「スペイン音楽のたのしみ」
濱田滋郎さんの名著「スペイン音楽のたのしみ」が30年ぶりに改訂再販されたことを最近知って、買って読み進んでいるところ。
学生の頃(ということは旧版が出たばかりの時)に図書館で読んでいて、ずっと後になって買おうと思った時には既にほとんど手に入らない状態になっていた。待望の再販である。
これは、日本におけるそのジャンルの第一人者の手になる入門書・概説書として、金澤正剛氏の古楽/宗教音楽、故三浦淳史氏の英国音楽、磯田健一郎氏のフランス音楽などと並ぶものであり、時代を超えて読みつがれるべき古典であると改めて確言する次第。
それにしても本当に品格のある文章だ。
濱田さんの文章は、「レコード芸術」や「ステレオ芸術」(などという雑誌が昔あった)に載っていたもので昔から親しんでおり、文体と対象に対する態度の両方において、私も大きく影響を受けたものだ。
「レコード芸術」の器楽曲の月評も昔から担当されていたので、いくつかのサクソフォンのCDに対しても、的確でかつ暖かい評価をされてきたのを知っている。
今の「レコ芸」は批評体制が変わり、サクソフォンのCDは吹奏楽のジャンルでとりあげられることになったので、濱田さんの評価に触れるであろう機会が減ってしまったのは残念。
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