別宮貞雄氏
作曲家の別宮貞雄さんが亡くなられたそうだ。
89歳。
一昨日(13日)の夕方にはニュースで流れていたようだが、迂闊にも見逃していて、先程知った。
都響の支援者のお一人で、よく都響の演奏会場でお見かけしたものだった。
都響ばかりではなく、現代音楽関連の実にいろいろな催しに精力的に顔を出されていた。
ご本人はアンチ前衛音楽の旗頭で、日本作曲界の保守派の大御所だったのに、作風のまるで異なる作曲家の作品の演奏会でもよく見かけ、「エーッ、別宮さんがこの人を聴く訳?」とびっくりすることがよくあった。
聴きもしないで文句ばかり言う、ありがちなアンチ現代音楽の輩とは一味違う。
(サクソフォンのために「街の歌」という作品を書いていて、二度ほど聴いたことがあるが、たぶん難易度的にワタシには手が出ない曲だ)
ブログ執筆予定を急遽変更し、CDを聴いている。
第3交響曲「春」(1984)。若杉弘指揮東京都交響楽団(Fontec)。
1993年1月の都響定期のライブ。
知らずに聴いたら作曲年代が全く想像がつかない、オーソドックスかつ明朗極まりない曲だ。
「音楽は『心から心に語りかける』メッセージだと、私は信じている」
とは、このCDに寄せられた別宮さんの解説文の冒頭の一節。
現代作曲家が、何のてらいもなくそういうことを言っちゃうって、なんだかすごい。
でもそれは間違いなくひとつの真実であり、受け継がれていくべきものだと思う。
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