雪の中で(2)尾高N響、シベリウス特集
NHK交響楽団 第1775回定期演奏会[Aプログラム](NHKホール)
シベリウス/
アンダンテ・フェスティヴォ
ヴァイオリン協奏曲
Vn:ワン・ジジョン
4つの伝説
指揮:尾高忠明
(ゲスト・コンサートマスター:ベルンハルト・ハルトーク)
大雪の8日(土)、コンサート2本め。
ますます強くなる風と雪の中、溜池山王から渋谷へと移動。
昨年9月のあの台風18号でもびくともしなかった地下鉄銀座線は、何事もないかのように普通に走っている。
渋谷で降り、積雪を踏みしめながら公園通りの坂を上り、途中のフレッシュネスバーガーで暖をとりながら開場時刻を待ち(客は自分一人しかいなかった)、NHKホールに入る。
客席のガラガラっぷりは壮観だった。
もはや電車も止まりまくっているので来たくても来られないのと、N響は放送でも聴けるので諦めが入りやすいのだろう。
そんな雰囲気の中聴いた尾高さんのシベリウス特集はしかし、まさしく真に迫って感動的だった。
青白い閃光を放つかのような怜悧な「アンダンテ・フェスティヴォ」の荘重な響きに始まり、極めて珍しい「4つの伝説」の全曲演奏で終わる。
「4つの伝説」はこのままCDにしてほしいくらいの模範的演奏だった。「トゥオネラの白鳥」が他を圧して有名な理由がよくわかった。リアルに「寒い」音がした。
池田さんのコーラングレ、向山さんのチェロ、さーし。
なにしろこの天気なので、1本めで諦めて帰宅してFMで聴く、という選択肢も勿論あったんだけど、諦めずに現地に行ったおかげで、たぶん生涯で二度はないだろうと思える臨場感だった。
あっ、「生涯で二度とはない」のは、すべての生演奏というものがそうなのですけどね。
何度かのカーテンコールの後、尾高さんが拍手を制して、「外はどんどん積もっているようです」、と一言。
何のことだかよく分からないらしいゲストコンマスの外人さん(ベルリン・ドイツ響とバイロイト祝祭管のコンマスとの由)をトップサイドの方が促して、解散。
現実世界に戻った。
帰りがけのハチ公前交差点。
ひ、人が少ない
山手線はかろうじて動いていたので、なんとか帰れた。
« 雪の中で(1)サントリーホール、都響 | トップページ | 氷漬けの街を梯子行脚 »
「コンサート(2014年)」カテゴリの記事
- 第九・2014【12月26日】(2014.12.31)
- 大森義基&野原武伸(Sax)【12月24日】(2014.12.31)
- ツクバ・サクソフォン・カルテット【12月21日】(2014.12.31)
- クローバー、2014年【12月18日】(2014.12.31)
- 山下友教(Sax)【12月16日】(2014.12.30)
一年以上前の記事へのコメントでスミマセン。N響1775回の記事を見つける毎に闇雲にお尋ねしております。仕事の都合でこの録画ができなかったため、大好物のSibeliusと
尾高さんの指揮、それに、演奏機会が稀な為に恐らくは2度と出会えない曲を諦めきれず、レコーダーで録画したDVDをお持ちだったら短期間お借りできないかのお伺いを致しております。そのデイスクをどうするかを書くことは憚られますが、決して毀損することは有りません。勿論、ご自身ではなくともどなたか・・・。
投稿: 阿部秀夫 | 2015.12.10 09:46
うーむ、残念ながら録画はしておりません…。
投稿: Thunder | 2015.12.11 00:20
ご回答ありがとうございます。
実際、捜索を開始して闇雲にカキコしましたが、何故か「録画は持っていない」方からの丁寧なメールやご回答が多く、お一人だけ「貸してあげない」との断固たる拒絶にブチ当たっております。あと一人お持ちの方とは「交渉中」ですが、現状では未だご回答が頂けておりません。兎も角は、デイスクを貸せだののカキコは、他の方の顰蹙を買う恐れがあり、ご迷惑はお掛けしたくありませんので、今回で完とします。ご回答、誠にありがとうございました。(カキコの削除も可です。)
投稿: 阿部秀夫 | 2015.12.11 11:19