【聴いた】ハーディング=NJP
新日本フィルハーモニー交響楽団 第488回定期演奏会(サントリーホール)
チャイコフスキー/ピアノ協奏曲第1番
ストラヴィンスキー/バレエ音楽「ペトルーシュカ」
ピアノ独奏:ラルス・フォークト
指揮:ダニエル・ハーディング
(コンサートマスター:崔文洙)
本年初NJP。
いろいろな意味で面白かった。
ハーディングという人は、新日本フィルの音を根幹から変えつつあるように思う。
新日で「ペトルーシュカ」だったら、もうちょっとスマートでゴージャスなものを予想していたら、ゴージャスと言ってもまるで機関車みたいなザクザク感を伴った奥行きのあるゴージャスだったもんで(何言ってるんだか分らんが)驚いた。
弦がとにかく熱演。あの難曲の、チェロやヴィオラのややこしいパッセージが、あんなふうに浮足立った感じにならずシッカリ鳴っているのは実に珍しいし、管はいつものごとくに隙がない。服部さん(Tp)ソロ巧かったな。
そして、分厚くソリッドな響きを、仕上げに渡辺氏のピッコロがくっきりと隈取りする様が更に聴き物だった。
こういった音色の特徴とか変化は、トリフォニーで聴いたらもっと顕著に聞きとれると思うんだけど…
サントリーホールで聴くオケの音は、良くも悪くも「サントリーの音」になっちゃうなあ。
トリフォニー会員からサントリーに鞍替えして3回めの定期。NJPはやっぱり、トリフォニーの音がデフォルトになってるんだな、と実感。
ピアノを前半のコンチェルト共々ラルス・フォークトが弾いた(!)。
人使いが荒いなあ(笑)、などと思ってしまうのは日本人的感覚なのかな。
以前シンフォニエッタ静岡で、前半でコンチェルトを弾いたオリヴィエ・シャルリエ(パリ音楽院教授)が、後半の「シェエラザード」でコンマス席に座ってソロを弾いた現場を観たことがあるけれど、頼めば意外と気安く引き受けてくれたりするのかもしれないが。
非常にダイナミックレインジが広く、繊細な音から豪快な音まで見事に弾き分ける人だが、ちょっとわざとらしい感じがなくもない。
一方、チャイコフスキーの伴奏(オケ)は、せんだって飯守さんがシティフィルから引き出した響きと切れ味には及んでいなかったように思った。
« 服部先生を迎えて | トップページ | 【聴いた】山田和樹=都響 »
「コンサート(2012年)」カテゴリの記事
- オリヴィエ・シャルリエ讃(2012.12.29)
- 第九(2012.12.26)
- Sax的ドビュッシー生誕150年記念(2012.12.22)
- ふりかえり…寺本義明(Flute)(2012.12.30)
- 【聴いた】クープラン、ラモー、つむじ風~曽根麻矢子(クラヴサン)(2012.12.19)
コメント