大賞演奏会(管打楽器コンクール)※追記あり
8月29日(金)
第31回日本管打楽器コンクール 入賞者表彰式・特別大賞演奏会(かつしかシンフォニーヒルズ・モーツァルトホール)
●特別大賞演奏会・プログラム
A.ジョリヴェ/打楽器協奏曲
パーカッション部門第1位 岡部亮登
一柳慧/マリンバ協奏曲
マリンバ部門第1位 沓野勢津子
A.ウェニャン/ラプソディ
サクソフォーン部門第1位 中島諒
モーツァルト/オーボエ協奏曲
オーボエ部門第1位 荒川文吉
東京ニューシティ管弦楽団
指揮:山下一史
※結果:特別大賞・内閣総理大臣賞、別賞
パーカッション部門第1位 岡部亮登
(追記 9月3日)
今年の「管打」は予選も本選も聴けなかったので、久々に来てみました大賞演奏会。
ステージには毎年のように乗っているのに、客席に座るのは十年ぶり以上の、かつしかシンフォニーヒルズ。
各部門の1位受賞者がそれぞれ本選の曲をオーケストラと共演し、その中からこの演奏会だけの特別審査員(と各部門より1名、部門の審査委員長が加わる)により、「特別大賞・内閣総理大臣賞」を選ぶ。
たいへん面白かった。コンクールというより、ひとつの演奏会としてとても聴き応えがあった。
これが入場無料で公開されているというのは素晴らしいことだ。
尾高忠明運営委員長の挨拶に始まる表彰式のセレモニーの後、休憩をはさんで演奏会開演。
サクソフォンの中島さんは、彼としてはおそらく最高に近い演奏をしたと思う。
ウェニャンは今年は本当にいろいろな場所でいろいろな人の演奏を何度も聴いたが、初めて「良い曲だ」、と思った。
いや、決して駄作だと思っていた訳ではないんだけど、今までピアノ伴奏で聴いている限りでは、なんでこんなに難しくなければならないのかよく理解できなかったのが、今日は初めて納得が行ったのだ。
演奏を聴き終わった瞬間には、中島さんが大賞獲るかもしれないな、とは思った。
というか、今回は、誰が大賞であっても全然おかしくなかったんだけど。
特別審査員の一人、井上みちよしさんの元気そうな姿と声にはちょっと感激した。
咽頭がんの手術後のリハビリ中のはずで、9月まで指揮の仕事は全てキャンセルされている。
あれだけ元気で、心配だった声も多少ガラガラ声ながらちゃんと出せているので、10月からのカムバックは何の問題もないだろうと思われる。
講評の言葉がまた、いかにも道義さんらしい毒舌が冴えていて、「内閣総理大臣賞貰えなくたっていいじゃない、どうせアベだし」とか(拍手w)
「こーんなになって吹いていたって、結局音楽は周りの2~3メートルだけで、オーケストラと一緒にコンチェルトをするところまではなっていなかった」と痛烈な批判の言葉もあったが、その「こーんなになって」の吹き真似の格好というのが明らかにサックスなんですよね(苦笑)
うーむ、確かに、他の楽器にはあまりいないけど、サックスを吹く人の中には異様にのたうち回って吹く人も多いからねえ、あれが時と場合により歓迎されない面もある、ということは覚えていてもよいと思う。
私も動き過ぎを指摘されることはよくあって、レッスンなどでも動かないようにしたほうが明らかに結果がよいことが多いんだけど、それは私がシロートだからで、ハイレベルな方々というのは違うのだろうか。
道義さんはオーボエの荒川さんを推していたようで、他の3人が賞状を貰う時には壇上で一切拍手をしなかったのに、荒川さんの時だけ足も踏み鳴らして大拍手をされていた。正直な人だな(笑)
オーボエの方と、大賞だった打楽器の方の演奏は、私としてはちょっと実直すぎる印象もあったんだけど、それこそが素晴らしい、という視点も当然ながらある訳で、正解がひとつじゃないのが音楽の音楽である所以でもある。
今回は、今回の審査員の見識と価値観により、こういう結果になった、という。
いやー、大賞演奏会、面白かったなあ。
その「面白さ」には色々な意味と側面があるけれど、それはほぼ、音楽そのものの面白さと同義である。
この演奏会はやはり、「管打」に関わった以上は聴きに行くべきものだ、と実感。
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