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2021.07.10

【都響(5月18日)】

Tirasi210518

5月18日(火)
東京都交響楽団
東京芸術劇場

サティ/バレエ音楽「パラード」
サン=サーンス/
ヴァイオリン協奏曲第3番
 辻彩奈(Violin)
交響曲第3番「オルガン付き」
 石丸由佳(Organ)
指揮:井上道義

やー面白かった。
サティの破天荒で大真面目なオフザケの妙から、「オルガン付き」の巨匠的な崇高さに至るまで、「芸術」というものの様々な側面を一気に早見するかのような2時間だった。

それにしても、サティの「パラード」って二度ほど実演(オーケストラ)を聴いている筈だけれど、あんなヘンテコな「打楽器」?なんてあったっけ。サイレンやタイプライターやピストルはともかく、「ルーレット」とか、音程のある酒瓶とか、なんとかと言う、大きな洗面器に張った水を両手でぱっしゃーん!と叩くやつとか(アクリルの囲いの中で、全身ずぶ濡れで熱演の打楽器奏者さんに拍手)。
ちなみに本日5月18日は、この「パラード」が1917年にパリのシャトレ座で初演された日だった。
「オルガン付き」は近年まれに見る名演だったのではないか。外面的な派手さだけでなく、その奥にある寂寥感と、それゆえの明るさへの憧れと戦いをも描き出してみせたかのような。
この曲を書いた頃のサン=サーンスは家庭生活というものが崩壊していたそうですね。子供たちとは全員死に別れ、奥さんは出奔(家出)して行方不明(離婚はしなかったそうだが)、本人も晩年は家というものを持たず1年中旅の空だったとか。そんな人が書いた音楽が、ただ派手でわかりやすいだけで終わってよい訳がなかろう。ミッキーさんグッジョブ!

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