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2014.02.08

佐野功枝(Sax)@茗荷谷

チラシ画像佐野功枝 サクソフォンコンサート~バレンタインによせて(茗荷谷・ラリール)

ジョン・マッキー/ソプラノサクソフォン・コンチェルト
F.オブラドルス/2つの民謡より「いちばん細くきれいな髪で」
ドビュッシー/星の夜、愛し合いそして眠ろう
ただすけ/ノスタルジー(2013委嘱新作)
L.バーンスタイン/Lucky to be me
 ただすけ(Pf)

2月6日(木)。
名古屋方面で活躍されるサクソフォン奏者、佐野功枝さんの東京ライブ。

会場のラリールは茗荷谷の、駅を降りて大きな公園を横切った先にある瀟洒な小スペースで、前回の恵比寿といい、よくこういうお洒落な場所見つけるなあと感心する。
今回は前半にジョン・マッキーのコンチェルト(20分強)、後半にいろいろな作曲家の「愛の歌」とピアノのただすけさんの新作再演、という対照的かつシンプルなもので、特にマッキーの苛烈な、流線型に疾走する音楽は(私の)佐野さんに対するイメージを新たにするものだったと思う(とても大好きな、思い入れのある作品とのこと)。
ただすけさんの「ノスタルジー」は本日の隠しテーマのようなものだったか。前と後ろに、(フランセやデュボワの作品の中にもふとありそうな)どこか懐かしい雰囲気の「門構え」を置いて、その中に飛翔し拡がってゆく音楽が詰まっている趣。
今回もまた、素敵な作品ができた。
お客さんは前回ライブに比べたら少なめだったけれど、これからも東京で佐野さんの演奏が聴ける機会が続いてほしいなあと思う。


「ノスタルジー」というものに関する、個人的なお話。
実は、茗荷谷駅に降りたのは39年ぶりだった。
昭和50年、中学2年で生まれて初めて出場した吹奏楽コンクールの会場が、この近くのお茶の水女子大学の講堂だったのだ。
同級生の女の子が2人応援に来てくれて、大学構内の中庭で話をしたこととか、本番の課題曲で派手にリードミスをしたこと(テナーを吹いていた)等、妙によく覚えている。
自分が意識して音楽というものに取り組んだ、思い出す限り一番最初の記憶。
それから39年経って、二度めにこの駅に降り立って聴いた演奏会のテーマが「ノスタルジー」だというのは、何というか、不思議な偶然だった。
ここで言う「ノスタルジー」というのは、ただ単に立ち止まって昔を懐かしんでいるのとは違う。
その時の(昔の)自分があったからこそ、今の自分がある、そして「この先」に進んで行ける、そのことに感謝しつつ意識し続ける、ということ。
私の好きな(今までもブログに何度か書いたことのある)、プルーストの「人は、人生の折々において、自分自身の子孫である」という言葉を、もう一度掲げたい。

アンコールに「アディオス・ノニーノ」。須川さんバージョン。

photo

チケットの半券と、受付でひとりひとりに配られたチョコレート(もうひとつあったが写真撮る前に食べてしまった)。

(追記)
佐野さんのブログの当該ページに、終演後みんなで一緒に撮った写真が載っています。
「仲間」、っていう言い方が嬉しいな。

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