アラン・ブリバエフ、都響
東京都交響楽団 第722回定期演奏会(東京文化会館)
グリンカ/スペイン序曲第1番「ホタ・アラゴネーサによる華麗なる綺想曲」
ロドリーゴ/アランフェス協奏曲(Gt:村治佳織)
スクリャービン/交響曲第2番
指揮:アラン・ブリバエフ
(コンサートマスター:山本友重)
日曜日は、22日の自分の演奏会のための最終練習。
激しいリハーサルをしたあとの週明け月曜日は、眠くてしょうがない。
どうにか仕事を終わらせ、久々の東京文化会館大ホールへ急ぐ。
アラン・ブリバエフ(1979-)。
若い人だ。チラシの写真よりも実物のほうがもっと若々しい。というか、「やんちゃな」、という形容詞を使いたいような挙動の主である。振り方もかなり大振り(棒は持たない)。
それにしても、大した才能である。
彼の指揮者としての才能は、出来合いのものを整理整頓して綺麗に並べたてる能力ではなく、自分の中にあるものだけを信じて、オーケストラと共に一から新たに音と音楽を創っていくというところだと思う。
後半のスクリャービンなんか、都響じゃないような音だった。
雪と氷に閉ざされた長い冬を、春の陽光に恋い焦がれながらじっと過ごす、北国の人たちのメンタリティを感じさせるような「寒い」音だった。
馬鹿騒ぎになっちゃいがちなフィナーレが、こんなにも喜びと流動感にみちて鳴るさまを、はじめて耳にした。
東京文化会館でこんな音を聴かせるなんて。
それでも、曲の冗長さを完全に隠しおおせるところまではいかなかった気はしたが。
「アランフェス」での村治嬢は、真紅のドレスで登場。
巧いもんだな。オケの人たちと同じ「言葉」を喋っている印象のある演奏だった。
さすがに軽くPAを使っていたようで、指揮台の脇に卵形キャビネットが目を引く小さなスピーカーが。
3階席で聴いていたが、ほぼ万全の音量バランス。
アンコールに、「タンゴ・アン・スカイ」(ディアンス)。村治さんの十八番。
1曲めのグリンカ。最初の音が鳴った途端に、思い出した。
あっ、これ、俺吹いたことある。
15年くらい前、古巣バンドにいた頃、吹奏楽コンクールの自由曲で演奏したことがあったのだった。
その年は県大会止まりで上の大会には進めず、演奏会でもやらなかったので、あまり印象に残らないまま終わってしまった。
しかし、こんな難しい(サマにならない)曲、よくコンクールなんかでやったよなあ。しかも出版譜ではなく、オリジナル編曲だった。いったい誰が選んだんだろ。
…あっ、今日の演奏は、良かったです。(笑)
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