【聴いた】アルカント・カルテット
モーツァルト/弦楽四重奏曲第15番K421
ベートーヴェン/弦楽四重奏曲第16番Op.135
ブラームス/弦楽四重奏曲第3番
12日。
弦楽四重奏です。
しかもただの弦カルではなく、チェロがケラスでヴィオラがタベア・ツィマーマンという、超弩級ソリスト集団。
数年前にドビュッシー他のプログラムを聴いて、想像を絶するようなドビュッシーにびっくり仰天して以来、気になっている存在だった。
王子ホールの主催公演、即日完売の二夜の第1日を聴いた。
ソリスト集団とはいえ、カルテットとしての一体感と統一された音楽観も既に確固として備え、一朝一夕の活動ではないことは一聴して明らかだ。
どうしてもヴィオラ以下に目(耳)が行っちゃうけど、ヴァイオリン、特にトップのヴァイトハースおばさん(失礼)もなかなかとてつもない。
というかさ、あそこまで(弦や弓がちぎれそうなくらいに)ガーッと爆発的に弾いて、どうして音が汚くならない(潰れない)んだろう?
一刻も目を離せない、笑っちゃうような劇的仕掛け満載のモーツァルト、充実の極みのベートーヴェン最後の四重奏、比較的オーソドックスながら堂々たる、格調高いブラームス。
アンコールに、あのドビュッシーの2楽章!
宇宙のどこかで何かが炸裂するような、なんて言い回しを使ってしまうのはあまりにも大袈裟かな。
…
「サクソフォン四重奏は弦楽四重奏に匹敵するような統一された音色と美質を備え…云々」みたいな言い回しをよく耳にするけれど、こういうのを聴いちゃうと、この次元に達しているサクソフォンカルテットって(特に日本には)果たしてあるかしらん?と考えてしまうワタクシであります。
ソリストであり、同時に100%「室内楽」であり、隅々まで確固として「音楽そのもの」であり、言葉の真意として「クラシック」であり、なおかつ鮮やかに「現代」である、みたいな。
近い団体はある、勿論。しかも一つじゃなく。
でもね、何かがまだ違うんだよなあ。
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