【カルテット・スピリタス20周年(8月14日)】
8月14日(水)
カルテット・スピリタス 結成20周年記念特別演奏会
浜離宮朝日ホール
A.グラズノフ/サクソフォン四重奏曲Op.109
C.パスカル(内田祥子編)/ソナチネ*
P.モーリス(松下倫士編)/プロヴァンスの風景*
A.ベルノー/サクソフォン四重奏曲
*ジャン=イヴ・フルモー(Saxophone)
松原孝政(S.Sax)、波多江史朗(A.Sax)、松井宏幸(T.Sax)、東涼太(B.Sax)
全席完売!
東京ばかりでなく日本全国から、あれあの人も来てる?あの人、日本にいたんだ!みたいなこの「全員集合」感、久しぶり。
これも久々に聴くフルモーさんのソロはやはり、大変な聴き物だった。音と演奏には年寄りくささは微塵もなく、35年前に初めて間近で聴いた時から何ら変わらない切れ味と質の音と音楽性を保持し続けている。
パスカルのソナチネはソロは楽譜通り、ピアノパートをほぼそのままサクソフォン4本に落とし込んだアレンジで、伴奏もまさに「プロの仕事」だった。対して「プロヴァンスの風景」は、ソロもピアノパートも区別なく作曲家の感性で原点から「サクソフォン五重奏」として再創造した楽譜で、サックス吹きには到底思いつかないだろう音世界に耳を奪われた(第5曲のカデンツァはバリトン!)。
スピリタス単独では大曲2つ(グラズノフとベルノー)。間然するところのない鮮やかさ。何度も取り組んできたレパートリーなのだろうが、「安定の」、という形容を超えた挑戦と即興性を感じ取ったのは私だけかな。
終演後のロビーの喜ばしい賑やかさ、さまざまな「再会」。
いつ終わるともしれないこの幸せな余韻の時間をも含んで成立するかのような、特別なコンサートだった。
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