【都響と真央くんのシューマン】
東京都交響楽団 第948回定期(Aシリーズ)
東京文化会館
V.シルヴェストロフ(A.ジース編)/ウクライナへの祈り(日本初演)
シューマン/ピアノ協奏曲
藤田真央(Piano)
R.シュトラウス/英雄の生涯
矢部達哉(コンサートマスター/独奏Violin)
指揮:大野和士
年度始め早々えらいもんを聴いた。
真央くんのシューマンは今までに生で聴いたこの曲の最高の演奏だったと思う。
始まりから最後の音まで、一瞬も退屈することなく聴いた初めての経験。3楽章のどうかすると機械的な繰り返しにも、全部異なるファンタジーがあった。
というか、この曲の十全な演奏には、このレベルのインスピレーションと繊細さと、それを充分に聴きとれる環境が必要なんだな、と実感した。
「英雄の生涯」も良かった。隅々までくっきりと鮮明な、都会的な英雄。
演奏会冒頭に、シルヴェストロフというウクライナ人作曲家による「ウクライナへの祈り」という曲が追加で演奏された(日本初演)。3~4分の静謐で美しい小品。
若い時に(90年代)内戦下のクロアチアでザグレブ・フィルの音楽監督をしていた大野さんとしては、昨今の事態は捨て置けない気持ちでいるに違いない。
元々は2014年作曲の合唱曲で、今般の危機を受けてオーケストラ版が作られた由。誰か吹奏楽版を作りませんか。
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