ショスタコ祭りその2…インバル都響B定期
東京都交響楽団 第727回定期演奏会(サントリーホール)
ショスタコーヴィチ/ヴァイオリン協奏曲第1番(Vn:ジュリアン・ラクリン)
同 /交響曲第12番「1917年」
指揮:エリアフ・インバル
(コンサートマスター:四方恭子)
いやはや、おそれいりました。
「5番」以上にインバル向きの曲かもと思っていたけれど、ここまでやってくれるとは。
屹立する鋼鉄の壁のような、強大でソリッドなサウンド。
都響はそもそもそんなに大きな音のオーケストラではないはずだけれど、今日の鳴りっぷりは長いこと都響を聴いてきた中でもほとんど「異常」なレベルだと言ってよかった。
それでいて揃うところは一糸乱れず揃って、濁りもしないんだから、正直言って怖いほどだ。
そんな壮絶なテュッティを通りすぎて、ふっと現れる弦楽セクションだけの響きの、フォーカスと方向性の豊かなありようがまたなんとも見事。
今日の首席奏者陣は、オーボエ本間さんとか、ファゴット堂阪さん、ホルン有馬さんとか、比較的「年長組」だったけれど、どこも実にセクションとして良い仕事だったと思った。
終演後のインバルさんも、「やったぜ!」という感じの会心の表情で、大喝采の中、極めて機嫌よく何度も舞台を出入りする。
前半のソリストは名手ジュリアン・ラクリン。素晴らしい。
旗1本倒さず豪快にゴールを決める大回転競技の名選手のような鮮やかさと緻密な「歌」に、拍手。
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