「アルル」2点…世界遺産と新しいスタンダード
新年度。
しまった!嘘つき忘れた(笑)
CD話の続き。
昨日書いた「第九」が含まれる、今般再販のカラヤン名盤1600というシリーズのCDの中に、1970年ドイツ・グラモフォン原盤のビゼー「アルルの女」他のアルバムが含まれている。
オーケストラはベルリン・フィル、サクソフォンは当然ダニエル・デファイエ(名前が載っている)。
この1970年録音はまた、私のところの本家サイトでもご紹介させていただいているが、ベルリン・フィルの首席フルートに、かの名手ジェームズ・ゴールウェイが在籍していた短い期間の貴重な記録でもある。
実際、音を聴いてみると一発でゴールウェイだと判る。
ゴールウェイとデファイエ、世界に名を轟かせた英仏両国の名手がベルリン・フィルという土俵の上で共演したこの録音は、まさしく世界遺産と呼んでも大袈裟ではないと思う。
以前発売されたCDは当然、既に持っていたが、今回の発売は昔なつかしいLPレコード時代のジャケットの復刻デザインだったので、買い直した。
「黄色い額縁」さーし。
「アルルの女」といえば、最近聴いた、評判の若手指揮者・山田和樹くんとスイスロマンド管弦楽団のデビューCD。

PentaTone Classics/PTC5186 358
「アルルの女」第1・第2組曲、フォーレ「マスクとベルガマスク」、グノー「ファウスト」のバレエ音楽。
若い日本人指揮者の海外オケのポストへの就任披露としては、このなんとも力の抜けた、しかし本物のセンスが要求される曲目!
「アルルの女」は21世紀のスタンダードたり得る名演だと思う。
秀逸なテンポ感とバランス感覚、またグノーの「ファウスト」で聴ける、古き良き時代への憧憬と優しさにみちた音楽の運び方は、まるで巨匠のような説得力がある。
フォーレが最もモーツァルトに近づいた雅びやかな佳作、「マスクとベルガマスク」を録音してくれたことも私としては大変嬉しい。
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