【野平一郎サクソフォン作品個展】
野平一郎 サクソフォン作品個展~クロード・ドゥラングルを招いて
浜離宮朝日ホール
アラベスク第3番
クロード・ドゥラングル(A.Sax)、オディール・ドゥラングル(Pf)
サクソフォン四重奏曲
大石将紀(S.Sax)、江川良子(A.Sax)、貝沼拓実(T.Sax)、本堂誠(B.Sax)
舵手の書
クロード・ドゥラングル(A.Sax)、湯川亜也子(Mezzo-Soprano)
一人ぼっち(サクソフォンと小オーケストラのための『網目模様』より)
クロード・ドゥラングル(S.Sax)
フォリア・コン・ファンタジア
クロード・ドゥラングル(A.Sax)
息の道(4つのサクソフォンを奏する1人のサクソフォン奏者と電子音響のための)
クロード・ドゥラングル(Sax/Voice)、ホセ・ミゲル・フェルナンデス(電子音響・コンピュータ)
最初から最後まで、「普通の」メロディが一片も聞こえない類の催しだったが、おそるべき内容量と充実に圧倒された。
ものすごい演奏会だった。
野平さんの作品を聴くのは疲れる。ある種の現代作品のような、作曲者の「言いたいこと」さえ掴めれば実際の音は多少聞き飛ばしても大丈夫なような曲(笑)とは対極で、すべての音を、背後にあるはずの和声まで含めて聴き取ることを要求されるかのようだ。
久々に見るドゥラングル氏は外見はずいぶん歳を取られた感じだが、音とコントロールの省エネな的確さはさすがだった。
日本側の出演者含め、途方もない仕事を成し遂げた演奏者の皆さんに拍手だ。
後半は、日本初演からこのかた何度も聴いてきた大作『息の道』の改訂版初演。真打ドゥラングルによる「決定版」。
以前にも書いたかもしれないが、呼吸の音に始まって心臓の鼓動で終わるこの曲は私にとって「生への讃歌」なのだ。自分が(人が)今日も生きていて音楽に触れることができるという、そのこと自体の偉大さをこの作品に読み取るのだ。
今宵はまた電子音響の当意即妙さに感銘を受けた。詳細に覚えている訳ではないのであくまでも印象だけれど、これほど大胆な創意に富んだ電子音響の作り方は今までのこの曲の演奏には無かったのではないか。
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