新年最初のN響、すばらしき子供の世界
NHK交響楽団 第1826回定期演奏会[Aプログラム](NHKホール)
ビゼー/小組曲「子供の遊び」
ドビュッシー(カプレ編)/バレエ音楽「おもちゃ箱」*
ストラヴィンスキー/バレエ音楽「ペトルーシュカ」(1911年版)
*語り:松嶋菜々子
指揮:山田和樹
(コンサートマスター:伊藤亮太郎)
9日(土)。
今年最初のN響は、俊英山田和樹君の定期初登場。
人形とかおもちゃとか遊びとか、子どものそういう世界つながりの3曲。
なんとまあすばらしく楽しい曲目であることよ。
そしてまた、なんというしなやかで柔軟な感性!
「ペトルーシュカ」は本当に見事で、音楽そのものを軽やかに楽しめる演奏だった。
実は「春の祭典」なんかよりずっと難しい曲で、どんなオケであれ実演で聴くとどこかしらギクシャクしたり重かったりつながらなかったりするものだが、そういう箇所はほとんど無かった。
というか、そういう箇所があるとか無いとか、そんなことを全く気にせず聴けた演奏だった。これはすごい。
時としてヒヤヒヤする第3場の有名なコルネットソロ(1911年版だとトランペットではなくコルネットなのだ)も万全。菊本さんさーし。
各場の開始のスネアドラム連打をかなり控えめな音量でやっていたが、何か意味というか理由があるのかな。(スコアを見たら、音量の指示は無いが、Distant but violent sound. Adjust to the acoustics of the hall. という注釈があった。distantを重視したということかな)
ピアノは、プログラムには記載はなかったが名手長尾洋史さん。前半の「おもちゃ箱」から大活躍だった。
「ペトルーシュカ」でピアノ独奏者をプログラムに載せないというのはおかしいと思う。
休憩前の「おもちゃ箱」は、バレエの元となったアンドレ・エレの絵本のテキスト(青柳いづみこ訳)をそのまま朗読しての共演。
ドラマティックとは言いがたいドビュッシーの音楽だけれど、こうしてテキスト付きで聴くと、ドビュッシーとしても精一杯サービス精神を発揮して、「わかりやすい」音楽を書いていることが分かる。
数年前にサクソフォン五重奏で演奏したことを懐かしく思い出した「子供の遊び」ともども、新年早々たいへん素敵なコンサートだった。
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