ふりかえり…寺本義明(Flute)
D.ミヨー/フルートとピアノのためのソナチネOp.76
C.ドビュッシー/牧神の午後への前奏曲
A.ルリエ/パンの笛
F.プーランク/フルートソナタ
O.メシアン/クロウタドリ
C.Ph.E.バッハ/無伴奏フルートのためのソナタ イ短調Wq.132
P.ブーレーズ/フルートとピアノのためのソナチネ
野平一郎(Pf)
都響首席奏者の寺本さん。
私の最も信頼するフルーティストだ。
2000年から都響首席、ということは、都響のコアな定期会員のワタクシとしては、月に2回ある定期の半分が出番としても、もう100回以上は聴いていることになる。
それだけの回数と期間を、恐るべき確実さと半端でない知性の裏付けを以て、聴かせ続けている。
寺本さんはまた、京都大学卒業ということで、元々アマチュアの出自でもあり、私たちアマチュア演奏家の考え方ともたいへん共鳴するところがある。
10年近く前、とある呑み会で一度だけご一緒して少しばかりお話をしたんだけれど、当時私がホームページに書いていたウェブ日記(このブログを始める前のこと)を読んでくださっていて、それ以来全幅の信頼を寄せている方である(笑)
オケマンの方は忙しいので、ソロリサイタルというのはまた貴重な機会だったりする。
ソロCD「牧神から吹いた風」発売記念のライブ。
極めてハードかつ先鋭的な、本格リサイタルだった。
それにしても上手い!…
意味のない音、方向性の感じられない音というのが一切ない。
バロックの無伴奏から正統的フレンチ、メシアンやブーレーズといったバリバリ現代物、アンコールで吹いたゴダール「ワルツ」のようなショウピースに至るまで、オケマンというより、外国から来たソリストのような音楽的説得力だ。
野平さんの怪物的ピアノ(この人のピアノは聴くだけで高度なレッスンであるかのようだ、という話を昨日書いたばかり)共々、恐れ入りつつ聴いた。
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