インバル都響マーラーツィクルス6、横浜
インバル=都響 新・マーラー・ツィクルス第II期〈6〉(横浜みなとみらいホール)
交響曲第6番「悲劇的」
東京都交響楽団
指揮:エリアフ・インバル
(コンサートマスター:山本友重)
インバルと都響のマーラー・ツィクルスも後半戦、佳境に入った。
芸劇には本番と重なって行けないので、その本番のリハーサルのちょうど後、みなとみらいへと直行。
今回もまた、何の不安も不明点もない全きマーラーの世界を堪能した。
世界の不安や悲劇を描き出したこのような音楽で、演奏そのものに不安な点があっては困るのだ。
この曲の難しさや複雑さを、むしろ楽しんでいるようにも聞こえた。
小さなトラブルは幾つかあったが偶発的なもので、明日はもっと良くなるだろう。
木管トップ陣は、クラ三界さんを別とすればFl柳原Ob鷹栖Bn長、という「若手チーム」だったが、素晴らしいものだった。
なかでもオーボエの鷹栖さんの演奏には感心した。
まだ若いのに、どんどん自分の世界を作られている。
金管はTp高橋Hn有馬Trb小田桐、の鉄壁の布陣。テューバの佐藤さんも今日は大活躍。
今日(11月2日)はキリスト教でいう「万霊節(死者の日)」、亡き人を思い出す日ということで、久々に都響の前任シェフ・ベルティーニのマーラー6番のCD(Fontec)を聴いてみた。
インバル師とベルティーニ師のマーラーの交響曲の解釈は、表面的にはずいぶん違うところも多いが、この曲に関しては久々に聴き直してハッとしたほど、直截的なアプローチが共通していると思った。
というか11年前(2002年収録)の都響、上手いじゃん。
ベルティーニというと、一般的な音楽ファンの間ではもう過去の人なのかもしれないが、改めて忘れちゃいけないと思った。
私事だがこのマーラー6番、自分が以前勤めていた会社がいろいろあって解散となり、最後の出勤日の夜に浦和まで聴きに行った演奏で(CDの演奏自体は翌日のみなとみらいでの収録だが)、こういう日にこの曲かよという感慨も含めて個人的にはたいへん思い出深い。どうでもいい話だが。
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