サマーフェスティバルその2
サントリー音楽財団 サマーフェスティバル2015~TRANSMUSIC特別公演
【8月26日】音楽のエッセンツィア"現代音楽の楽しみ方"(サントリーホール・ブルーローズ)
西村朗/ヴィシュヌの臍(へそ)~ピアノと室内オーケストラのための
Pf:碇山典子
中川俊郎/室内交響曲第1番
伊左治直/南海の始まりへの旅
Gt:鈴木大介
野平一郎/網目模様~アルトサクソフォンと室内管弦楽のための
A.Sax:井上麻子
三輪眞弘/万葉集の一節を主題とする変奏曲~MIDIアコーディオンと管弦合奏のための
MIDIアコーディオン:岡野勇仁
東京シンフォニエッタ
指揮:野平一郎
野平一郎センセ指揮する東京シンフォニエッタで、ほぼコンチェルト形式の日本人現代作品5曲を聴く。
どの曲もゲンダイオンガクの類型に陥らない、なかなか興味深い作品揃いだった。
とくに最後の三輪さんの作品など、「超・音楽」といっていい大真面目なエキセントリックさは忘れがたい印象を残したが、「音楽」としては、これのために来京された井上麻子さん(Sax)独奏の野平御大の作品がやはり、他を圧した印象だった。
外観は超現代音楽なのに、作曲者の言いたいことがどれよりもはっきりと分かり、特殊奏法の使い方や曲の進み方、終わるタイミングも実に必然性があって、なおかつ今までの野平さんの作品にはなかったような「愁い」や「せつなさ」の要素も感じられるという、奥深い音楽。
次代のスタンダードになるんじゃないかな、という予感が。
面白い試みとして、今日演奏されたそれぞれの作品の一部分を「内包曲」として独立させ、しかもその楽譜がお客さん全員にプレゼントされたのだった(「内包曲」自体は専門家でなくても演奏可能なレベル)。
写真は野平さんの内包曲『ひとりぼっち』の楽譜。
どんな管楽器で演奏してもよいそうだ(これはソプラノリコーダー・ヴァージョン)。
管楽器を持っていない人のために、ご丁寧にもピアノ・ヴァージョンの楽譜まで付いている(伴奏譜、ということではないようだ)。
これは私もいずれ、「やる」ことを考えねばイケマセンなあ。
野平さんのこの難易度の無伴奏作品というのも貴重だし。
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