11月11日、シティフィル
東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団 第253回定期演奏会-フランス音楽の彩と翳 Vol.18「失われた音を求めて~プルースト生誕140年」(東京オペラシティ・コンサートホール)
アーン/ベアトリス・デストゥの舞踏会
ドビュッシー/ピアノと管弦楽のための幻想曲(Pf:菅野潤)
フランク/交響曲
指揮:矢崎彦太郎
(コンサートマスター:松野弘明)
11並びの今日は、シティフィルのフランス音楽定期へ。
これは、私たるもの、行かなくちゃいけません。
今回もまた、矢崎さんらしいコダワリの選曲。
レイナルド・アーンの「エステ家のベアトリーチェの舞踏会」の典雅な響きで始まった。
弦のいない、管セクション、ティンパニとシンバル、ピアノ、ハープ2台という編成の、擬古的なスタイルで書かれたなんともいえず素敵な曲だ。
以前、佼成woの定期でも聴いたことがある。
昔東芝EMIのLPで出ていたジャキャ指揮パリ管の演奏って、CDになっているんだろうか?
舞台セッティングを大幅に変えて、2曲めは若き日のドビュッシーの佳作、「幻想曲」。
滅多に実演にはかからないけれど、私にとってはマルティノンのドビュッシー全集で親しんで以来、30年以上にわたる愛聴曲である。
第2楽章Lentの、明滅する色彩感と詩的な雰囲気など、他のどんな作品にも(もしかしたら、ドビュッシー自身の他の作品にも)求めがたいものだと思う。
今日はお客さんの入りが少ないせいか(苦笑)、オーケストラがわんわん響いてしまい、ピアノの音が埋もれがちで、オケとピアノソロが合わない箇所もいろいろあったが、全体には最近聴いた読響の演奏よりははるかにそれっぽい雰囲気で鳴っていたと思った(児玉桃ちゃんのピアノは良かったんだけどね)。
思うにこの曲って、あんまり立派すぎるオーケストラだと似合わないのかもしれない。
休憩後はフランク。
6月に自分でも演奏したばかり、ということもあったかもしれないけれど、それ以上に、やはり30数年前から親しんでいるこの曲が、自分にとってどれほどたいせつな音楽か、ということを実感したことだった。
終演後のロビーで、旧知の志田先生に久々にご挨拶。
今般シティフィルの楽団長などという大変なものになられたそうで、スーツ姿で立たれていた。
最近発表になったシティフィルの来季のプログラムには、矢崎さんのこのシリーズが見当たらないので、「無くなるんですか?」と聞いてみたら、「いえ、無くなりません」ときっぱり。
まだ発表はできない段階だが、もう少し小さなコンサートのシリーズで続けることを検討しているらしい。
たしかにフランス音楽のシリーズって、客入り的にはあまり期待はできないけれど、この「彩と翳」シリーズだって、10年前に始まった頃とは見ちがえるほどそれらしい演奏ができるように進化しているということもあるし、ここで終わってしまうのはあまりにも勿体ないというものだ。
宮本新体制の来季のシティフィルは、客演指揮者の顔ぶれ等を見ても今までとは意気込みが違うものを感じるので、ここはひとつ頑張ってほしいものだ、と期待する次第。
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こんばんは♪( ´▽`)
友人がこのコンサートを聴きに行ってて、ツイッターでアーンって知らなかったとつぶやいてました。私もアーンといえばトマス・アーンしか出てこなかったのですが、たまたまCD屋へ行ったところ、プーランクのシンフォニエッタとオーバードとカップリングになっている「エステ家のベアトリーチェの舞踏会」を発見したので早速買い求めました。ハイペリオンの廉価盤ヘリオスで出ている一枚です。さわやかな曲ですね。気に入りました。
投稿: frosch | 2011.11.13 23:44
コメント有難うございます。こちらではお久しぶりのような気がします。
そのCD、ちょうど私も先日入手したところです。得体の知れない(失礼)指揮者とオケですが、なかなか悪くない演奏だと思いました。
投稿: Thunder | 2011.11.14 23:53