初荷
新年2日め。板橋区赤塚の義妹宅に義母はじめ親族一同集結、歓談。
帰宅したらアメリカから荷物が届いていた。
Rubank版のサクソフォンカルテット・レパートリー集の楽譜セット。
先日、アメリカの管楽器教育のオーソリティーだったH.Voxman博士の訃報記事をこのブログ上に書いたことがあったけれど、そのVoxman博士の編纂になる、AATB編成の初級者向け曲集である。
この人のことをいろいろ書いているうちに、むかしお世話になったこの曲集のことを思い出し、探してみたらまだ売っていたので、注文してみたのだ。
これですよこれ。
高校生のとき、部活の先輩が買って残していったとおぼしきこの曲集が楽譜棚にあって、よくみんなで遊びで吹いたもんだ。
ちょっと古めかしい、オレンジ色のデザインも当時と同じだ。
収録は13曲。
バッハ、モーツァルト、ベートーヴェンからバルトーク、H.L.ワルターズに至る、非常に見識に富んだ作品の選択と、無理のないよい響きの編曲。
サクソフォンカルテットというとソプラノサックスを使わないと一丁前じゃない、みたいな風潮があるけれど、決してそんなことはなくて、学校吹奏楽の活動の中での取り組みも容易な、ソプラノ無しのAATB編成(いわゆるアメリカン・スタイル)の音楽的な質の高い楽譜の需要というのは、今なお多いはずだ。
こういう楽譜を、どんどん手がけるべきだと思う。
勿論、高校生だろうが中学生だろうが、上手でやる気のある子にはソプラノもどんどん吹かせていいと思うけれど、ソプラノはなんだかんだ言っても難しいからね。
私の見るところ、学生・社会人関係なく、カルテットをやりたいがために「無理やりソプラノを吹いている」、というレベルの人がまだまだ多いんじゃないかな。
この曲集の中に、ヨハン・クリスティアン・バッハのシンフォニア第3番というのが入っている。
実はこれ、私が生まれて初めて人前でサックス四重奏で演奏した曲だったりする。
1978年、高校2年の部活の新歓演奏会。
近隣の中学校からバリトンサックスを借りてきて、自分で吹いたのだ(バリトンサックスに触るのも、勿論初めてだった)。
ちょうど前の年の秋に、デファイエ・カルテットの赤いレコードを初めて聴いて衝撃を受けたところで、サクソフォン・カルテットというものに物凄く興味を持ち始めていた、ちょうどその頃。
そういうタイミングでこの曲集に出逢ったことは、とても幸運だったと思う。
これだー!
34年ぶりの再会。懐かしい。
« 新しい年が明けて | トップページ | 【聴いた】東京文化ニューイヤーコンサート、大友=都響 »
「サクソフォン」カテゴリの記事
- 【訃報】ユージン・ルソー(Eugene Rousseau, saxophonist)(2024.08.28)
- パリ音楽院サクソフォン科、新教授決定(2024.03.16)
- 【サクソフォーン・フェスティバル初日覚書】(2023.03.06)
- 雑誌「The Sax」112号(2023.03.01)
- 赤松二郎先生の訃報(2022.12.21)
突然で申し訳ありません。
あまりの楽譜の懐かしさに、つい反応してしまいました。
私も、高校時分に演奏した記憶があります。
この表紙、本当に懐かしいです。
カルテットの手始めに、これに取り組むのはいいかもしれないですね。
久しぶりに母校訪問して、この楽譜を吹いてみようかと思いました。
投稿: Nao@Noir | 2012.01.03 15:41
コメント有難うございます。
懐かしいですよね。表紙も30年以上変わっていないところがすばらしい。
高校にはバリトンサックスが無かったので、普段は3人で音出ししてましたが、それでもとても良い響きがしていたのを覚えています。
投稿: Thunder | 2012.01.04 01:59