしれません。

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2006.08.04

グラン・カナリア・フィル

Tirasi060803グラン・カナリア・フィルハーモニー管弦楽団 東京公演(東京芸術劇場)
ビゼー/『カルメン』より 前奏曲、ハバネラ、セギディーリャ、ジプシーの踊り
ファリャ/交響的印象『スペインの庭の夜』(Pf:霧生トシ子)
ロドリーゴ/ある貴紳のための幻想曲(Gt:ぺぺ・ロメロ)
ラヴェル/スペイン狂詩曲
同 /ボレロ
 指揮:ペドロ・アルフテル・カーロ

イープラスの得チケにチケットが半額(S席10000円が5000円)で出ていたのを見つけ、曲目がなかなか魅力的だったこともあり、思い立って急遽聴いてきた。スペイン領カナリア諸島、ラス=パルマスのオーケストラ。
「オルケスタ・フィラモニカ・デ・グラン・カナリア」って、なんだかサルサバンドみたい。

日本のオーケストラみたいに巧いわけではないけれど、実になんともいえないローカルな味わいある音のするオケだ。こういうのと比べると、日本のオケは「工業製品」だなあ、と思う。『スペインの庭の夜』なんて、CDではよく聴いていたけれど、正直、こんなに良い曲だと思ったのは初めてのことだ(いまいちつかみどころのない音楽だと思っていた)。

席は1階の前から3列めの右端近く。目の前のステージ上は2nd Violin群の背中で(渋いことに対向配置だ)、管は音はすれども姿は見えず。さすが安売りに流れて来るだけあって、これがS席かというような席だったけれど(おまけに近所には、関係者とおぼしきエスパニョーラな一群が座っていて演奏中小声で話とかしてくれるし。後半いなくなったが)、ギターを聴くにはちょうど良かった。PA一切無しだったので、上の階だったら聴こえ辛かっただろうな。ペペ・ロメロ師、さすがの貫祿。これ目当てで来ている人も多かったのだろう。一際、喝采多し。

休憩後はラヴェル。もっと精緻で引き締まった演奏というのは他にもあるだろうけれど、これはこれでよろしい。「ボレロ」はトロンボーンのソロが終わったあたりからどんどん加速するタイプの演奏で、ボレロって元々スペインの舞曲だったもんね、ということを納得させられる。
サックスは2人とも本国から連れてきた奏者のようだったが、プログラムにメンバー表が無いので名前は分からない(テナー、なかなか端正な美しい音だった)。

アンコールに、「三角帽子」の終幕の踊り。これが最高に良かった!この推進力とエネルギー、野性的な味わいは、まさに「十八番」、到底真似はできません。これだけでも聴きに来た甲斐はあったというものだ。
真夏の初めにふさわしい、実に楽しいコンサートでした。

会場ロビーで、Arte NovaやASVから出ているこのオーケストラのCDをたくさん売っていたので、ファリャの入った1枚を買って帰る。

Cd109

ファリャ/恋は魔術師、スペインの庭の夜(Ricardo Castro, Pf)、「三角帽子」第2組曲
 エードリアン・リーパー指揮 グラン・カナリア・フィルハーモニー(Arte Nova)

ブログ書きながら流し聴きしているんだけど、なかなかイイです、これ。特に「スペインの庭の夜」、今まで聴いたことのあるどんな演奏よりも良い。というか、しっくり来る。これで1枚1000円程度というのはお買い得だと思う。

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2006.07.26

東京文化会館のステージ上の子供たち

Tirasi060726第8回・都響とティーンズのためのジョイントコンサート(東京文化会館)

チャイコフスキー/「エフゲニー・オネーギン」より ポロネーズ
ビゼー/「カルメン」第1組曲(小・中学生+都響ジョイント)
チャイコフスキー/大序曲「1812年」(高校生+都響ジョイント)
レスピーギ/古風な舞曲とアリア第3組曲
グリーグ/「ペール・ギュント」組曲より
 指揮:現田茂夫

一般公募の小・中・高校生(のべ130人近く)が、都響メンバーによる演奏指導・レッスンを受けて、演奏会のステージに一緒に乗るという、毎年この季節恒例の、ワークショップ型のコンサート。

各オーケストラとも、未来の聴衆の獲得と啓蒙のために、単なる音楽教室にとどまらない様々な教育プログラムを考えて実践しているけれど、都響のこのやり方というのは、手間暇はかかるけれど最も効果的で、しかも傍で聴く一聴衆としても大変面白いものだと思う。
ジョイントの曲目では、弦楽器だったら外側プルト、管のソロ等を小・中・高生の子が担当し、都響の楽員さんはサポートに回る。コンマス席に中高生の女の子が座り、サイドに矢部達哉さんが座って譜めくりとかしている様は、なかなか感動的だ。
弦だったら半分近くのメンバーが子供たちということになるんだろうけど、それでもちゃんと都響っぽい音が出てくるのには、感心してしまう。弾き方が似るせいかな。管なども時々すごくよく吹く子もいるし。
あの年齢の頃から、これだけの「お手本」の方々に混じって弾く(吹く)というのは、素晴らしい経験だよなあ、と思う。ワタシの中学・高校時代を思い出せば、あの頃はいったいなーにをやってたんでしょーか、ってなもんで。
あの当時にこういう催しがあって参加してたら、ワタシゃ今頃プロになってたかも。
…あ、そうか、どーせサックスだから最初から縁はないけどさあ(チッ)。

