今年最後の「第九」、12月の都響
ベートーヴェン/交響曲第9番「合唱付」
Sop:安藤赴美子、Alt:中島郁子、Ten:大槻孝志、Bar:甲斐栄次郎
二期会合唱団(合唱指揮:藤本淳也)
東京都交響楽団(コンサートマスター:矢部達哉)
指揮:エリアフ・インバル
25日(金)。
おそらく今年最後に聴くコンサートとなるのは、インバル=都響の「第九」。
年の終わりの「第九」はやはり、最も好きな、最も信頼できるアーティストで聴きたく、ここのところほぼ毎年都響で聴いている。
テンポ的には割と常識的だが、強烈なトルクとパワーがあり、鋭角的なリズムとアクセントやスフォルツァンドをびっくりするほど強調する、マーラー編曲みたいな物凄く面白い「第九」だった。
ただ、3楽章までは本当に面白く聴いたけれど、4楽章になって声が入ってくると、インバルさんとしてもさほど目先の変わったことはできないのか、「普通」になった印象があった。
二期会の合唱(80名強)自体はさすがプロ、聴き応えがあったが。
ともあれ、「第九」1曲の潔いプログラム、8時半には終演。
今は亡き名匠ジャン・フルネの指揮で初めて都響の定期演奏会を聴いて、あまりの鮮やかさに卒倒しそうになってから、今年はちょうど30年だった。
個人的には記念すべき年で、先日(12月15日)の今年最後の定期演奏会の曲目に、30年前のその演奏会(1985年11月)と同じ、ルーセルの「バッカスとアリアーヌ」が含まれていたことも、感慨深かった(30年前は「第2組曲」だけだったが)。
ネットを眺めると、ブルックナーに対する賛辞ばかりが目につくんですが(笑)、ルーセルを忘れないでね。
フルネ師の衣鉢を継ぐに値するフランスの指揮者が、都響にやっと現れたのだから。
東京都交響楽団 第799回定期演奏会(サントリーホール)
ルーセル/バレエ音楽「バッカスとアリアーヌ」
ブルックナー/交響曲第0番
指揮:マルク・ミンコフスキ
(コンサートマスター:矢部達哉)
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