サマーフェスティバル開幕
サントリー音楽財団 サマーフェスティバル2015~ザ・プロデューサー・シリーズ 長木誠司がひらく
【8月23日】レクイエム~詩と声と命の果つるところ(サントリーホール)
B.A.ツィマーマン/ある若き詩人のためのレクイエム(日本初演)
ナレーター:長谷川初範、塩田泰久
Sop:森川栄子
Bs:大沼徹
ジャズ・コンボ:スガダイロー・クインテット
エレクトロニクス:有馬純寿
新国立劇場合唱団(合唱指揮:冨平恭平)
東京都交響楽団
指揮:大野和士
毎夏恒例、サントリーホールの現代音楽祭り。
…なんともものすごいものを聴いてしまった。
18時の開演で、大野さんとプロデューサーの長木さんがステージに出てきてプレトーク。
プレトークというのは開演前におまけのようにやられることが多いが、今回はプログラムに組み込まれ、終わったらそのまま15分休憩に入り、改めて演奏開始となった。
ヴァイオリン、ヴィオラを欠いた大オーケストラ(マンドリン、アコーディオン、2人のサクソフォン、オルガンを含む)、指揮者の目の前にハの字型に置かれた2台のピアノ、舞台後ろのほか客席(2階席)の3ヶ所に分散配置された合唱(それぞれに副指揮者がつく)、会場じゅうに置かれた多数のPAスピーカー、オルガンを覆い隠すような巨大な字幕スクリーン。
4群の合唱がミサ典礼文を歌い、ナレーターはドイツ基本法や毛沢東語録を読み上げ、スピーカーからはローマ法王や政治家や哲学者の演説、「第九」からビートルズの「ヘイ・ジュード」まで様々な音楽の断片。テキストは4つか5つ、あるいはもっと同時進行で、字幕上にはそれぞれ異なる分量、異なる速度、異なるデザインの文字列が錯綜する。
自分でもいったい「何を」聴いているのか分からなくなるようなカオスな時間がだんだん静寂へと収斂していき、最後は合唱の「ドナ・ノビス・パーチェム(我等に平和を与えたまえ)」、の絶叫で、豁然と終わる。演奏時間1時間強。
…いやー、すごかった。何と言うんでしょう、壮大な、うーん、ワケわからん。
ワケわからんけれど、とにかく、今日耳に(目に)したものにはとてつもない時間と手間隙がかかっていて、おそらく自分が生きている間にはもう二度とはお目にかかれないくらい貴重な時間だったろう、ということだけは判った。
満員の(なんと、満席だったのだ)お客さんは大熱狂。
私も、そもそもツィマーマンの理屈っぽいゲンダイオンガクっぷりは嫌いなんだけど、ここまで徹底して聴かせてくれたら率直に降参するしかない。
サックスには大石さん、西本さんの姿が。
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