夏の都響
東京都交響楽団 「作曲家の肖像」シリーズVol.93(東京芸術劇場・コンサートホール)
「チャイコフスキー」
歌劇「エフゲニー・オネーギン」より ポロネーズ
ヴァイオリン協奏曲
Vn:コリヤ・ブラッハー
組曲第3番
指揮:リュウ・シャオチャ
(コンサートマスター:山本友重)
最近すいぶんたくさんのコンサート日記を一気書きしたけれど、都響は久しぶりのような気がする。
フィルハーモニア台湾の音楽監督、リュウ・シャオチャ(呂紹嘉)の客演による、チャイコフスキー特集。
1曲めの「ポロネーズ」はちょっとよそよそしい感じだったが(オーケストラの自発性を引き出すというより、統制のきついタイプの指揮者かもしれないとは思った)、2曲めのヴァイオリン協奏曲を弾いたコリヤ・ブラッハー(ベルリンフィル元コンマス)が素晴らしかった!
決していわゆる派手な演奏ではない。身体もほぼ微動だにせず弾くんだけど、いま音楽がどうなっているのか、この先どうなるのか、どうしたいのか、音を聞いてるだけで全部分かる。
「明晰」を絵に描いて額に飾ったかのようだ。
ただ聴いているだけで、この曲の正しく全き世界を旅することができる。演奏家とはかくあるべし。
終演後のオケメンバーの拍手が半端じゃなかった。
メインプロの「組曲第3番」は初耳の曲だったが、メリハリの効いた躍動的な演奏で、たいへん楽しめた。
バレエ音楽と交響曲に対するチャイコフスキーのそれぞれの音楽的才能を架橋するがごとき面白い作品で、こんないい曲をなぜ知らなかったのだろう。
…
そういえば先月聴いたこれの日記も書いていなかったので、思い出しつつ簡単に。
東京都交響楽団 プロムナードコンサート#354(サントリーホール)
ブラームス/悲劇的序曲
シベリウス/ヴァイオリン協奏曲(Vn:クララ=ジュミ・カン)
同 /交響曲第2番
指揮:エヴァ・オリカイネン
(コンサートマスター:四方恭子)
パヌラ/セゲルスタム門下、北欧からやってきた話題の若き女性指揮者。
ロングスカート姿でステージに現れたので、ちょっと驚いた(女性指揮者というと大抵パンツ姿なので)。
ブラームスが始まった瞬間の力強い、鋭く重い音には、おおっ、これは凄い才能かも!と思ったが、聴いているとそのままずっと力が入りっぱなしのような感じがして、少しホッとする瞬間も欲しいとは思った。
しかしそれでも、最近稀に見るような充実したブラームスではあった。
シベリウスも、なんといっても曲が良いので盛り上がったが、もしかしたらこの指揮者、「2番」はそれほど得意という訳ではないのかもしれないと思った。
オーソドックスなドイツ音楽でもういちど聴いてみたい。
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