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2013.03.01

シンフォニエッタ静岡、2012シーズン最終公演

春一番とともに3月になった。
ずっと後回しになっていた2週間前(2月17日)の静岡行きのふりかえり。

チラシ画像シンフォニエッタ静岡 Sinfonietta Shizuoka, JAPAN 第29回定期演奏会「ふたりの名旋律作曲家(メロディメーカー)」(グランシップ・中ホール「大地」)

プーランク/シンフォニエッタ
同 /オルガン、弦楽とティンパニのための協奏曲
 Org:新山恵理
シューベルト/交響曲第2番
 指揮:中原朋哉

これで7シーズンめを終了したシンフォニエッタ静岡(SSJ)の定期公演だが、年間の定期にすべて足を運ぶことができたのは今年度が初めてだった。
今回もまたたいへんに興味深い選曲。
過去何度もとりあげられて、SSJのテーマ曲のようになっているプーランクの「シンフォニエッタ」も、はじめて聴くことができて、感慨深かった。
私の大好きな20世紀中葉のフランス音楽の姿を、懐古的にかつ楽しく描き出す、素敵な「小交響曲(シンフォニエッタ)」だ。
トランペットのトップに杉木峯夫氏の姿があった。
昨年まで芸大教授を勤められた、日本トランペット界の大御所である。
国立大を定年で辞められているということは、結構なお歳のはずだが、矍鑠たる演奏ぶりは健在。
バソンには言わずと知れた小山清先生が。
パリ音楽院でモーリス・アンドレに学び、セルジュ・ボド治下の70年代のリヨン管弦楽団に在籍した杉木先生、そしてやはりパリ音楽院で名匠モーリス・アラールに学び、かの良き時代の空気を一杯に呼吸したはずの小山先生は、どんな気持ちでこの「シンフォニエッタ」を演奏されたのだろうか。

続く、同じくプーランク(今年は没後50年である)の「オルガン協奏曲」は一番の聴き物だった。
このホールにはパイプオルガンは無いので、RolandのクラシックオルガンC380なる電子オルガンを使用。
これがびっくりするほどそれらしい音のするオルガンで、驚いた。
見たところホールのPAは使っていなさそうだったのだが、音量感も万全だし、リード管独特の音の立ち上がりや音色も実に巧妙。
32フィート管の、音というよりは空気の振動のようなあの感じだけはさすがに無かったけれど、例えば今回の演奏をライブ録音してCDにしたとしたら、知らずに聴いたら電子オルガンだとは誰も分からないんじゃないかと思ったほど。

オルガンは指揮者の向かって右側に後ろ向きに(鍵盤をこちらに向けて)置かれ(ストップ操作が丸見えでたいへん面白かった)、弦とティンパニは左側に固められ、試合のように緊張感にみちて進行する。
この異形の傑作の姿を明らかにする稀少な機会となった。
パイプオルガンのない会場でもこの曲の姿が充分に再現可能だということが分かったのは収穫だった。
そもそも大オルガンのあるコンサートホールなんて、東京のような大都市のしかも限られた会場しかないんだし、その東京にしたって、つい30年ほど前までは今の「地方」と同じような状況だったのだから。

休憩後のメインプロは、コンマス席に長尾春花さんが座り、意表をついてシューベルトの、しかも2番。
なぜ「2番」なんだろう、とは思った。
そういえば来年度いっぱいで東響のポストを辞めるユベール・スダーン氏が、任期最後の定期演奏会にシューベルトの2番を選曲している。
…しかしそのシューベルト、なんだかんだ言っても、いい曲だった。
モーツァルトでもベートーヴェンでも、その後でもない、独自の世界。
あまり馴染みのないシューベルトの「若書き」というか初期交響曲だけれど、もっと聴かなくちゃいけないな、とは思った。
そもそも、早世の天才シューベルトは、他の作曲家だったら充分に「若書き」と呼ばれるような年齢で、「グレート」のような充実の極みの曲を書いているんだから。

…という次第で、終演。
もうここに来るのも何度めになるのだろう。
来年度は何回来れるかなあ。
会場のグランシップからはこの日も雪を冠った富士山がよく見えたが、10Fの展望ロビーは貸切で立ち入りができず残念。

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