グリュミオーのCD
グリュミオー(1921-1986)の生誕90年・没後25年を記念して、一気に50枚再発売された「グリュミオーの芸術」シリーズから。
これは素晴らしいシリーズですよ。
シリーズのラインナップを見てみれば分るとおり、「正統的」クラシックのヴァイオリン音楽のアンソロジーとして、実によくできたシリーズだと思う。
名盤として名高いフランク、ルクー、フォーレ、サン=サーンス…といったフランス・ベルギー物は勿論、バッハだろうがモーツァルトだろうがベートーヴェンだろうがチャイコフスキーだろうが、そりゃあ細かいことを言い出せば好みは色々ありましょうが、超一流の音楽的趣味に裏付けられた「外れ」の無さにかけては、おそらくどれを買っても間違いはない。
50枚となると、中にはさすがにちょっと特殊なものもあるけれど、それでもたぶん、この50枚のうちどれを聴いたとしても、がっかりすることはないと思う。
ブラームスは他のヴァイオリニストのCDを既に持っていたけれど、先日ブルグのオーボエで聴いたモーツァルトの32番のソナタを聴いてみたくて、買ってみた。
次は何を聴こうかな。あんまり馴染みのない、シューベルトのソナチネとかをこの機会に聴いてみようかな、などと考えてる。
しかもこれ、1枚1000円(2枚組だと1800円)の分売、ってのがいいですね。
これが国内制作でなく海外盤だったら、間違いなく全部まとめて激安ボックスセットとして売られたでしょうね。50枚組で1万円くらいとか。
ボックスセットって、1枚当たりの値段はたしかに安いんだけど、1枚1枚の有難みってのが薄れちゃうのか、あんまりじっくり聴かなくなっちゃうような気がする。これほどの珠玉のセットであったとしても。
これらの1枚1枚を、それぞれに最低限のちゃんとした日本語解説も付けて(…輸入物のボックスセットって、ロクな解説の付いてない場合がほとんどだ)きちんとバラ売りするところが、さすが日本のレコード会社というか。
グローバル化したとはいえ、日本の会社ならではの丁寧な仕事ぶりというのはまだまだ健在のようだ。
しかし、グリュミオーの録音がDeccaの名義で出るというのは、ちょっと違和感はあるが…まあ、それは仕方ないか。
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