プレヴィンのピアノと
イベール/3つの小品
ダンツィ/木管五重奏曲Op.56-1
ミヨー/組曲「ルネ王の暖炉」
神田寛明(Fl)、青山聖樹(Ob)、伊藤圭(Cl)、菅原恵子(Bn)、日高剛(Hn)
プレヴィン/トリオ(日本初演)
アンドレ・プレヴィン(Pf)、堀正文(Vn)、藤森亮一(Vc)
この土日の重い疲れが身体に残る週明け。
10月も終わる。
土日のことはあとでゆっくり振り返るとして、今日のコンサートのことを簡単に。
N響プレヴィン月間の最後は、恒例?の楽員との室内楽演奏会。
プレヴィン御大自作自演の前座のように木五のスタンダードナンバーが付いているプログラムだが、当初発表の曲目では、御大がプーランクのピアノと木管の六重奏曲も弾くことになっていたところを、直前に変更になったのだった(校正や刷り直しが間に合わないタイミングだったようで、プログラム冊子はそのまま。変更後の曲目がぺら紙で挟まっていた)。
御大のプーランクが聴けなかったのは残念だけど、このメンバーのダンツィが聴けたのは意外な収穫だった。
サックス吹きの身としては、こういう絵に描いたような前古典派の音楽というのはいちばん勉強する機会のないものなので。
プレヴィン御大はやはり歩行器を押しての登場。
日本初演となる「トリオ」は、決して難解ではなく、しかし刺激的な和音と目まぐるしく活発なメロディの並ぶ、3楽章の軽妙な作品である(世界初演はムター、リン・ハレルという顔ぶれだった由)。
御大のピアノは、指はまあ、このお歳(82)にしてはよく回っているんだけど、なんというか「鳴らそう」とか「コントロールしよう」とかいう意思をどこかに置いてきてしまったかのように、とりあえず鍵盤に触っているだけ、みたいな泰然たるものだった。
浜離宮朝日のベーゼンドルファーを、まるで酒場の片隅のピアノのように弾いていた。
自分の曲だったら、どう弾こうと構わないけれど、この流儀で人の曲を弾くというのはたしかにちょっと辛いかもしれないなあ、とは思った。
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