【アンリ・ソゲ(ソーゲ)の歌曲を聴く(4月18日)】
4月18日(火)
新福美咲 ソプラノリサイタル~アンリ・ソゲの世界
豊島区民センター小ホール
全てアンリ・ソゲ(ソーゲ)作曲
・第1部 無邪気なソゲ
絵葉書~パリの川岸~
歌曲集「動物たちと彼らの人間たち」
・第2部 ソゲと戦争
愚か者と悪意の人々
歌曲集「強さと弱さ」
ベルト
友愛の森
新しい英雄のための葬送歌
・第3部 ソゲの描く愛
4つのメロディ
オペラ「マリアンヌの気まぐれ」より
ああ恋よ、不思議な恋よ~すでに千もの亡霊をそびえ立たせ
旅芸人たちの道
中安義雄(Piano)
だいぶ日にちが過ぎてしまったが、たいへん珍しい機会だったので、思い立って覚書を残しておくことにする(個人ブログであれ、ウェブ上に記録が残るのはやはり大事だ)。
アンリ・ソゲ(Henri Sauguet)の歌曲とオペラアリアのみによるリサイタル。
偶然知って、閃くものがあり足を運んでみた。
ソプラノの新福さんは、国立音大の大学院博士後期課程でソゲの歌曲を研究されている方。
ほぼ全てが初めて聴くものだったが、気まぐれな、点描的と言ってもいいような初期歌曲の不思議な感触から、後年のほうがむしろ「わかりやすい」スタイルに移っていくのが面白かった。
「愚か者と悪意の人々」のような、直截的なプロテスト・ソングもあり。
最後は彼の(おそらく)一番有名なバレエ「旅芸人」のテーマによるもの。
アンコールに、彼の師匠サティの「ジュ・トゥ・ヴ」。
休憩2回の、しかし巧妙なプログラム構成。A4判24ページにおよぶ(おそらく自家製本の)分厚いプログラム冊子といい、ソゲという作曲家とその歌曲の面白さを知ってほしい、という願いと意欲の込められたものとなっていて、実際のところたいへん興味深く聴くことができた。
ソゲの本名がプパール(Poupard)というのは初めて知った。Sauguetは母方の姓だそうだ。「私もそうなんですけど、名前にプの字があるとカジュアルな感じになっちゃいますよね」とは新福さんの言(笑)
Sauguetは日本では「ソーゲ」いう表記のほうが一般的だと思うが、「ソゲ」で良いのかもしれない。この場合の音引は語頭のアクセントを明示するという目的が主で、特に音が延びるという意味ではないと認識しているけれど、2音節だったら自然にそうなるから特に必要ないということ。
そういえばセルジュ・ボド(Baudo)という指揮者がいるが、昔はよく「ボード」と表記されていたけれど今は「ボド」ですね。
« 大阪国際室内楽フェスタ2023道中記 | トップページ | 【三善反戦三部作(5月12日)】 »
「コンサート(2023年)」カテゴリの記事
- 【ハインツ・ホリガー(9月19日)】(2023.09.27)
- 【六門会合奏団を久し振りに聴く(9月17日)】(2023.09.23)
- 【山田磨依Piano(9月16日)】(2023.09.21)
- 【N響2023シーズン開始~「指環」名演(9月15日)】(2023.09.20)
- 【新日本フィル~久石譲オンステージ(9月11日)】(2023.09.19)
最近のコメント