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2012.03.29

【聴いた】都響インバル月間~大地の歌

TMSO, 20120329東京都交響楽団 第731回定期演奏会(サントリーホール)

マーラー/
亡き子をしのぶ歌
交響曲「大地の歌」
 イリス・フェルミリオン(MS)、ロバート・ギャンビル(Ten)
 指揮:エリアフ・インバル
 (コンサートマスター:四方恭子)

インバルと都響、ますます好調である。
明日(30日)も同一プロの特別演奏会があり、そちらを楽しみにしてらっしゃる方も多いだろう。
私もホントは明日行きたかった。

私は都響の定期演奏会については、「メイト会員」というものになっている。
格安にA、B両シリーズの演奏会が全て聴けるのだが、そのかわり座る(指定される)席が毎回変わる。
今日はLAブロック(舞台ほぼ真横)に座った。
ここで聴くオーケストラの音は、正面で聴くのとまるで違う、ちょっと特別な響きだと思う。
会場内のアコースティックに向けて放たれる前の、蒸留水のような、素材そのものの音である。
でもって、その音がまた、えらく魅力的なのですよ。
指揮者の顔やしぐさもよく見える。
唯一、声楽のソリストがいる場合は、声があさっての方向に飛んで行ってしまうのが難点だけれど、今日のソリストのフェルミリオンについては、そっぽ向いて歌っているとはとても思えないような深々とした響き方で聞こえてきたもんで、感心した。
インバルの指揮は、相変わらずスケールの巨大さと緻密さの共存した得がたい流儀。
「大地の歌」は私にとっては、実はマーラーの作品の中で唯一鬼門なんだけれど、そんなことをまるで感じさせない作り方はさすがだ。
日本のオケがどうとか、海外のオケがどうとか、どこがどう上手いとか、そんなことはもうもはや関係ないという感じ。
音楽がまさに、そこにあるべきありようとして、存在している。

首席陣覚書き。コンマス四方、トップサイド矢部(!)。2ndVn、チェロはそれぞれ、双紙・えんかな、古川・田中と勢揃い。
コントラバスのトップは、いかにも大御所という趣のベテランさん(エキストラ)。元読響の星さんか?
Fl寺本。Cl三界。Hn西條(ブラヴォー!)。Tp高橋。
ObとBnはそれぞれ、共にこの3月いっぱいで引退の本間・堂坂両ベテラン。
とくに本間さんなど、「大地の歌」ではコンチェルトのごとき大活躍。私が都響を聴き始めるずっと前からの都響の「顔」だった、ウィンナオーボエのようなあの独特な音をもう聴けないのは残念だ。
こんなに吹ける人を引退させちゃっていいのか?

明日は本当に最後だから、きっと盛り上がるだろう。

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