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2011.12.10

20世紀フランスの「粋」…ヴァレーズ、紀尾井

今夜は(11年ぶりの)皆既月食。
ちょうど今頃、皆既食の真っ只中で、ぼーっと赤黒い月が天頂に浮かんでいる。
満月の光にかき消されて見えなかったたくさんの星々が、ここぞとばかりに(ここ東京でもそれなりにたくさん)暗くなった空に姿を現してくる。
寒いなか外へ出て写真撮影にもトライしたけれど、コンパクトデジカメではなかなか難しいですなあ。

KST, 20111210昼間行ったコンサート。

紀尾井シンフォニエッタ東京 第82回定期演奏会(紀尾井ホール)

ラヴェル/クープランの墓
同 /ピアノ協奏曲(Pf:エリック・ル・サージュ)
フォーレ/マスクとベルガマスク
ビゼー/交響曲ハ長調
 指揮:ジャン=ピエール・ヴァレーズ
 (コンサートマスター:玉井菜採)

パリ管の元コンサートマスター(1975-1977)にして、パリ室内管弦楽団の創設者ジャン=ピエール・ヴァレーズ、2年ぶりの紀尾井シンフォニエッタ(KST)への登場。
見た目は「親方」、という趣の剛毅な風貌だが、出てくる音楽は、テンポとか縦を揃えるとかより何よりも、自在で生き生きとしていなければならない、みたいな、私の大好きな前世紀フランスの雰囲気と香りがぷんぷんしていて、この美しいホールの響き、「フランス音楽の半世紀を体現する」(ヴァレーズ氏談)プログラムの見事さも相まって、毎度ながら嬉しく楽しく聴く。
「クープランの墓」は、まさしくクリュイタンスの録音を思わせる速さと闊達さ。
テンポやスピードの速い遅いではなく、最初から「これ」、というふさわしい音楽の進み方の具合が決まっていて、瞬時にON!みたいなありよう。
いっしょうけんめい練習をしてだんだんテンポを上げていく、みたいな(ありがちな)世界から、これほど遠いものはない。
名手揃いのKST、それでもそつなく付けていくのはさすが。オーボエは蠣崎さん(読響)。

ラヴェルのコンチェルトは、レ・ヴァン・フランセのメンバーとして有名なル・サージュの独奏。
非常にニュアンスの豊かな演奏だが、この人、コンチェルトのソリストというよりはやはりソロと室内楽の奏者で、オケが相手だと(このホールでこの編成でも)音が埋もれるところはある。
でも、Debussy, Reflets dans l'eau, と呟いて弾き始めたアンコールは最高だった。
くぐもった音で陰影に富んだ、繊細きわまりないアプローチで、よくある派手できらびやかな演奏とはまるで違う素晴らしさだった。
この人のソロをもっと聴いてみたい。
でも、録音にこの繊細さは入るだろうか。

休憩後の「マスクとベルガマスク」は、本日一番の楽しみだったもの。
フォーレとモーツァルトと18世紀フランスの典雅さの幸福な結合のようなこの曲の艶なる雰囲気は、他ではまず求めがたいものだ。
最後、ビゼーの有名な交響曲は、思いのほか堂々とした、いかにもシンフォニー然としたスタイルで始まったが、フィナーレの軽やかさと透明さと機知はさすがだった。

アンコールに、ドビュッシー編曲のサティ「ジムノペディ第3番」(編曲された楽譜では、「2つのジムノペディ」の1番め)。
これまた本プロ以上の繊細さだった。

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