【日下部任良Sax（9月19日）】

9月19日（金）
日下部任良サクソフォンリサイタル
東京公演
古賀政男音楽博物館けやきホール

H.ビーバー/ロザリオのソナタより パッサカリア
フィリップ・グラス/サクソフォンのための旋律 6
ルチアーノ・ベリオ/セクエンツァⅦb
フィリップ・グラス/サクソフォンのための旋律 8
酒井健治/エーテル幻想Ⅱ
横川朋弥/オーバー・ドライバー
リチャード・ロドニー・ベネット/対話*
酒井健治/霞の中で*
アラン・ベルノー/二重奏ソナタ*
　*ゲスト：林田和之（saxophone）

10年以上前からなんとなく面識はあったけれど、東京が本拠の方ではないのでちゃんと演奏を聴いたのは初めて。しかし愛知県芸での雲井門下であり、2部でゲストの林田さんと一緒に吹き始めるとどちらがどちらだか音だけでは全く分からないような、水彩画調の美音の持ち主。
けやきホールの木質の響きの中、ピアノを使わずソロとデュオだけ、しかもバロック（ビーバー）とコンテンポラリーのみのプログラム。こういう音色の持ち主の方がこういう曲目のリサイタルをなさるというのは正直言ってたいへん新鮮で、「セクエンツァ」のイタリア語のおしゃべりのような趣や、酒井さんの作品の底にあるフランス的な響きなど、普段だったら覆い隠されてしまうような細部を発見したり楽しむことができたのは楽しかった。
アンコールにケックランのデュオ9番。幽玄なる響き。