【聴いた】SIOフィルウィンズ
SIOフィルハーモニックウィンドオーケストラ ドリームコンサート2012(すみだトリフォニーホール)
A.リード/セカンドセンチュリー
ショスタコーヴィチ/祝典序曲
ワーグナー/歌劇「ローエングリン」より エルザの大聖堂への入場
伊福部昭/ゴジラ・ファンタジー
A.リード/アルメニアンダンス パート1
和田信/行進曲「希望の空」(2012年度全日本吹奏楽コンクール課題曲IV)
L.アンダーソン/トランペット吹きの子守歌、N.ロータ/映画「ゴッドファーザーPartII」より 愛は誰の手に(Tp:多田将太郎)
ハチャトゥリアン/バレエ組曲「ガイーヌ」より 剣の舞、子守歌、レスギンカ
指揮:汐澤安彦
こんな吹奏楽のコンサートを聴いた。
東京音大の卒業生や学生を中心に集まった、汐澤安彦ドリームバンド。
なんと入場無料(全席招待)。
凄い演奏だった。
学生の頃から汐澤先生に鍛えられて育ったであろう、若き演奏家たちの一夜の祝祭。
入場無料ということは、最初っから採算度外視ということだ。
事実、最強の(良い意味での)アマチュアバンドみたいな、ノリとパワーと推進力が聴けた。
出演者は以下の通り(当日プログラムより)。
最近、佼成から都響に移籍した勝山さんがコンマスだった。

ホルンだけで14人(全乗り、降り番無し)、などというプロにあるまじき(笑)大編成ながら、いかにも汐澤さんらしい、細かなアーティキュレーションやフレージングや、(他の指揮者だったら絶対にしないような)ダイナミクスの細かな調整や、フレーズの中のちょっとしたアクセントなどが、実によく聞きとれた。
なんだかリハーサル風景が目に浮かぶようだ。
そしてそれらが、枝葉に陥らず、総体的には汐澤さんならではの巨大な説得力と全能感に結実していた。
「セカンドセンチュリー」みたいな、いわば「ただのマーチ」に、あそこまで趣向を凝らす指揮者は他にいない。
「エルザ」の金管に、あそこまで立体的で遠近感を備えたバランスを要求する指揮者もいない。
そして「アルメニアンダンス」で、あそこまでぶっ速いテンポと超確実な重量感とを両立させる指揮者もいない。
アンコールがなんと7曲!
まるでアンコールだけで一つのステージのように盛り上がった。
「エル・クンバンチェロ」なんか、演奏会というより宴会、と呼んでいい世界。大笑い。
超速の「ギャロップ」(A.リード「第1組曲」より)は懐かしかった。
私も古巣のバンドで、今はもういない鎌田先生の指揮で何度も吹いたことを思い出して、ちょっと泣けた。
そういえば鎌田先生も東京音大出身だったな。きっと汐澤さんの「ギャロップ」には何度も接しているはずだ。
音大ではヴァイオリン専攻だった鎌田先生としては、あんなにお好きだった「ギャロップ」を自分では弾けない、ということがさぞや口惜しかったんだろうと思う(吹奏楽団に客演する際は、アンコールに「ギャロップ」を演ることが条件だったんだとか)。
こういうコンサートが、なぜ既存のプロの楽団(佼成とか東吹とか)で今まで無かったのかな。
吹奏楽を文化として考えるなら、日本吹奏楽界のマスターである汐澤さんにこうやって好き放題に振舞ってもらう企画というのは、汐澤さんと縁の深い既存のプロ団体が率先して(採算のとれる企画として)やっても良かったことだ。
こういうコンサートが企画できなかったというのは、ある種の「プロの敗北」だと私は思う。
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