休憩後は都響単独でのステージ。レスピーギさすが都響の弦、という貫祿の演奏だった。別に、「普通」のことをやってるだけなんだけどね。リハーサルだっておそらく1回とか2回とか、そんなもんだろうし。「プロフェッショナル」、ですなあ(感嘆)。

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2006.07.25

久々、新日本フィル

Tirasi060724昨日のことですが。

フェスタ・サマーミューザKAWASAKI 2006
新日本フィルハーモニー交響楽団

R.シュトラウス/オーボエ協奏曲(Ob:古部賢一)
同 /交響詩『英雄の生涯』
 指揮:クリスティアン・アルミンク

ミューザ川崎のフェスティバル公演、実は初めて聴いた(毎年この時期は忙しいのだ)。というか、ミューザにコンサートを聴きに来ること自体がとても珍しい。そのくせステージに乗ったことはあるという。(来年も乗ることになりそうだ。)

お目当てはR.シュトラウスのオーボエ協奏曲。これは私にとっては本当に特別の1曲で、しかも古部さんのソロはちょうど10年前にカザルスホールで聴いた演奏が未だに忘れられないほど印象に残っているので、楽しみにしていた。
今日の演奏はちょっとホールが広すぎて(客入りもイマイチ良くなくて)音が散らばっていた感じもあったけれど、そのせいでこの曲の、人生最後の日の青い空、みたいな痛切な明るさがより見にしみて感じられたような気がしたか?
休憩後の「英雄の生涯」。編成が大きくなって豪奢なサウンド。だが音色はとても軽くて澱みがないので、気持ち良くなって「英雄の戦い」が終わった辺りからすっかり意識を失ってしまいました(^^;。
アンコールにヨハン・シュトラウス『酒・女・歌』。これまた軽やかで祝祭的、楽しかったです。

終演後は、音の輪仲間でもあり、次回の私たちのアンサンブルの演奏会にソリストとして出演をご快諾いただいている、フルートの渡辺先生を待って、今日何人か来場していた音の輪メンバーとともに、階下のエクセルシオールへ。閉店までの少しの時間、お茶をご一緒する。
楽屋雀の女性陣たちの会話が、楽し。


イープラスの得チケに、グラン・カナリア・フィル(廉価レーベルのArte NovaからたくさんCDを出している、スペインはラス=パルマスのオーケストラ)の東京公演が半額で出ていたので、8月3日の東京芸術劇場に急遽行くことにした。
ペペ・ロメロのギターで「ある貴紳」、ファリャの「スペインの庭の夜」(ピアノ:霧生トシ子)、それとラヴェルの「スペイン狂詩曲」に「ボレロ」が一晩で聴けるなんて、素晴らしいじゃないですか。

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2006.07.17

都響スペシャル

Tirasi060717東京都交響楽団 特別演奏会(サントリーホール)

モーツァルト/交響曲第31番『パリ』
ショスタコーヴィチ/ヴァイオリン協奏曲第1番(Vn:庄司紗矢香)
ストラヴィンスキー/バレエ音楽『火の鳥』(1910年全曲版)
 指揮:大野和士

今日はいろいろと催しが重なっていたんだけど、発売日を待ち構えてチケットを買ったこちらの演奏会へ。
全席完売の盛況。大野さんが舞台に登場すると、それだけで「待ってましたっ!」とばかりの大喝采。期待通り、素晴らしいコンサートでした。曲が素晴らしくて、演奏者も素晴らしくて、勿論演奏自体も素晴らしく、何よりもコンサートという一期一会の出会いの高揚感がいつにも増して素晴らしい。間違いなく今年の都響で一番。
明日も同一内容でもう1回あって、そちらはまだ席があるらしいので、仕事が忙しくなければ当日券買ってでももう1回聴きたいくらいだが、そうはいかないだろうなあ。

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2006.07.13

安川加壽子記念会

Tirasi060712ココログのメンテナンス中に聴いたコンサート。

安川加寿子記念会・第7回演奏会(東京文化会館・小ホール)

フォーレ/マスクとベルガマスク(ピアノ4手版)
 徳田敏子、藤井ゆり(Pf)
ラヴェル/『夜のガスパール』より オンディーヌ、スカルボ
 鈴木貴彦(Pf)
ラヴェル/ヴァイオリンソナタ
 三輪真樹(Vn)、大西慶子(Pf)
プーランク/ピアノ、オーボエとファゴットのためのトリオ
 岡本愛子(Pf)、辻功(Ob)、多田逸左久(Fg)
ショパン/夜想曲op.37-2、舟歌op.60
 坂上博子(Pf)
ストラヴィンスキー(ピアノ独奏版)/『火の鳥』より 魔の踊り、