橋本治さんの訃報
これはブログに書き留めておかねばなるまい。
ある意味「大家」となったこの20年くらいの仕事は追えていなかったけれど、90年代以前に書かれていたものはほぼ全部読んだものだ。
ひとりの作家の作品をほぼ全部追いかける、ということをしたのは私の場合、福永武彦と橋本治だけだった。ヘンな組み合わせだが、事実だから仕方ない。
大学生のときに読んだ『桃尻娘』には本当に驚いた。
特に終章など、当時私がひそかに書きたい、書いておきたいと思っていた「高校3年生たちの物語」、そのものだった。
その後、80年代は『桃尻娘』の続編5部作が書き継がれたのをはじめ怒濤の新刊がリリースされることとなり、刊行を待ち構えて読み漁ったものだ。
私よりも歳は上だったけれど、まさしく、私たちの世代(定義するなら、「1980年の時点で高校生もしくは大学生であった者」となろうか)の感性の代弁者だと思っていた。
近年最も感慨深い訃報。
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