【聴いた】藤井一興(Pf)
藤井一興 ニューイヤーピアノリサイタル(東京文化会館・小ホール)
J.S.バッハ/平均律クラヴィーア曲集第2巻より 第11番
ドビュッシー/子供の領分、レントより遅く
湯浅譲二/内触感的宇宙II・変容
ドビュッシー/12の練習曲
3年連続、新年5日めの藤井一興さんリサイタル。
これも恒例のようなものになりつつある。
それにしても相変わらずおっそろしいピアノだった。
藤井さんという人は演奏家というより、「音楽」をピアノの中から取り出して見せる手品師や魔術師のように見える。
あの、シャイで素っ気ないステージ上での立ち居振る舞いも、演奏家のそれではないと思う。
藤井さんがドビュッシーの「練習曲集」を弾くのを聴いていると、まるでドビュッシー自身が自分のパロディを弾いているかのような錯覚に陥る。
湯浅譲二さん(作曲者臨席)の曲が、あそこまで客観的で孤絶した、ガラスの彫刻のような美しさを見せることも、他の人の演奏ではあまりない。
それにしても、感嘆するほかない美しい音色である。
例えばダン・タイ・ソンみたいな、「ピアノ演奏家」としての美音とは対極のもののような気がするけれど。
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