「エリック・サティとその時代展」
Bunkamuraの「エリック・サティとその時代展」を観てきた。
そういえば来年はサティの生誕150年らしい。
思ったよりは規模の小さい展覧会だったが(2012年のやはり生誕150年のドビュッシー回顧展のような圧倒感はなかったが)、それなりに面白く観ることができた。
サティという人は、「評価される」作曲家というより「共感される」人間、なんだろうな。
かなりに(ある種の神経障害をも類推されるような)ヘンな人物だし、人間嫌いの音楽嫌いを公言もしているのに、これほど周りの人々を惹きつけた人は少ないんじゃないか。
あんなにたくさんの肖像画を描かれている作曲家というのもいないと思うし。
そういう部分を、時代や周りの社会や人間関係の中でうまく明らかにした展示内容だったと思う。
出品作の中でびっくりしたのは、「シャ・ノワール(黒猫)」(サティがピアノを弾いていたパリのキャバレー)の座付き作曲家、アルフォンス・アレ作曲の「耳の聞こえないある偉人の葬儀のための葬送行進曲」。
これって、ジョン・ケージの「4分33秒」のはるかな先駆けではないか!(24小節の空白が続く)
19世紀にこんなものを思いついていた人がいたなんて。
CD付き、というのに惹かれて図録を買っちゃった。
Naxos音源によるオリジナル選曲。
サティのベスト盤としてはなかなかよくできた選曲だと思う。「スポーツと気晴らし」が全曲入っているのがポイント高い。
「パラード」の演奏がジェローム・カルタンバック指揮ナンシー交響楽団(Orchestre Symphonique et Lyrique de Nancy)というのも、いかにもNaxos音源らしいローカルぽさで吉。
図録本体も、珍しくもB5判という小ぶりな作りがよろしい。
CDの収録内容は以下の通り(クリック拡大。オシャレぽい薄色の印刷なので読みにくい)。
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