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2013.02.23

横井彬士サクソフォンリサイタル(追記あり)

チラシ画像横井彬士 サクソフォン・リサイタル(大田区民ホールアプリコ・小ホール)

シモネッティ/マドリガル
ムチンスキー/ソナタ
松浦真沙/海の石
デュクリュック/ソナタ嬰ハ調
ベダール/ファンタジー
フランク/ヴァイオリンソナタ
 松浦真沙(Pf)

今週はいろいろ疲れた。寒いし長かった…
そんな週末の金曜(22日)の夜は、大学4年生(音大ではなく一般大学の商学部である)横井くんのリサイタルへ。
先週末の日記をまだ書き残しているけれど、これはとりいそぎ書いておかねばなるまい。

まあ、このプログラムを見てほしい。
いまやこういうことをやってしまう若い人が「アマチュア」を名乗る時代に、私たちは生きている。

到着が遅れて、松浦さんの曲(松浦さんはサクソフォン奏者の有村純親さんと長年デュオ活動をされていて、これの初演も有村さんである。ちなみに横井くんは有村さんの弟子でもある)をほぼ全部、ロビーで聴き、デュクリュックから入る。
お客さんは結構入っていて、空いていた一番前に座る。
こんなところでワタシがふんぞり返って聴いていたらプレッシャーであろうが(笑)
立派な演奏だった。
単に音をきれいに並べるとか、フラジオをちゃんと当てるとかだけではなく、彼自身の音楽観と知性がきちんと反映された、存在価値のある音楽だった。
海の底のような青みがかった色彩を感じさせるデュクリュックの響きの流れ、ベダールのなにげない軽さ。
そしてメインプロのフランクはまさに熱演。
全て吹き終わって、放心したような顔で再びステージに現れ、
「もうすぐ大学も卒業で、人生の夏休みも終わりなので」(笑)
と言って、アンコールに「ヴァカンス」(ダマーズ)。
避暑地のペンションの昼下がりの庭先で、休暇が終わって帰るために車に荷物を積み込んでいるような場面によく似合いそうなこの曲の独特のせつなさを、痛切に感じさせた一瞬だった。

…しかし、本当にやりましたね。
すごいわ。
私だって、アマチュアがそんなことするか?と普通言われるようなことを過去には色々やってきた記憶はあるけれど、ここまでの意欲と技量は残念ながら無かった。
横井くんと最初に会ったのがいつのことかはよく覚えていないのだけど、たぶんサクソフォン交流会の席上、声をかけてくれたんじゃなかったかな。
だとしたら、「アマチュア」と呼ばれる層の人間の組織化と発展をめざした、この「交流会」という企画の成果、ということにもなるんだけど。
今回は「卒業記念リサイタル」(某一流企業に就職が決まっている由)だったが、是非この先も二度め・三度めを企画してほしいと思う。
就職すると、学生の頃とは色々勝手は違うけれど、なんたって20代前半の時点でこれだけの基礎的技量があるんだからね(オレなんざ22歳で初めてサクソフォンのレッスンを受け始めた頃なんて、1回1時間のレッスンで全音符3つしか吹かせて貰えなかったんだから)。

そういえばつい数ヶ月前に聴いた、やはりアマチュアの小倉くんの素晴らしいリサイタルもそうだし、先日届いた日本サクソフォーン協会の会報誌の、10年前・20年前だったら到底考えられないようなおそるべき内容の充実ぶりに驚嘆した記憶も新しいのだけど、日本のサクソフォン界をとりまく環境そのものに、最近(おそらく数年単位未満のオーダーで)何か急速かつ根本的かつ静かな熟成と変革が起こっている気がする。
この熟成と変革が最終的にどういう結果をもたらすのかは、未だよく分からない。
今までどおり注意深く見守っていきたいと思う。
ただ、私たちのいる「アマチュア」という畑の中のことで言えば、その突出した一部分の、高い技量を持った人だけの閉じたサークルの中で完結して欲しくないとも願う。
つい最近書いたことをもう一度繰り返す。
自分自身のパフォーマンスを上げるための努力と同じくらいに、自分の周りにいる人間のパフォーマンスをも上げる努力に意を注ぐことは、アマチュア音楽家の責務である。
いや、それだけでなく、社会の中で生きる人間に遍く課された責務である、と。

横井くん、リサイタル成功おめでとう。

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コンサート(2013年)」カテゴリの記事

コメント

Thunderさん、こんばんは。横井です。
今回は御来場ありがとうございました。
このような感想、文章を書いていただいて本当に嬉しく、誇りに思います。開催して良かったです。

大学に入るまで、ラクールもデファイエもイベールも何も知りませんでしたが、クラシカルサクソフォンの歴史や伝統、また一般常識的なことをThunderさんやkuriさん、mckenさんのホームページを読んで学びました。

文中で触れられていましたが、サクソフォン交流会は僕にとって1つの大きな刺激でした。第2回の交流会で、本番上手く吹けずに悔しい思いをし、毎月のレッスンに通う決意をしたのです。
交流会がなければ、リサイタルをやらなかったかもしれないし、やったとしてももっと小規模で、大学の友人を呼ぶくらいのものだったかもしれません。
今回のサクソフォン関係のお客さんは、殆どが交流会がきっかけで知り合いになった人たちでした。

完全燃焼したので、ゆっくりと充電して、今後の企画、またアマチュア音楽家としての責務についても考えようと思います。

ありがとうございました。

お疲れさまでした!
まあ、あんまり堅くならないでください(笑)
当日はいろいろあって挨拶もせずダッシュで帰ってしまいました。ごめんなさい。

コメント有難うございます。
私も、年上の人間なりの責務というものを少しは果たせたのかな、と思っています。
また、あちこちで(笑)よろしくお願いします。

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