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2012.02.15

田中靖人(Sax)、モリコーネ・パラダイス

田中靖人, 20120214田中靖人 CD「モリコーネ・パラダイス」リリース記念リサイタルツアー2012 東京公演(紀尾井ホール)

ドビュッシー(E.ルソー編)/ラプソディ
ミヨー/スカラムーシュ
林田祐和/ Beat of the ground (初演)
E.モリコーネ/
ミッション・パラフレーズ(長生淳編)(初演)
モリコーネ・パラダイス(真島俊夫編)
ラ・カリファ(千住明編)
セルジオ・レオーネ組曲(山下康介編)
キ・マイ(私だけが)(イアン・ガーディナー編)
黄金のエクスタシー(ジョン・ハール編)
 田中靖人(A.Sax)、山田武彦(Pf)

今日も早くは退社できず、聴けたのは後半だけ(「モリコーネ・パラダイス」から)。
モリコーネ・ナンバーをのびのびと吹きまくる田中さんを専ら聴くこととなった。

ああ、きれいな音だなあ、共感できるヴィブラートだなあ、田中さんは「天才」だなあ、というその場での当初のナイーヴな感想はしかし、会場で購入し、終演後は2階のロビーにまで達する行列に並んでサインを戴いた田中さんの新しいCD、「モリコーネ・パラダイス」を聴いた後では、全く違う様相を呈することとなった。

Morricone Paradiso

田中靖人/モリコーネ・パラダイス(EMIジャパン TOCE90218)

今日のリサイタルの後半は、要するにこの「モリコーネ・パラダイス」というアルバムのダイジェストとしての紹介であり、(ピアノリダクション版による)「サンプル」だったのだ。
田中さんがどのようなものを創りあげ、どんな音楽をやっているか「ちゃんと」知りたければ、つべこべ言わずにこのCDを聴くべきだ。
これは驚くべきアルバムである。
今までにも、基本的にクラシックのフィールドにいる演奏家が、あるコンセプトに基づいて、異ジャンルの音楽、内外の異ジャンルの才能とのコラボレーションを繰り広げたアルバムというのは存在した。サクソフォン界にもあった。
しかし、この「モリコーネ・パラダイス」は、既存のそういったものとはレベルが違うと思う。

はっきり言ってこのCDは、田中さんの作品というより、プロデューサーであるジョン・ハールの作品である。
ジョン・ハールといえば現代英国を代表するサクソフォンの大家であるが、既存のサクソフォンの世界にはとても収まりきらないその才能が、田中さんという「万能の素材」を得てつくりあげた、トータルコーディネートの世界である。
ジョン・ハール自身の、「シャドウ・オブ・ザ・デューク」や「恐怖と壮麗」といったコンセプト・アルバムをご存じの方がいらっしゃったら話が早いのだが、そういうものに近い、選曲、編成と編曲、共演者の選定、サウンドデザインに至るまで、プロデューサーの感性と意思とが隅々まで100%投企された作品である。

私は特にモリコーネに詳しい訳でもないし、強い思い入れがある訳でもないけれど、それでもこれほど、一種の興奮と驚嘆を覚えつつ聴き進んだサクソフォンのCDというのは久しぶりだった。

…話は最初に戻るけれど、田中さんはやっぱり、一種の「天才」ですね。
何を言われても、何をされても動じない、強い美しさ、美しい強さ、のようなものがその音と音楽にはある。
だからこそこういう強力なコンセプト・アルバムの中に置かれても堪えられるんだな。
並みの演奏家だったら潰されかねない世界だもの。


本日は2月14日ということでか、会場でプログラムと一緒に配られた、田中靖人さんのメッセージ入り落雁。
洒落てるなあ。

20120214

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